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ナゾの動悸と『精神交互作用』 〜双極性障害の頭の中 17

みなさん、こんにちは。
双極性障害2型(双極症)のフツーの会社員、パピヨンです。

先週1週間悩まされまくった、“謎の動悸”について記します。
精神疾患持ちで、私のように突然の動悸に困っている方は少なくないと思うので、参考例のひとつになればと思います。

※心臓は言わずもがな重要な臓器です。安易に判断せず、少しでも気になったら必ず医療機関にかかるようにしてください。


突然のドキドキ

始まりは先週の水曜日に遡ります。
会社帰りの満員電車の中で突然

ドキドキッ

心臓がおかしくなりました。
真っ先に頭をかすめたのは
「パニック発作か?!」
でしたが、その後電車を降りても帰宅してしばらくたっても、なんだか心臓がヘンなのです。
まるで喉元に心臓があるみたい。
これが巷で言われる“動悸”というヤツか。
ドキドキが止まらない。
「心臓の病気か?!」
一抹の不安に苛まれながらも睡眠導入剤でなんとか眠りにつきました。



翌日もドキドキが止まらない

朝起きたら、ドキドキは収まっていました。
ホッとして出勤の支度をし、いざ家を出て歩き出したら、また心臓がバクバクしてくる。
喉元に心臓が戻ってきました。
満員の朝の通勤電車を吊り革にぶら下がりながらなんとかやり過ごし、どうにか出勤しました。

「会社がイヤなのか??」

いやいや、思いつく限りこれと言ったストレス因は無い。
しかもパソコン作業に集中している間は不思議とドキドキを忘れている。
しかし、思い出すとまた心臓がバクバクしてくる。
やっぱり心因性なのか?

木曜日、金曜日…不安はクレッシェンド的に増大してくる。
心因性で一日中3日間も心臓ドキドキしっぱなしってあるの???
流石にこれは私の心臓、おかしい気がする。
「明日は土曜日。まだドキドキが治らなかったらとりあえず心臓の病院に行ってみよう」
そう決めました。


初めての循環器内科

調べたら家から歩いて行ける距離に土曜日も診察してくれる循環器内科クリニックがありました。

なんか、大げさかな…先生に怒られないかな…

余計にドキドキしながら「初めてなんですけど」と受診しました。
まずは心電図。
つい先月会社の人間ドックで心電図は測ったばかりでしたが、念のためもう一度調べてもらいました。

診察によれば、心電図は正常でした。
しかし循環器内科の先生曰く、
「不整脈の場合、短い心電図だと計測できない場合もあるので、心配だったら24時間のホルター心電図検査やりましょうか」
ということになり、予約をしました。



突然、治っちゃった

心臓がバクバクしたまま土、日を過ごし、月曜日になりました。
相変わらずドキドキしながらも

「明日は精神科クリニックの受診日だから、この6日間続いてる『心臓ドキドキ事件』を主治医にどうやって説明しよう?」

と朝から頭の中で経緯を振り返り話をまとめていました。
すると、あれれ?
いつしか心臓のドキドキが収まっている。

おやおや?

たまにドキドキッとはするものの、昨日までのような、一日中心臓がドキドキする症状は消えていました。

やっぱり心因性かもしれない。

循環器内科クリニックに電話して状況を説明し、一旦ホルター心電図検査はキャンセルしました。



『精神交互作用』の悪循環

精神科クリニックの受診日。
主治医に一連の『6日間心臓ドキドキ事件』を説明しました。
まずは循環器内科で異常が無かったことを「良かったですね」と褒めてくれた上で、
心因性だとしたらどのようなことが起こっているのか?を説明してくれました。

主治医:「『精神交互作用』というのがありましてね」


心臓がドキドキしたかも?!と思う

意識が内向(内側に向いて気になる)する

交感神経が優位になる

実際に心臓がドキドキする

さらに心配になり意識が内向する

さらに交感神経が高まる

益々心臓がドキドキしてくる

「っていう“とらわれのループ”が出来上がってしまうんです。そうなると動悸が持続してしまいます。」

私:「心因性だとして、それは最初の電車の中から何日も続いたりするものですか?」

主治医:「続く可能性はありますね。“とらわれのループ”が続いている限り、ドキドキは続くと思います。ところが何かのきっかけで意識がループから外れると動悸はおさまります。おそらく『今日、先生に会ったらどう話そう?』と別のところに意識がフッと行った瞬間にループが途切れたんでしょう」

ま!さ!にっ!
それだぁ〜〜〜!!!

私:「パソコンに集中している時はおさまってたんですよ!」

主治医:「別のことに集中することで“とらわれのループ”が途切れていたからでしょうね。また意識が内側に向くとドキドキが始まってしまいます」

なーるーほーど〜

主治医:「難しいかもしれませんが、ドキドキが始まってしまったら、なるべく別のことに意識を向けるようにしたら収まってくると思いますよ」 

※『精神交互作用』は精神療法のひとつである森田療法の用語のようです。私の主治医は治療に森田療法の考え方を取り入れているので、この用語で私の状態を説明したのだと思います。


知識は力なり

ロジックさえ知ってしまえば、こっちのものです。
主治医の説明が功を奏し、その後も数日は時々“ドキドキッ”としていましたが、

はいはい、意識が内向して交感神経が優位になってるだけですぅ〜

と自分に言い聞かせているうちに、すっかり治りました。
まさに、『知識は力なり』です。

それにしても。
人間の脳って不思議ですね。
心因性のものなら一時的と思っていましたが、“とらわれ”が続けば何日も治らないことがあるなんて。

冒頭にも記しましたが、それでもやはり“心臓”は何かあったら怖い臓器です。
心配性と言われようが、
気にし過ぎと言われようが、
自己判断せず、不安な時は医療機関にかかってくださいね。
私も「絶対に“心因性”だ!」と過信せず、変だなと思ったらまた循環器内科を受診するつもりです。

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