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うた。

昼過ぎにやっと動ける君にあて

僕は夜明けにうたを書きおく


家から出られなくなって、大学に行かなくなって、一ヶ月。
友達に連れられて病院へ行き、薬をもらい、少し良くなった。
親に連絡して、実家に帰ってきて、休んだ。

良くなった。今まで通りの日常が送れる体力は戻ったはずなのに、それでも空虚だった。今までと同じことができるようになったところで、それが何だと思った。
本当に、心底どうでもいいことばかりで嫌になった。

僕は、詩を書くことにした。
死ぬほど無感情な夜でも、僕は言葉に、一方的に喋りかけた。
言葉は誰の味方もしない。僕のものにも、君のものにもならない。
ただ、そこにあるだけでいい。

あした、昼過ぎにやっと動ける君に。動けないまま、ご飯も食べずに、ベッドの上で孤独を抱きしめる君に。
僕が言葉を書きおいておこう。
この世界に、少しでも生きようと思えるのは、言葉のせいだから。
体の中のリズムに乗せて、うたを創ろう。
君にうたを託して、いつ目が覚めなくなってもいいように。


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