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目指せ2級スカウト【進級攻略法】

はじめに

現役でベンチャースカウトをしている一(はじめ)です。この記事では、ボーイスカウトの進級章である「2級スカウト章」を取得する際に役立つことを書いています。

このブログが目指すことについては以前の記事で紹介しています!


注意

2024年4月からボーイとベンチャーの進級章を完全に分ける新課程が始まります。(1年間は移行期間なのでおそらく新旧どちらの課程でやってもよい)この記事では現時点で分かっている新課程の細目をベースにして説明していますのでご了承ください。


2級章とは

ボーイスカウトの進級章のうち初級章の次に取ることになるものです。キーワードは「ハイキング」で、班の中心としてハイキングの計画・実施・報告ができるとともに初級スカウトの指導ができることを目標とします。

余談ですが、私はこの2級章をつけている期間が非常に長かったです。(コロナで活動できなかった)しかし、思い入れは意外と無いですね。逆に2級章だけ記章にそなえよつねにのリボンしかないというデザインなのでなんか格好悪く、早く外して1級になりたいな~と思っていました。なので、皆さんにはこの2級章取得を通してスカウトとしての基本的な技術を身につけて、1級、菊、・・・とさらに高みを目指して欲しいです。


①基本

1.「ちかい」と「おきて」について意味を説明でき、その実践に努力していることを隊長に認めてもらう

これは1通り細目が終わった後に隊長がサインすることが多いです。数少ない隊長認定(隊長にしかサインできないもの)なので注意しましょう。

2.日本の国旗の意味、歴史、仕様を説明でき、班や隊の活動で国旗を正しく掲揚できる

国旗の意味、歴史、仕様についてはリーダーや上級スカウトにクイズを出してもらうか、レポートにまとめて提出します。どうやるかについては隊によって異なるので上級スカウトに聞いてみてください。

掲揚については、集会のときに積極的に「掲揚させてください」と名乗り出ると良いと思います。事前にハンドブックの最初の方にある国旗掲揚のやり方を確認しておきましょう。

3.外国旗およびその国のスカウト章を5カ国以上見分ける

これもレポートか考査によりサインがもらえるでしょう。イギリスなどはここ10年くらいでスカウト章が変わったので、ネットで情報を調べる場合には注意が必要です。スカウト章が分かると、世界ジャンボリー(WSJ)に行ったときに役立ちますよ!

https://www.scouts.org.uk/

↑[参考]イギリスボーイスカウトのホームページ

②健康と発達

1.体温、脈拍と体調との関係について説明する

これもレポートもしくは考査かなと思います。スカウトハンドブックに十分な情報が載っていますが、もっと知りたくなったらネットなどで調べてみることをおすすめします。

2①.日常遭遇しやすい次のような場合の応急手当や対応を説明できる

ここでは8つの場合が挙げられていて、それぞれに対しての応急手当と対応を知る必要があります。これについてもレポートや考査による判定かなと思います。今後のスカウト活動内はもちろん、救急章を取得する際にも大変役立つ知識なので、レポートにまとめるだけで満足せずに理解しておくことをおすすめします。ハンドブックにイラスト付きで分かりやすく解説しているページがあるのでぜひ活用してください!

2②.三角布で他の人の頭、手、ひざ、足に包帯を巻き、腕をつる方法を実演する

これはハンドブックを見ただけでは少し難しいかもしれません。もし、隊集会で救急法についてやることがあればその機会を活用してください。そのようなことがない場合は、班集会で上級スカウトに教えてもらったり、リーダーに教えてもらったりという方法があります。どっちにしても1回はハンドブックを見ておくとやりやすいと思います。

3.隊または班の安全係を担当する

以前は3ヶ月以上といる条件がありましたが、現在は期間の長さに関わらず、安全係をやったらOKです。それぞれの隊でおそらく安全係が設定されているので、名乗り出てやってみてください。

③スカウト技能

1.16方位と方位角の呼び方を覚え、コンパスで進路を発見する

16方位と方位角については、学校で覚えたというスカウトも多いのではないでしょうか。北北東とかいうアレです。なので、レポートを作るか上級スカウトやリーダーにクイズを出してもらい、サインをもらうと良いかなと思います。これはレポートより口頭でクイズの方がやりやすいかもです。

コンパスで進路を発見するのは、隊でハイキングがあればそれを利用しましょう。無い場合は、やり方をハンドブックで確認して理解した上で上級スカウトなどに課題を出してもらうと良いと思います。「30°の方向に50m進め」とかですね。この技術は後々出てくる2級挑戦ハイキングに必ず役立ちます。

2①.2万5千分の1地形図を用いて、図上に示された2つの地点の間の方位角、直線距離、標高差、道路に沿った歩行距離を読む

2万5千分の1地形図を用いた実習の1つ目です。ハンドブックに説明があるので、自分自身で身につけられます。1通りハンドブックで理解してから、集会で上級スカウトなどにどうやるか見せてアドバイスをもらうとGOODです。それでサインをもらえるのではないでしょうか。

2②.2万5千分の1地形図を用いて、真北と磁北の違いを説明する

2万5千分の1地形図実習2つ目です。真北と磁北は何が違うのかハンドブックで調べてみよう。せっかくなら地図上に磁北線を引いてみると良いですね。

2③.2万5千分の1地形図を用いて、500m(または1km)ごとの方眼を正確に書き入れた地形図により、6桁(または8桁)座標読みを行い、示された地点に到達する

2万5千分の1地形図実習3つ目です。座標読みについての課題で、これもハンドブックに説明があります。これも上級スカウトに課題をもらって実践してサインをもらうという感じです。

座標というのはなじみがないかもしれませんが、非常に役立つものです。学校の社会の授業で使用する地図帳を思い出してください。索引で地名を調べると「A1N」などと場所が書いてありますよね、それがいわゆる座標です。ボーイスカウトが使う2万5千分の1地形図にはGoogleマップと違い、建物の名前が書いてありません。なので「○○野営場に行け」というだけでは伝わらないんですね。そこで、「多摩033025にある○○野営場に行け」などと伝えます。結構上手くできた方法だと思いませんか?

3.10種類以上の地形図記号を覚える

地形図記号とは学校で習う地図記号と同じものです。レポートにまとめるなどして上級スカウトやリーダーに見せましょう。もしかしたら、「これは何でしょう」などとクイズを出されるかもしれないので、覚えておくこと。

何の記号を覚えようと悩む方は次のものを調べてみてください。
三角点、水準点、田、畑、果樹園、針葉樹林、広葉樹林、神社、寺院、
JR線の鉄道、私鉄の鉄道

4.地図とコンパスを10km程度のハイキングを計画し、隊長の指名する2級以上のスカウトともに、保護者の同意のもと実施し、報告する

これが2級スカウト章の目玉、2級挑戦ハイキングです。1通り細目が終わった後に実施するのが基本です。

おそらく、こうして計画を本格的に行うのは初めての経験ではないでしょうか。ハンドブックに「ハイキングの計画」というページがあるので参考になると思いますが、なかなか1人で行うのは大変です。2級挑戦ハイキングは1人で何から何までやらなくてはいけないというわけではありませんので、上級スカウトをはじめとする仲間とともに計画を作り上げましょう。ときにはリーダーに聞いてみることも必要になるかもしれません。

5.ナイフ、なた、のこぎりを安全に使用でき、手入れと保管ができる

これは、レポートや口述だけでなく、実践が伴う必要があります。キャンプなどで率先してナイフや隊装備のなた、のこぎりを使わせてもらいましょう。班長に事前に「私は2級章のためになたやのこぎりを使いたい」ということを伝えておけば、良い班長は教えてくれるでしょう。

6.火口、焚き付け、薪を作り、マッチ2本で火を起こし、500mlの水を沸騰させる

この細目は、キャンプなどを経験する中で自然にクリアできるものです。これも率先して火起こしや料理をやる必要があります。班長の協力も不可欠です。

7.次のロープ結びの使い道を理解し、実際に使う

ここでは8つのロープ結びをできるようになることが求められます。ロープワークが得意だったり好きなスカウトは、ハンドブックを見ただけでできるかもしれません。少し苦手だな~という人もネットで動画を見つけたり上級スカウトに教えてもらったりしてマスターしましょう。そして、上級スカウトやリーダーにテストしてもらい、クリアできればサインはもらえると思います。また、ロープワークはやっていないと忘れていきますので、時々触れておくと良いですね。

8.24個の小さなものを1分間観察し、そのうちの16個以上を記憶によって答える

これはいわゆる「キムス」というものです。細目にあるとおり、24個の小物を1分間だけ見て(メモを取ってはいけない)、その後に小物もメモも見ることなく、何があったのかを思い出して書き出します。16個以上あっていたらクリアです。何度もやると覚えられるようになるでしょう。隊集会でやるときはスカウトグッズが小物として使われることが多いので、「チーフ、チーフリング、スカウトハンドブック」は覚えていなくても書けばあたる気がします(ずるい)。

9.100mの距離を誤差5%以内で歩測する

これも実践あるのみという感じでしょうか。歩測の方法とコツはハンドブックに書いてあります。私から伝えられるコツとしては「いつも同じ歩幅で歩く」ということです。もちろん歩測を行うときも普段通りの歩幅で歩いてくださいね。

10.スカウトペースで2kmを15分で移動する

スカウトペースについてもハンドブックに書いてあります。ハンドブックの方法以外にもいろいろな方法がありますが、ハンドブックを引用すると

スカウトペーストは、はじめ40歩(単歩)をはや足で進み、次の40歩をかけ足で進み、これをくり返す方法である。

ボーイスカウト スカウトハンドブック ベーシック

ということです。上級スカウトやリーダーの教え方に合わせていいとおもいますが、1つだけやめておくべき方法をお伝えします。それは「電柱の度にはや足とかけ足をくり返す」というものです。理由は、急に電柱が地中化されていると、ずっとかけ足しなくてはならず疲れたり、はや足しかやらずに全然着かなかったりということがあるからです(笑)。

11.片かな手旗信号で15の原画を理解し、10文字程度の語句を発信、受信できる

来ました手旗信号。私は結構好きでしたが、そこまで好きではないという人もいますね。カブ隊でやったことある人もいるのではないかと思います。これも実技が中心になるので、実演してサインをもらいましょう。

15の原画とは0~14の数字を表すもので、暗記するしかありません。けど、覚えやすく工夫はされてますので頑張ってください。10文字程度の語句の発信、受信は一文字ずつ原姿(気をつけ)に戻るということに気をつけてください。手旗にハマってもらえますように…。

12.自宅および活動場所から近隣の避難場所を探し、ルートを示すこと

これはつい最近(2024年度から)できた細目です。
自宅からの避難場所は決めている人も多いのではないでしょうか。決めてない人もこの機会に決めて、レポートなどにまとめましょう。ルートについては、地形図に書き込むか略地図(手書き)を簡単に書くと良いでしょう。活動場所については、スカウトハウスがある隊はスカウトハウス、無い隊はよく使う場所からの避難を考えましょう。ルートは安全確認をしてから決められるとなお良いですね。

④奉仕

1.デンコーチとして3か月以上の奉仕、または社会奉仕活動を3回以上実施する

デンコーチとはカブスカウト隊でカブスカウトの支援をするボーイスカウトのことです。リーダーなどに頼んでやらせてもらおう。

カブ隊がない団や、デンコーチをやる時間が無いときは社会奉仕活動を計画するというのも1つの手です。計画をする必要があり少し大変だが、成長する良い機会になると思います。

デンコーチになると、ロープワークなどを教えて欲しいと頼まれることもしばしばあるだろうと思います。2級のロープワークはカブ隊で身につけるものと被っているものも多いので、デンコーチになるにあたって学んでおくのも良いですね。

⑤信仰奨励

1.スカウツオウン・サービスで、自分ができる役割を果たし、「ちかい」と「おきて」を日常で実践したこと、感じたことを発表する

「スカウツオウン・サービス」は初級章でもやったのではないかと思います。日常的に活動でスカウツオウン・サービスを取り入れている隊はぜひ積極的に意見を発表して、クリアにつなげましょう。「スカウツオウン・サービス、なにそれ?」という隊は、ぜひ自分から「やりませんか?」と提案しましょう。もともとそれがスカウツオウン・サービスの目指すべき姿です。

⑥班長会議

1.初級スカウトとして3か月以上、隊及び班活動に進んで参加したことを班長会議で認めてもらう

ちゃんと細目をやって、隊活動や班活動に参加していれば認めてくれることでしょう。


メッセージ

2級章は初めてのことが多く、なかなか大変だと思います。けど、日々の隊集会や班集会のときにほんの少し進級のことを考えているだけで、細目をやるチャンスは結構あります。私も、隊集会への参加の中で2級章を取ったという面も大きいかなと思います。ですが、自分からやろうとしないとやれないことも少なからずありますので、頑張ってください!

ここで、2級章を取った後の話について少し。次に立ちはだかる1級章のテーマはキャンピングです。いよいよボーイスカウトのメイントピックに入っていく感じでしょうか。また、技能章というものも登場します。カブスカウトでいうとチャレンジ章のようなもので、自分で選んで取るということがでてきます。これがまた楽しいですので、十分に楽しみにしてもらえればと思います。

以上、長々と2級章のことについて書いてきました。2級章で身につけた技術や経験はこれからも大変役立ちます。楽しみながら頑張ってください!弥栄


参考:2024年度からの変更点

ここは興味ある方だけでOK! 現役BSが読んでもあまり意味は無いです。

  • 安全係の期間条件がなくなった

  • 三角点、水準点、標高点、等高線についての細目がなくなった(新技能章の「読図章」に移動した)

  • バックベアリングについての細目がなくなった(読図章へ移動)

  • 野外料理についての細目が無くなった(野外炊事章にはある)

  • 食用植物、有害植物についての細目がなくなった(観察章にはある)

  • 1合の米、1Lの水の計量についての細目がなくなった(計測章にはある)

  • 追跡記号についての細目がなくなった(通信章にはある)

  • 避難場所とルートについての細目が追加された(他の級においても自然災害に関する細目が追加されている)

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