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#36 ーうつ病みのうつ闇ー たどり着いた場所…どうなりたいかから始めること

これを書き始めてから数年の月日が経った。書き始めた時とは、自分の考え方も状況もずいぶん変化した。どこかで書いたように、とても遠くまで来たような気がしている。

闇の正体に気づいた時、人の心理というのは本当におもしろいと思った。こんなにたくさん書きながら読み、反復して考え、感じ、気がつき、また書いて――

スコップ一本で深く深く井戸を掘るように、自分の内面に潜り込んでいって掘り当てたのは…一番始めに書いた、あの17歳の夏の出来ごとだった…そこに答えがあったのだ。

私がこれを書いて、とんでもなく苦しみながら数年かけて辿り着いたのは、一番初めに自分が書いたものの中にあった。ぐるっと一周回っていたわけだ。

それでもその景色は、最初に見たものとは全く違っている。『自分の中に全ての答えはある』というのが、今の私がつくづく…しみじみ感じていることだ。

そしてまた、潜在意識というものの凄さも。人間の意識は顕在意識5%、潜在意識95%が占めているという話もある。人間はほとんど潜在意識で動いていると言っても過言ではないのだ。

夢が象徴するもの――の中で『潜在意識は、私がこれを書き自分を見つめ、危機的状況を迎えること知っていた』と書いたが、そもそも心の中のものを吐き出したいという思い、これを書くこと…それ自体が潜在意識からきているものなのだろう。

全ての答えは自分の中にある。頭でわかっていたはずのこと、それを体で学んだ貴重な出来ごとだった。そしてそれによって、自分の周りで起きる出来ごとへの見方や、捉(とら)え方が大きく変化した。
 
それともうひとつ、重要なことを学んだ。私も含め多くの人は、現状から未来を予測する。当たり前のことなのだが、ここに凝り固まり過ぎると、何も発展しないということだ。

母との葛藤を克服しようとした時、状況は絶望的だった。どうしても母を好きになれなかったし、許せなかった。50年以上にわたる恨みや怒り、嫌悪感をどうすることもできず、ましてや母が突然、私の望むような人間になるはずもない。そして…永遠の別れの時間も迫っていた。

常識的に考えれば、その状況での和解は無理難題でしかなかった。何度も「もう無理だ」「許すなんて到底できない」「和解なんて夢だ」と思い、諦めそうになった。辛くて辛くて、ただただしんどい日々だった。

それでも、どうしても諦めたくない自分がいた。その自分は、何とか母との確執(かくしつ)を手放したいという願望にしがみついた。そして、それはふとした瞬間に叶(かな)った。

何か重要なことの答えは、そのことについて思い詰めて考えている時より、その合間のちょっとほっとしている時とか、他のことをぼんやり考えている時にやってくることが多い。その時もそうだった。

このことを通して思ったのは、目の前の現実がどうであれ、自分の願いは強い気持ちで持ち続けることの大切さだった。

『今の状況を考えたら、自分の願いを実現するのは無理だ』と、多くの人は願い続けることを止めてしまう。でも自ら願わないものが、手に入るはずもない。

目の前の現実がどうだろうと、そして結果的にその願いが叶おうが叶うまいが、まずは『こうなりたい』と思い、願い続け、行動すること。今の状況だけ見て、あきらめないこと。未来から逆算して、今の行動を選択すること。

そうすれば、たとえその願いが叶わなくても、違う形で自分にとって大きな恵みとなるに違いない。努力の足跡は、自分の中に残り続ける。人生を変容させる鍵は、いつだって自分の中にある。

これからも学び続け、より良く変化し続けると強く願い、思い、行動を続けていく。時には挫けて諦めても…すねて全てを放り出し、数日ふて腐れて過ごしても…また思い直して立ち上がる。

そうして最後には、きっと立ち上がっていたいと思う。

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