紫澤 祥子 (しのざわ しょうこ)

10代で一度心が死んだうつ病持ち。支配的な家庭に育ち、早すぎる妊娠、結婚と離婚、DV……

紫澤 祥子 (しのざわ しょうこ)

10代で一度心が死んだうつ病持ち。支配的な家庭に育ち、早すぎる妊娠、結婚と離婚、DV…いろいろ経験。 つきまとううつ症状に苦しみながら、失くした心を取り戻し、新たに生きようと格闘中。

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1)  #1 うつ闇のうつ闇:なぜ書いたのか 2)  #2 うつ闇のうつ闇:これを見つけた方へ 3)  #3うつ闇のうつ闇:うつという経験 4)  #4うつ闇のうつ闇:生き続ける過去…早過ぎる妊娠 5)  #5うつ闇のうつ闇:愛のない結婚…発症 6)  #6うつ闇のうつ闇:捕食者の出現…DVという支配とコントロール 7)  #7うつ闇のうつ闇:DVという支配とコントロール…誤解と偏見 8)  #8うつ闇のうつ闇:DV・虐待のもたらすもの 9)  #9うつ闇のうつ闇:砕けた人生

    • イマジナリーブラザー ~今日もお兄ちゃんのバイクで出勤だ~

      ずうっっと、お兄ちゃんが欲しかった。 彼氏や友達は、何かあれば縁が切れてしまうけれど、血が繋がっているというだけで、なかなか完全に縁は切れないから。 私にとって、それは安心できるものに思える。不思議だ。現実の血縁とは安心できる関係ではなかったのに。 友人たちから空想好きと言われるが、子供の頃からそうだった。幼い子が、現実にはいないはずの友達と遊んだ記憶を持つことがあり、その友達はイマジナリーフレンドと呼ばれていて、珍しいことではないらしい。 私はそれが『友達』ではなく『

      • とにかく教わった通りにやってみる

        これまで、営業事務、役所、掃除、スーパーのレジ、食品店、病院、営業、コールセンターなどなど、10以上の仕事をしてきた。 その経験から学んだのは、新しい職場に入ったら、ひとまず教わった通りにやることだ。 『何でこんなことやってるんだ?』とか、『こんなやり方より、もっと良いやり方があるのに』とか思うこともあるけれど、まずは教わった通りにやり、それができるようになってから、初めて、自分流のアレンジや先輩に提案をする。 一見効率が悪く見えることも、意味があってしている場合もある

        • 正しいか、正しくないか、なんて…何の役にも立ちゃしない

          若い頃は、私も「正しいか」「正しくないか」とか、「○○であるべき」とかに、けっこうこだわっていた。正確に言えば、それで物事が解決したり、相手を納得させることができると思っていた。 でも、半世紀も生きれば、そんなの何の意味もないと気づく。 昔のドラマで「事件は現場で起きてるんだ!」というセリフがあったが、人生の『現場』では、そんなもの…役に立ちゃしないのだ。 人をいじめるとか、勤務時間をちょろまかして不正に給料をもらうとか、親しくもない他人の物を勝手に触るとか…私にとっては

        • 固定された記事

          頑張り癖再び ~これどうにかして欲しい~

          長い冬の時期が終わり、ようやく社会復帰にチャレンジする時が来た。 なるべく対人ストレスが少ない仕事! 私が出した結論は、病院の掃除。 自分の担当フロアを、一人で時間内に清掃する。仕事中は一人なので、人に絡みたくない状態の私にはうってつけだ。 半日週3日から始めて週4日、5日…と日数を増やし、その後一日の勤務時間を延ばしていった。 清掃の仕事は、60歳以上のいわゆる高齢者が多く、清掃の準備と片付けの時に接するくらいだが、その様を見聞きして思ったこと。 歳を重ねて、好々爺

          頑張り癖再び ~これどうにかして欲しい~

          考えただけでぞっとする、うつの黒い霧

          ようやくうつの黒い霧が晴れてきて、それに襲われることがだいぶなくなったし、たとえその襲来があっても、前が見えなくなるような濃い霧ではなくなってきた。 もしまた、あの黒い霧に襲われたら、耐えられる気がしない。よくもあの窒息状態に、長いこと耐えたもんだと思う。 どうして耐えられたのか今ではわからないし、どうやって耐えたのかもわからない。 あの感覚を思い出すだけで、体の力が抜けてしまいそうになり、ぞっとする。 もしまた、あの黒い霧が再び私の元に現れたら、耐えられる力が残って

          考えただけでぞっとする、うつの黒い霧

          余命を尋ねられた時の、ある緩和ケア医の説明が心に残った話

          母が末期ガンと判明した時、緊急入院先で余命4~6ヵ月と言われたが、本人は自分の身に何が起きているか、なかなか理解できなかった。 母の家系にはガンになった者は一人もいなかったし、70歳越えてからパートも始め、パワフルに好きなことをしていたので、本人も周囲も軽く100歳を越えて生きるだろうと思っていた。 ガンになったということ、それも末期だということ…理解できないのか、受け入れられないのか、生き延びる自信があるのか…彼女は、まだまだ生きるつもりでいた。エアコンを新しくしたり、

          余命を尋ねられた時の、ある緩和ケア医の説明が心に残った話

          達人 ~能ある鷹は爪隠す~

          うつ病で薬漬けになり、投薬での治療に限界をむかえていた時、私を救ってくれたのは、気功だった。 およそ達人とは思えない、若干薄くなった髪の毛が印象的なヘラヘラしたおじさん(失礼!)に「まず体内に溜まった毒素を外に出すことから始めるので、薬は一切止めて下さい。それが不安なら、うちでは治療できません。治療を始めても、薬を飲みたくなったらそれでもいいですが、その場合もうちでは治療を中止します。どちらを選ぶかは、あなたが決めて下さい」と言われた。 当時の私は気功が何だか知らなかった

          雪が好き

          雪が大好きだ。この気持ちは、ただの好きとはちょっと違う。いや、かなり違う。 今年も空から降り落ちてくる白いふわふわ。それを見ると、胸が締め付けられるような懐かしさと、うれしさと、言いようのない切なさを感じる。 雪になにか…特別の思い出でもあるように。 それは、きっと過去世の消えた記憶の破片だろうと思っている。そのくらい、尋常じゃない複雑なものを感じるんだ… 特に夜暗闇から落ちてくる雪を、街灯の下で見るのが好きで、たまにこっそりそんなことして楽しんでいる。 風に吹かれて

          シーゲル博士の心の健康法 ~優秀な外科医ががんサバイバー達から学んだこと~

          今から30年近く前だろうか。偶然書店で見つけた本だった。この本は、私の人生に多大な影響を与えたが、買って数年はほとんど読まず、読んでも心にたいして引っかからなかった。 初めてのうつ病で倒れた後、長期間大量に向精神薬を服用していたことによる副作用で、廃人寸前になった経験から、医者も薬も大嫌いになった。 それはもはや、敵視と言っていいレベルだった。 気功の名人との出会いにより、激しい好転反応、離脱症状を乗り越え回復し、頭が回転するようになって、再びこの本を手に取った。(本書は

          シーゲル博士の心の健康法 ~優秀な外科医ががんサバイバー達から学んだこと~

          法廷で銃をぶっ放す! ~娘を殺された母親の復讐~

          どういうきっかけかはわからないが、スマホを見ていたら、白いコートを着た美しい女の人が、無表情でポケットから銃を取り出し、続けざまに発砲、周囲の人に止められる動画が出てきた。 その姿が、氷のように冷たく美しく板についていて、いったいなんて映画なのかと思ったら、現実の出来事だった。 マリアンネ・バッハマイヤー。1981年に、7歳の娘が強姦殺人の被害に遭い、第3回公判の際、犯人の後ろから8発発砲し、6発の銃弾を撃ち込んで殺したドイツのシングルマザー。 犯人は、過去に何度も児童

          法廷で銃をぶっ放す! ~娘を殺された母親の復讐~

          「うつ病は甘えだ!」の陰にあるもの

          うつ病に対する無理解を知り、ショックを受けたが、それでも好きな、例のYouTuberさんのチャンネルをその後も観てる。 それまで観た動画は、うつ病始め精神疾患についてのその人の見解を知るような内容のものはなかったので、この間はショックを受けたが、その人は繰り返し精神疾患患者について、厳しい考えを話していた。 心がざわついちゃうので、その手の話になったら高速スキップさせていたが、どうしてこんなに頭の良い、真の優しさも持つ人が、批判されると知りながら、こんなことを繰り返し言う

          「うつ病は甘えだ!」の陰にあるもの

          久々にショックを受けた…

          最近、あるYouTubeチャンネルが気に入り、毎日のように観ててさ。 今日、そのYouTuberさんが 「うつ病で痩せるのは仕方ないと思うが、太るのはどうかと。 食べたくて食べて、ごろごろしてたんだろ。 それをうつだからというのはどうなの?」 と、いうようなこと言っていて ま——っあ、ひっさびっさにショックを受けた。 私なんかより、ずっと物知りで、頭が良く、 成功していて(私から見れば)、大勢の人と関わってる人。 ショックは受けても、好きだけど(笑) うつに対する誤解や

          病院に行く時の心構え②

          検査は万能ではない――あくまで目安と心得よ私たち素人は、CTやMRI・レントゲン・エコーの機器には、すべてが写し出され、血液や尿や便その他、組織異常は検体の検査をすれば、異常は見つかるものと思っている。少なくとも、私はそうだった。 ところが自分が手術してハプニングに見舞われたり、実際病院で働いたりしてみると、必ずしもそうは限らないことに気づく。 最新のCTやMRIで撮影しても、実際手術で開いてみると、事前の画像ではわからなかった異常があったり、想定しきれない事態になること

          病院に行く時の心構え①

          医療関係者も人間なんよ私はアシスタントとして病院勤務の経験があり、周りの人から病気や病院について相談されることがある。 そういう時によく思うのは『医者もただの人間なんよーー』当たり前のことだけれど、これけっこう忘れがちで。 医者なんだから…患者に寄り添うべき。自分の担当科の病気は、何でも知っているべき。薬について詳しく知るべき。患者にわかりやすく、丁寧に説明をするべき。べき、べき、べき。 気持ちはわかるし、そうあるべきだろうけど、しかし…はっきり言って、それは理想です。

          行ったり来たり

          より良くなりたい。 より善くなりたい。 幸せになりたい。 絶対許せない。 許したくない。 自分を傷つけた連中も。 自分自身も。 おんなじところを、行ったり来たり。 首輪に繋がったロープに引っ張られて 杭の周りをグルグル回ってるみたいに。 決着のつかない闘いは続く。