成瀬は信じた道をいく

あらすじ

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?　読み応え、ますますパワーアップの全5篇！

選出理由

前作「成瀬は天下を取りにいく」
この続編というだけで選出理由に納得がいくでしょう。
友達に成瀬みたいな方がいたら付いていくにきまってる。

感想

待ちに待った「成瀬は天下を取りにいく」の続編

-大きいなことを百個言って、ひとつでも叶えたら、「あの人すごい」になるという。だから日頃から口に出して種をまいておくことが重要なのだ-

そう言った主人公、成瀬あかりは１ヶ月後に閉店を控えた西武デパートに30日間通うと宣言し通ってみせ、お笑いの頂点を目指すと宣言し、本当に出場したりとブッ飛んでいた前作。

今回の成瀬も勿論ブッ飛んでて成瀬節が炸裂！！
もしているのですが、
将来を聞かれた成瀬は

「何になるかより、何をやるかの方が大事だと思っている」

と語り、関わる人たちを先導している様子でした。
前作まではお騒がせな一面もあり、知れば凄い人でしたけど
レベルアップを果たした成瀬は
背中で見せる+発信の幅を広げるという
他人が興味を持ち、そして関係者になり
関係者が理解者に変わり、理解者が増えていく一方
変人だと思っている人もいる。
一本筋を通して周りに惑わされずに突き進む成瀬。
一言一言に純粋さが見え、重く、時には相手の心に突き刺すように鋭い。
日常に変化を求めず満足している人にはささらないかもしれませんが何か変えたいと思っている方にはオススメの一冊。
今作も作品のタイトルに相応しい内容となっていて、成瀬に夢中になりました。
前作の伏線回収もあるのでお楽しみに😊

最後に

大きく根をはる巨木のよう
地平線すら見させるそれは海のよう
そして誰もがいつも目にする雑草かも
またはこれから出会うであろう奇跡
わたしと違うあなたは振り返りもしないだろう
わたしは思い出のよう大切にして
埃被らぬよう毎日思い出すだろう
正しさと純粋さを置いていくそれを辿って