書籍データ
原著の刊行は1951年。
扱う具体例はそれのみに終始するわけではないが、ヒトラー、スターリンなどの、一種狂騒的な世論にバックアップされた支配という時代背景が色濃く反映されている。
大衆運動が起こりやすい状況として、本書に挙げられる「欲求不満が溜まる世の中」もそうだけど、「停滞感に満ちた世の中」もあるのではないかと思う。
結局、今に安住している人間だって変化を求めていないようでいて、心のどこかで他の可能性に無意識的に焦がれ、そのきっかけとなり得る外発的で強制的な変化を求めているのかもしれない。
今回はいつにもまして自己満な内容になっており、以下は感想文というより自分が気になった部分の個人的な要約メモです。
すみません。
私の考える本書のポイント
納得度の高い箇所の引用まとめ
欲求不満が人々を大衆運動に駆り立てる
大衆運動には互換性がある
何より重要なのは「完全な集団的組織としての枠組み」
戦後は一時的な不適応者が増える混乱の時期
自己犠牲の精神が生まれる理由
栄光のための虚構をいかにつくり上げるかが重要
都合の悪いことは見えないし聞こえない
憎悪は一番の行動理由になり得る
より強い憎悪を生む方法
個人の独立性の喪失が人間性を失わせる
運動の指導者に必要な能力
知識人の思惑は運動が進むにつれて大衆の思惑に差し替わる
国家の活力を示すバロメーター
急速な崩壊の方が傷が少ない場合もある