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2024年上半期読書 1-3月(一言感想つき)

2024年1〜3月までに読んだ本一覧です。
※個別に記事化したものは除く。

3月は次女の卒園、県外への引っ越し、それらに伴う送別会などでなかなか読書&感想文執筆ができず。下書きを食い潰して更新しています。
GW明け頃には新生活にも慣れているかな〜


2024/1

佐久間宣行のずるい仕事術|佐久間 宣行

佐久間さんは仕事で成功している人。でも、本書に書かれているのは当てる仕事の仕方ではなく自分を最大限に活かして続ける仕事の仕方。その通り!なことばかり過ぎて、迷っている20代若手がいたら手渡したくなる。
「仕事と他人に誠実であることが、いちばんのブランドづくり」。ただしこれは少し時間がかかるので、焦らないことだなと思う。

僕らが毎日やっている最強の読み方|池上 彰 /佐藤 優

真面目に読まない。メディアは役割に応じて使い分け、活用するもの。情報を収集するのは目的を達成するため。挫折しない情報収集が大事(自分の知識は自分が思っているよりレベルが低いので、レベルに合わせた内容を選ぶのもポイント)。お二人のおすすめの書籍はメモしました。

やさしいダンテ|阿刀田 高

↑の『僕らが毎日やっている最強の読み方』に掲載されていた阿刀田さんの著作を早速読書。
地獄=超面白い。描写濃い。グイグイくる。煉獄=中途半端な世界観で何のためにあるのか意味わからん。天国=中2的理想の具現。阿刀田さんも指摘していたが、地獄に落ちるメンツ・天国に行くメンツにダンテ自身の主観が絡みすぎていて面白い。

ぼくが読んだ面白い本・ダメな本|立花 隆

何冊か読みたい本が見つかった。書評の書き方は、その本への興味をかき立てられるし、さすがだなあと。一方で、巻末の『「捨てる!」技術』への書評は主観が強すぎてダル絡みな印象で残念だった。

2024/2

資本論 (まんがで読破)|バラエティ・アートワークス(編)

「政治学・経済学の基礎みたいだし、マルクスの『資本論』読んでみようかな♡」って軽い気持ちでAmazon除いたら、このシリーズで九巻あるのおおおおお(絶望)。。。
ということで漫画を読んでみたのですが……。「マンガじゃ絶対資本論わかんねーわw」ってことがわかりました。『資本論』本体、いつかチャレンジするぞ……(消極的)。

学校では教えてくれない大切なことシリーズ|旺文社(編)

中学生一年生の長男、小学四年生の長女向けに『文章の書き方』『時間の使い方』を購入してみる。マンガで一般的なセオリーが展開されていて、とっつきやすく、読みやすい。実践しているのかは謎だが、一応子どもたちは目も通している様子。
家にいるときはどうしてもYouTubeやTikTokなどに時間を使いがち。しかしそれを指摘すると本人たちも「それでいいのか」は薄々感じているようなので、きちんと都度話すこと・時間を決めて約束は守ることを地道に続けるしかないのかなと思う。私は今の時代を席巻しているSNSやゲームやコンテンツをシャットアウトするのは反省や学びを生まない行為だと思っているし、要はメリハリと使い分け。

サイバラの部屋|西原 理恵子

誰との対談を見ても、彼女の人生に対する姿勢は一貫している。自分の気持ちに嘘をつかない人なのだと感じる。コンテンツの製作者として成功するには、強烈で頑固な信念みたいなものがないと難しいのだろうな。……しかし子育ては何が正解か、本当にわからない。

2024/3

最新キンゼイ・リポート|J.M.ライニッシュ ほか

キンゼイ研究所のデータをもとに、老若男女ありとあらゆる性の悩みに回答する本。実地から得ているソースをもとに、人前では言いづらい表に出せないけど大事な質問に対し、とことん真面目でまともな回答がなされているので、ヘタな性教育本よりもよっぽど役にたつと思う。実用的だし、編集を工夫して売り出せばとても売れると思う良い内容。とても良い本だと思うのだけどな。

一万年の旅路|ポーラ アンダーウッド

アフリカ大陸からアジアを経てアメリカ大陸へ。数万年を経た一族の遥かな旅路。羅針盤も何もない。一寸先もわからない。ただ互いの知恵と絆だけで乗り切る、その想像を絶する過酷さ。旅の中で、さまざまな試練を前にもちろんたくさんの揺らぎがありつつ、決して一族は諦めない。
“誰も取り残さない”ということ、“平等”ということ。語りの中にくっきりと浮かんでくる彼らの姿から、学ぶことがたくさんある。“我々がなすべきは何のなのか”を伝え、常に一族を導く知恵を伝える歌を、直に聞いているような気持ちになる。ページをめくるたびに感動に出会える本だった。

官能の哲学|松浦 寿輝

こういう誰も言語化しなそうなところをつくネタがとても好きのなのだけど、文章のクセがすごくてすぐ眠くなってきちんと読めなかった。
とても共感した箇所が一箇所あるのでメモしておく。
文学研究について。この世に意味がない行為はないかもしれないが、個人の趣味ならともかく研究としてやる内容ではない。

「行為の今」からこの揺らぎの部分を切り捨て、創造行為を必然性の過程として遡及的に記述するのは或る意味では容易なことであるが、アカデミズムの権威に自足するおおかたの研究者の関心事は結局はそれに尽きているとも言える。 〜中略〜 もちろん、「作品」の必然性をめぐるそうした様々な説明の仕方のどれもこれもが牽強付会の強弁であるわけではなく、その整合性と首尾一貫性の多寡によって説明の説得力は増減し、またその割合に応じて学問的な貢献度が測られることになったりもするのだが、いずれにせよそれは「作品」を輪郭の定まった静的な構造体として捉える立場であることに変わりない。そのとき、創造行為は決定論的な世界像と矛盾なく調和し合い、「作品」に対する研究者の働きかけとは、単にその調和ぶりの諸相をなぞり上げてゆくという身振りの域を出ることがない。
たとえば漱石の小説をめぐって書かれた或る種の凡庸な論文などには、或る登場人物がこの箇所ではこんなふうに描写され、あの箇所ではあんなふうに描写されているがその間の食い違いをどう考えたらよいのかなどと、あれこれ真剣に思い悩んでいるものがあり、「文学研究」の学徒とは何と馬鹿馬鹿しいまでに律儀な人々かとわれわれを呆れさせずにおかない。もとより虚構のイメージでしかない物語の登場人物について、これは本当はいったいどういう人なんだろうと考え詰めようとする官僚的な生真面目さなど、むろん文学とはまったく無縁の資質である。『磯野家の謎』だの「ホームズとワトスンはゲイのカップルだった」云々だののように、虚構の人物のアイデンティティをめぐる大真面目な議論を単に無償の遊戯として楽しもうというユーモアの意識さえそこにはなく、あるのはただ、本来そんなものを想定しなくていっこう構わないはずの必然性の幻想を捏造せずんばやまずといったひたすら深刻な使命感だけなのだ。そこに貫徹しているはずの必然性がなにかの事情で見えにくくなっているだけのことなのだから、学問的な理智の光を当てることでそれを可視的なものにしてみせようというのがそこでの殊勝な企図なのだが、彼が回復=復元しようと目論んでいる必然性など、実は当人の頭の中にしか存在しないファンタスムにすぎない。

 Ⅲ 確率/イメージ/メディア 表象と確率(p.189-190)

自由になるための技術リベラルアーツ|山口 周

本を介してだけれども、自分の究めたい道を、信念を持って、いろいろなものを背負って(背負わざるを得ない立場で)歩んできた人の考え方に触れられるのは楽しい。
さまざまな分野の人からテーマに沿った話を引き出し、対話ができる山口さんの知識がすごい。こういうふうにさまざまな人と対話を楽しめるとすてきだなと思うから、リベラルアーツは良いなと思う。 知識を得ることは視点を広げることで、他者が気にもとめないようなことにも楽しさや喜びを見出すことこそ、自由だと思うから。

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