見出し画像

焼肉部位解説⑤ 本当の希少部位ヒレとTボーン 輸出・インバウンドに役立つ英語中国語訳付き

最近「希少部位」という宣伝文句が、やたらと目に付くが、実際に単純に肉の塊を筋肉やスジごとに分割して「希少部位」と称したものが多いので注意が必要だ。筆者から言わせると「本当に希少部位なの?」と思われるものが多々ある。
さて、今回は正真正銘の希少部位であるヒレと、日本国内ではなかなかお目にかかれない骨付きロース(T-ボーンステーキ)の解説だ。

5、T-ボーンステーキ

【別名】ポーターハウス、ショートロイン
【英名】174 Short loin(米), Porterhouse(北米 豪NZ)
【中国語】腰脊肉(Yao1Ji3Rou4)、丁字牛排(Ding4Zi4Niu2Pai2)
【牛の部位】ストリップロインとヒレがT字の骨(T Bone)をはさんで付いており、リブロース側(前側)はヒレが小さく、ランプ側(うしろ側)はヒレが大きくなる。ヒレが大きいランプ側のものをポーターハウスとも呼び、ヒレがほとんど無いリブロース側ものはL-ボーンステーキとも呼ばれている。 過去においては背骨の一部があるため輸入出来なかったが、2013年2月にBSEのSRM(特定危険部位)の範囲が30ヶ月齢以下の肉牛であれば、扁桃と回腸遠位部のみとなったため我国では輸入が解禁された。
【特徴】ヒレとサーロインを同時に両方味わえる。欧米のステーキハウスでは高い人気。
【用途】ステーキ

T ボーンステーキ 
丁字の骨を挟んで左がヒレ(Tenderloin)、右がサーロイン(Striploin)

6、ヒレ
【別名】ヘレ、テンダーロイン、フィレミニヨン
【英名】Tenderloin (北米 豪NZ)
【中国語】里脊(Li3Ji3) 牛柳(Niu2Liu3) 菲力(Fei1Li4)
【牛の部位】ストリップロインとランプの内側の赤身肉である。米国で189A テンダーロイン(サイドマッスルオン)がPSMO(ピズモ)と呼ばれるのは、”Peeled silver skin, Side Muscle On” の略である。 ヒレの筋肉はアタマ(別名テート、学名:M. iliacus)、メインマッスル(学名:psoas major)とサイドマッスル(別名サイドストラップ、学名:psoas minor)に分かれる。  
【特徴】キメが細かく非常に柔らかい。サシはあまり無い。牛肉では最も価格が高い。
【用途】ステーキ、焼肉
 

写真: 189A PSMO (サイドマッスル付きテンダーロイン)


・  ヒレの小割部位名称
6-1 シャトーブリアン
【英名】 Chateaubriand(仏)、Tenderloin center-cut(北米 豪NZ)
【中国語】夏多勃里昂*(Xia1Do1Bo2Li3Ang2)
【牛の部位】 牛ヒレ肉の最も太い中央部分
【特徴】ヒレ肉なかでも最高の部位。 名称は19世紀フランスの政治家シャトーブリアンに由来する。
【用途】ステーキ、焼肉
 
 
6-2 フィレミニオン
【英名】 Filet mignon(仏)
【中国語】菲力牛排(Fei1Li4Niu2Pai2)、免翁牛柳(Mian3Ong1Niu2Liu3)
【牛の部位】 牛ヒレ肉のしっぽに近い部分だが、ヒレ肉メインマッスル全体をフィレミニオンと呼ぶこともある。
【特徴】シャトーブリアンに次ぐ最高の部位。
【用途】ステーキ、焼肉
 
6-2 テート
【英名】 Butt Tenderloin(北米 豪NZ), Tête de filet mignon(仏)
【中国語】里脊头(Li3Ji3Tou2)、菲力頭(Fei1Li4Tou2)
【牛の部位】 牛ヒレ肉の頭の部分
【特徴】牛ヒレの小割部位では一般に価格が安いが、赤身でキメが細かく柔らかい高級部位
【用途】ステーキ、焼肉
 
リブとランプ、トップサーロインなどについては次回以降に解説したい。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?