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遠野に共感してくれるプレイヤーと日本のビアカルチャーを変えていく #001浅井隆平

浅井隆平
Asai Ryuhei

キリンビール株式会社 企画部 主務
BEER EXPERIENCE株式会社 取締役副社長

プロフィール
岩手県雫石町出身。2003年、立教大学法学部卒業後、キリンビール株式会社に入社。首都圏エリアの営業を担当。2009年に株式会社横浜赤レンガへ出向し、2013年にはキリン株式会社CSV本部CSV推進部キリン絆プロジェクトチームへ異動となり、東北の復興支援に携わる。2018年には、遠野市で吉田敦史とともにBEER EXPERIENCE株式会社を立ち上げ副社長に就任。遠野市在住歴2年。


「ビールやホップに関わる仕事をしたいなら、まず遠野に行ってみようと思ってもらえるようなまちづくりがしたいんです」

日本のビアカルチャーを、遠野という舞台でもっとおもしろいものにしていく。そんな思いをずっと抱いている浅井隆平。現在はキリンビール株式会社の企画部に所属しつつ、BEER EXPERIENCE株式会社の取締役副社長も兼任しています。

そんな浅井のキャリアのスタートは、キリンビールでの房総エリアの営業担当でした。

どの立場にあっても視点はいつもその地域に


浅井は、ただ商品を売るというだけでなく、どうやってその地域の特性に合わせた営業をするかということを考えていたと言います。農業が盛んな房総で、キリンビールはどんな姿で存在しているのか。どうあるべきなのか。

2009年に、キリンビールから横浜赤レンガ倉庫へ出向した後も、その視点は地域にありました。浅井は、横浜赤レンガ倉庫のことを調べているうちに、横浜赤レンガ倉庫は横浜市の景観条例の基準となっていることに気づいたのです。その周辺で新しく建物を建てるにしても、横浜赤レンガ倉庫の景観を損ねないように配慮した条例になっている。

「つまり、横浜赤レンガ倉庫の経営を通じて、自分はまちづくりに参画するんだ、ということに行き着いたんです」

実は浅井の父も、不動産鑑定士としてまちづくりに関わっていました。そんな父の姿を見ていた浅井がこう考えながらキャリアを積んできたことは、ある意味で当然のことなのかもしれません。

2013年、浅井は横浜赤レンガ倉庫を離れ、キリンホールディングス株式会社のCSV本部へ異動となりました。CSV(Creating Shared Value)とは、事業によって社会課題を解決することで、企業の価値と社会の価値を両立させようという考え方。与えられたミッションは、岩手・宮城・福島の3県での農業・水産業復興支援でした。

異動後は、業務のかたわら、農業経営者育成プログラム「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」(農業トレセン)に受講生として参加することに。農業トレセンは、未来のまちづくりを担う人をつくろうという考えのもとキリングループが立ち上げたプロジェクトで、浅井以外の参加者は全員農家。後に、農業法人BEER EXPERIENCE株式会社(BE社)を一緒に立ち上げることになる吉田敦史とは、ここで出会うことになります。

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しかし、それで自分が何の力になれるのか、どんな成果なら認められるのか。自問自答しながらも地域でいろいろと話を聞く日々。そんな中で、キリン側の意図を理解してくれて、農業をビジネス視点でも見ることができたのが吉田でした。

浅井はその頃、吉田の畑を見に行く機会がありました。吉田は遠野でビールのおつまみになる野菜、パドロンを栽培していたのですが、訪れてみるとそのまわりはホップ畑。そして、畑の斜め前の敷地にはホップの乾燥施設が。ビール原料の産地でビールのおつまみ野菜が栽培されていたのです。

「ホップの里でビールのおつまみ野菜が栽培されている……。ひょっとしたら、これは唯一無二の環境なんじゃない?」

そう気づいた2人は「遠野パドロン ブランディングプロジェクト」を立ち上げました。浅井の活動が、こうしてキリンの活動にリンクするようになってきたのです。

キリンだけでは成り立たない取り組みにしたい


2013年秋、浅井と吉田は、遠野市役所の農家支援室(当時)にパドロン栽培の協力を依頼しにいきます。遠野の若手農家が新しい動きをしようとしていることに、市も協力的でした。

市の協力もあり、遠野パドロンは毎年収穫量が増加。すると今度は逆に市から、パドロンだけでなくホップの活動もしてほしい、TKプロジェクトにも関わってほしい、と依頼されるようになってきたのです。

TKプロジェクトとは、遠野市とキリンがホップとビールを軸にしたまちづくりを推進する取り組みのこと。

その依頼に対して浅井と吉田は、遠野まつりの日に1日限りの「遠野パドロン×一番搾りキッチン」を出店します。

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「この日から、市との関係性が変わりました。市が抱えている課題に対して、たった1日だけかもしれないけど自分たちが取り組んだ。それに対して市も応援してくれて、ここからぐっと市との距離が縮まった感じがしますね」

さらに市の要望に応えるように、吉田は2015年からホップ栽培も開始します。そして、2018年、吉田がBE社を立ち上げた際には、浅井もキリンホールディングスに籍を置きながら副社長として吉田をサポートすることになりました。

遠野市も2015年から「ホップの里からビールの里へ」を合言葉に、ビールによるまちづくりを推進してきましたが、「ホップの里」が「ビールの里」へと具体的に動き始めた瞬間は、このときなのかもしれません。

「『ホップの里からビールの里へ』という言葉を掲げて活動していたら、それに共感してたくさんのプレーヤーが遠野に移住してくれるようになりました。だからこそ、いろいろな視点から遠野を客観的に見ることができて、ユニークな動きができているのかもしれません

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ビールの里の主役は遠野市民。キリンだけでは成り立たない。だから、多くのプレーヤーの力を集めることで、遠野を盛り上げていく。そして、人口2万6000人の遠野市を起点に、日本のビアカルチャーをも変えていきたい。

そんな思いを浅井は常に抱いています。



ホップの里からビールの里へ VISION BOOK

富江弘幸
https://twitter.com/hiroyukitomie

企画
株式会社BrewGood
https://www.facebook.com/BrewGoodTONO/
info@brewgood.jp

内容全ての無断転載を禁じます。
2020年2月時点の情報につき内容が変更されている場合もございます。予めご了承ください。



浅井が所属するBEER EXPERIENCEでは、遠野パドロンとホップシロップを下記リンクにて販売しています。

<ポケットマルシェ>

<クラウドファンディング>

上閉伊酒造ズモナビールが現在実施中のクラウドファンディングでは、遠野パドロン・ホップシロップ付きのリターン品もご用意しています。


遠野市の個人版ふるさと納税で寄付の使い道に「ビールの里プロジェクト」を指定いただけると、私たちの取り組みを直接支援することができます。

<ふるさとチョイス>


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ありがとうございます!いつか遠野のホップ畑で会いましょう!
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いざ、ビールの里へ。半世紀にわたり日本随一のホップ生産量を誇る岩手県遠野市は、満を持してビールによるまちづくりに挑戦します。

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ホップの里からビールの里へ VISION BOOK
ホップの里からビールの里へ VISION BOOK
  • 14本

ビールの里プロジェクトに取り組むメンバーへのインタビュー。ホップの里からビールの里へVISIONBOOKを特別にWEB配信します。

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