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短編小説「笹の葉の願いごと」(後編)
割引あり
笹の葉が枯れて随分とたった頃。
妙なことが起き始めたんです。
玄関の電気は人感センサーなんですが、
夜寝ていると、
その人感センサーが反応するんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715911860542-UJU4Jzdmwc.png?width=800)
なんだろう
と思って玄関にいっても
当然ですが誰もいない。
それだけなら機械の故障かなって
思うんですけど、
他にも窓からコンコンと
ノックの音が聞こえたりして。
ここは6階で川沿いですし、
誰かが忍びこんだとは思えないんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715910520552-pS1QoZjqVi.png?width=800)
寝ている時に体を揺さぶられたり、
ガンガン
と何かを叩く音で
飛び起きたこともありました。
彼女を失い、
ナーバスになっているだけだと
自分に言い聞かせたりもしましたが、
どうしても気になってしまうんです。
彼女が見つめていた
天井あたりが。
![](https://assets.st-note.com/img/1715910804905-Wpx6fFhGDx.png?width=800)
霊感なんてないはずの自分でも、
日に日に強くなっていくのを
感じるんです。
寒気というか、不快感というか。
「やばい」
という感覚。
引っ越すことも考えましたが、
この部屋には、
彼女との思い出がつまっていて
なかなか決心がつかずにいました。
そんなある日、
彼女が夢枕に立ったんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715911042549-UTgPKpyWGX.png?width=800)
たとえ夢でも、
彼女にもう一度会えたことは嬉しくて。
けれど、
彼女は今までみたこともないような
慌てた顔をしていて
いつもみたいに何となくわかるとか
そんなレベルのものではなく、
はっきりと焦りの表情を浮かべて
こう言ったんです。
「逃げて」
![](https://assets.st-note.com/img/1715912577431-QVxtMFyUCO.png?width=800)
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