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【ショートストーリー】イラスト+BGMに、2人の作家がそれぞれ異なる物語を書く!? 2⃣ホラー

前回に続き、【イラストに物語つけてみた!】(第一弾)
今回は『ホラー』がテーマの動画に、
【りょん】
【2号】

の2名が物語をつけた作品。

前回同様、使用されているイラストとBGMは同じですが、
書き手によってまったく異なるお話になっています!!

ぜひ二つの作品を見比べてください。

それでは、まずは一作目
【りょん】による「最高の‟赤”」です。

最高の‟赤”


【画像①】

私、白石朱里(あかり)。おしゃれと絵の好きな、ごく普通の女子高生だ
ある日、私たちのクラスに転校生がやってきた


【画像②】

それは、中2の時、お父さんの仕事の都合で引越していった高梨くんだった
高梨くんとは同じ絵画教室に通ってて、絵を見せ合ったりして仲良くしてた
私は、彼の悪戯っぽい笑顔が大好きだった
だけど、高2で再会した高梨くんは、私のことなんかまるで覚えてないみたい
クラスの誰も寄せ付けない感じがして、
「ねえ、朱里だよ。覚えてないの?」
そんな声もかけられずにいた


【画像③】

「なんか前の学校で問題起こしたんだって。朱里も近づかないほうがいいよ」
親友の美穂ちゃんは言う
……違う、彼はそんな人じゃない
高梨くん、何があったの?前みたいに笑ってよ
「隣のクラスの朝宮さんと親しいみたい」そんな噂を耳にした
朝宮さんって……たしか、図書委員の?


【画像④】

やっぱり、高梨くんとちゃんと話がしたい
前みたいに、一緒に絵の話しようよ
私は、高梨くんを探した


【画像⑤】

あ!
図書館の裏手で高梨くんと朝宮さんを見つけた
親密に見つめ合う二人
誰も入っていけない、そんな空気を感じた
私が知ってるあの頃の高梨くんじゃないんだ、もういい


【画像⑥】

そのまま、高梨くんとは話もしないまま、数日が過ぎた
彼が来る前の、ごく普通の日常に戻っていた
そんなある日・・・


【画像⑦】

放課後、人気のない教室から出てくる高梨くんを見かけた
声をかけるか迷っていたら
ドサッ(SE)
え!?何、今の音?
「ギヤアアアアア」
外から悲鳴が聞こえた


【画像⑧】

高梨くん、何笑ってるの?
さっき朝宮さんと一緒にいたよね
「僕のキャンバスに必要な赤、ずっと探してた。
だけど、やっぱりあの子も違ってた」
「高梨くん……?」
「僕が欲しいのは……最高の」

【画像⑨】

おわり


続いて二作目
【2号】による「私だけを、見て」

私だけを、見て


【画像①】

タイトル「私だけを、見て」


【画像②】

青春はあっという間
瞬きしている暇はない

私が好きな春斗くん
あの日、私に優しく手を振ってくれたよね
あなたの瞳の中に私が映っていた 
嬉しかった

好きになってもらえなくてもいいの
私はこうしてあなたのこと
見守っていられれば、それでいいの

でも、もし一度だけ願いが叶うなら
私のこと、私だけのこと 
見て欲しい


【画像③】

「もう、すぐそうやって恋するのやめなって」
「だって青春はあっという間なんだよ」
「だからって、リリカがやってること許されないことだよ」
「どうしてよ」
「リリカだって、もう十分わかってるでしょ」
「何のこと?」
「リリカのこと理解してあげられるのは私だけだってこと」
「いつもそうやって、ミコは私が恋するのを邪魔する!」
「それはリリカが一番分かってるはずだよ」


【画像④】

ミコはいつだって私に厳しい
現実を突きつけてくる
  
ミコ、私だって分かってるよ
この恋が
叶わないってこと
  
この恋を
しては、いけないってこと


【画像⑤】

春斗くんにはあの子がいる
春斗くんの目にはあの子しか映っていない
春斗くんの目には私は映っていない
   
   白黒
 
分かってる 
もう十分、分かってるつもりだけど
でも、でも……


【画像⑥】

ただ、ずっと後ろから見守ってるだけじゃ

嫌なの! (ドサっ)


【画像⑦】

ねえ、あの時誰に手を振っていたの? 
私じゃなかったのかな?
 
ねえ、今も誰に手を振っているの?
私、ここにいるよ
  
ねえ、私こっちにいるよ
ねえ、見てよ

春斗君!

「え? 誰か俺のこと呼んだ?」


【画像⑧】

やっと見てくれたね
よく目を見せてくれる? 

こんなに近くにいるのに、どうしてあなたの目には
私が映らないの?


【画像⑨】
だったら、ずーっと見えなくしてあげる

【終】


次回は『ファンタジー』です。

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