震災から10年
2011年
忘れもしないあの1週間
チーム合宿中に震災の一報を受け、何もできない自分がもどかしくただただトレーニングをしなければならない日々だった
しかしそれを機に初めて得たチャンスが、ワールドカップ MILANO~SANREMOへの出場だった。ホテルの部屋で寝る時も、ミラノへ移動する時も、人生で1度かもしれないこの瞬間に人生最高の足を手に入れたい!と心から願いながら眠りについた
そしてレース当日
逃げはTAKASHIだけ反応すればいい他の選手はエースのビスコンティのアシストに回る、という作戦だった
何がなんでも逃げに乗らなければならない
レースに集まった大勢のプロ選手が日本の旗にサインをしてくれる
本当に嬉しい思いの中、僕はそれどころではなかった
スタートすると60km/hのハイペースでレースは進む中、アタックがボンボンかかっていく。うまく流れに乗りながら反応するも3人の逃げが行ってしまう。焦りそうになった時、チームメイトが僕に待った!をかけてくれた
その選手がアタックをかけ、集団んが棒状に伸びて前とのさは100mから70mくらいまで一時縮まった
その時を待っていたかのようにアッタクを仕掛け1人前の逃げ集団に入った
逃げが決まるまでは死ぬほどキツかった事を覚えているが
それ以上にここで戦えている事に誇りを感じ、絶対にこの逃げを決めなければならない執念があった
僕のレースはそんな素晴らしい時間だった
それから数年
石巻でツールド東北が開催され、毎年のように足を運び走る中で
地元の子供たちを対象にした自転車教室をブラッキーさんと共に行った
当日は雨だったが、体育館を使って滞りなくできた事に参加してくれた子供達や、親御さんたちの笑みが忘れられない
2年前は石巻のランニングイベントに参加した
地元の人たちと一緒に何かをする、それが自転車であってもランニングであっても僕にとって素晴らしい時間なのだ
地元の水産加工会社の木村社長も、自転車に興味をもちツールド東北に参加していただいたり、地元の人たちを巻き込んだ活動ができた事を本当に嬉しく思う
これからもせっかく仲良く慣れた石巻の人たちと
石巻で楽しく過ごせる時間を大切にしたい
そして、今年のツールド東北も楽しみにしている
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