リバース【短編ホラー小説】(4/5)
<8月7日>
梨沙は車の助手席で、隣にいる悠人の顔を眺めていた。悠人は少し疲れているように見えた。悠人が実家へ迎えに来てくれた時は、1週間ぶりに会えた嬉しさで気付かなかった。私のことで、色々と調べてくれているのだろう。利堂に会えたのかどうかは、何となく聞くことができなかった。会えなかったのなら悠人はきっとそう言うはずなので、まだこれから会うところなのか、会えたが話すようなことがなかったのか、そんなところだろうと想像する。どちらにせよ、必要があれば悠人が話してくれるはずだ。