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迷探偵N青木〜追い詰めた犯人〜

実家の飼い犬でも死んだのだろうか、いや違うきっと僕にめちゃくちゃ怒っているのだろう。
源さんの顔はそのような表情だった

カロさんも緊張しているように見えるし
隣の知らないお客さんまで緊張しているように感じた。

僕の目線の直線上には源さん、横にはカロさん。
将棋でいうと飛車角に狙われた歩という戦況だ。

こんな危機的盤面は初めてだ。
でも自分が悪いのだ。自ら追い込まれたのだ。

きまづい時間が少し経ったあと
他のお客さんたちが揃って帰る。謝罪のタイミングが訪れた!!

「源さん!先日は頭引っ叩いて申し訳ございませんでした!」

「え?なんのこと??引っ叩いてないよ?」
赤ちゃん並みの屈託ない笑顔で返される。

(え、、、、、)
「では、さっきの嫌味なありがとうな、は何ですか?」
「嫌味?なんで?前回楽しかったからお礼を言っただけだよ?」

迷探偵N青木はようやく真実に辿り着く、またも自分が思い込みで暴走してたのか、、、
迷探偵が必死に探し出した犯人は自分だった。
そして「嫌味」発言という罪を重ねてしまった。

逮捕!!自分!!  罪人自分!!死刑に処す!!

事前にお店にに来ていたカロさんが僕の心理状態から全て状況の経緯を話してくれていた。

全て紐解けた時、源さんはいつもの笑顔だった。
アオさんも笑ってた。

肉まんも受け取ってくれた。

良かったぁ、、、

人の笑顔は気持ちいい。曇った自分の心に晴れ間をもたらしてくれる。それが笑われている笑顔でもいい。笑顔が僕を何度でも甦らせる。

源さん、この度は妄想の中であれ頭を叩いて申し訳ございませんでした。
そしてこれからは敬意と愛情を持ってこう呼ばせてもらいます。

「源兄♡」

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