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#3 最近のカイジそんなに悪くないよねっていう話

どうも橋本です。本日も駄文にお付き合い下さりありがとうございます。
福本伸行先生の代表作「カイジ」。借金の保証人を押し付けられた主人公・伊藤開司が返済の為に様々な試練を乗り越えていく物語。
賭博黙示録カイジ→賭博破戒録カイジ→賭博堕天録カイジ→賭博堕天録カイジ(和也編)→賭博堕天録カイジ(ワンポーカー編)→賭博堕天録カイジ(24億脱出編)←イマココ
この6つに大きく分けられ、本日は24億脱出編とwebに入力すると、サジェストに"つまらない"が出てきてしまう、賭博堕天録カイジ(24億脱出編)について、そんなに悪くなくね?という苦し紛れの擁護をしていきたい。

地獄の様なサジェスト

 5行で分かる24億脱出編あらすじ

 負けたら死亡の24億賭けた勝負で和也に勝ったで!→和也が必ず勝つ様なイカサマしとったから焦っとるで→せや!和也だけ一応助けて仲間のチェンとマリオと一緒に、24億持ちって追っ手から逃げまくるで!

ってな感じの物語なんすけど、どうでしょう。字面観ただけでワクワクしません??
この発想が福本伸行たる所以なんですよ。なにしろ先生の代名詞は天才的な台詞回しと緻密な心理描写ですからね。逃避行×福本伸行これだけで鬼に金棒みたいなものです。ここまで読んでてカイジ達の緊迫感、焦燥感を読み手に与える作品も無いですね。これでもってアホみたいなコメディ、ギャグ要素も5割くらいこのシリーズでは入れてきますから、面白く無いはずがありませんね。



「つまらない」という層

この一見完璧に見える24億脱出編につまらないという層がいるなんて!逆張りすんな!
とは残念ながらならない。そこまで私も盲目信者ではない。 大人気作家には勿論、アンチが付き物と言うのは定石であり福本伸行先生も例外ではない。だが、つまらない"から"読まない、とつまらない"けど"読むは似てる様で全然違う。これは漫画を評価する上では大変重要で、読んでもらってナンボの厳しい世界で、つまらない"けど"読んでもらえる事は名誉である(素人が差し出がましいが)。そして、先生の場合、アンチは圧倒的に後者の方が多い。所謂ファンチと呼ばれる層だ。いくら嫌い嫌いと言っても、毎週月曜の朝、通学前、出勤前にコンビニで立ち読みしているのだから、先生の大勝利でなのである。

「ファンチ」とは、「ファン(支持・愛好する人)」であり「アンチ(嫌悪・反発する人)」である人、その両要素を併せ持つ人、という意味で用いられる表現。

weblio国語辞典より

問題の部分

ここまで先生を絶賛してきたが、このnoteの目的は「つまらない」を苦し紛れに擁護することであるから、大本、何がつまらないのか言及する必要がある。
まぁ言及する必要も無い、昔から言われている福本伸行先生のいい所であり悪い所でもある「展開の引き伸ばし」が大部分を占めていることは間違いないだろう。同作者の銀と金、黒沢は割とサクサク進むことも多いが、アカギとカイジ、この二作品はとにかく緻密故遅い。アカギの鷲巣麻雀編に至っては約30分の内容を1年かけて執筆するという伝説も残している(この話しはまたいつか出来たら)
まぁ24億脱出編もとにかく遅い、ワンポーカー編でも愚痴愚痴言われていたがその比ではない。
ここにきて急に批判を集めたのは、このシリーズはギャンブルという要素が無いためというのが大きいと思う。これまでもギャンブルでエラく展開が遅くても、なんとか主人公、仲間、相手の心理描写、台詞回しでなんとか凌いできた。だが、詰まる所、今はギャンブルという森が無くなったため、ポツンポツンと生えている木が露呈している印象で、誤魔化しが効かなくなった状態に陥り、読者から呆れられているのではないかと思う。
個人的に酷い(私は大好きな)シーンがあるのだがひとつ紹介する。
カイジたち3人は逃亡中に寄ったキャンプ地で意気投合したオッサン3人と再開し、家で飲むことになるのだが、オッサン三人の内の1人(以後石高)がどうしてもカイジたちの複数のカバンの中身(持ち逃げした24億)が気になってしまう。その中身は何なのか、何が入っているのか。見られるのをカイジ達は防げるのか。その攻防で1巻丸々使ってしまうという天牌もビックリな事件?が起きる。
結果としてどうなったのかと言えば、カイジはなんとかエロ本をひとつの鞄に入れカモフラージュすることにしたのだが、石高が一瞬見ることが出来たエロ本のタイトルがなんとも動物を連想させるものが多かった為、"カイジは獣姦趣味の異状性癖者"というレッテルを貼られ、蔑んだ目でしばらく見られてしまうという本当にショーもない展開をずっと引き伸ばすというムーブを行い、1部読者から叩かれるという事があった。

そりゃないぜ石高…


以前の先生からは考えられない思春期真っ盛りの中学生のような発想のギャップからか、コンビニで読んだ時はなりふり構わず大爆笑してしまったのだが世間的にあかんかったのかもしれない。



精一杯の擁護

「つまらない層」で読んでいる方が展開の引き伸ばしを、これでもかという位叩いているなら、以前のワンポーカー、アカギの鷲巣麻雀編でも同じくらいの熱量で、叩いていたのか?と問われると自信を持って頷けるは少ないと私は思う。
恐らく、全盛期の先生の爆発力を期待してしまっているからその期待と比較して勝手に失望しているだけでは無いのかと思う。
確かにギャンブルの際の駆け引きの描写やキャラ背景など細かな筆ではなくなってしまった、しかし、現在の逃避行という題材に対して、移動手段の有無、金の隠し場所、方針、尾行、秘策、コメディ、ギャグと中々な展開のバリエーションがありながら多少の引き伸ばしがあったとしても、それを上手く活用できてるのでは無いだろうか。 
並大抵の中堅漫画家では"獣姦を疑われ蔑まれる"なんて発想を漫画にしようとは思わない。
それが出来る大胆さこそ今の福本伸行を構成しており今でも一線級で活躍出来てるのである。


まとめ

さてここまでツラツラと駄文を綴っできたわけだが、まとめると、「お前ら福本伸行先生以外の書いたカイジなんて読めねぇだろ!!」という事だ。福本伸行という天才漫画家の作風が確立しているため、彼以外が生み出したキャラ、画風、そして展開なんて以ての外。なら、これからも先生が描く代表作「カイジ」を真剣に、時には面白可笑しくネタにしながら死ぬ気で読んでいこうじねぇか〜!!

ここまで、読んでくれた方ありがとうございます。所々で支離滅裂になってしまい申し訳ないです。

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