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短編小説 小噺のようなもの

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2024年2月の記事一覧

叔父のバレンタイン 【短編小説】

叔父のバレンタイン 【短編小説】

寒い日曜日の朝、ベッドの脇に気配を感じて僕は目を閉じたまま布団のへりに手をのばした。
フサフサしたものが手に触れたので「おはようハーマニ」となでてやると、「犬じゃねえし」と聞き覚えのある男性の声がした。

起き上がってみると僕が触ったのは愛犬のハーマイオニーではなく、スーツを着たままで寝袋にくるまった成人男性の頭だった。
まぎらわしいな。

「みつるくん、うちで何してるの?」
「ゆうべ飲み会でさ。

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夫の雛祭り【短編小説】

夫の雛祭り【短編小説】

朝陽がさす頃、ベッドの脇に気配を感じて寝返りを打った。
夫が誰かにささやいている。
「ほら謝っておいで」

お腹の上に乗ってきたのは我が家の愛犬だ。
「おはようハーマイオニー」
なでてやると口に咥えた物を頬に押し付けてくる。
ゴロンと目の前に転がってきたのは雛人形の首だった。
至近距離で人形と目が合って「ひッ」と変な声が出てしまった。
ホラー映画さながらの目覚めである。

「叱らないでやってくれよ

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