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はじめに

俺は何の変哲もないただの男。

先日出土した17歳頃の日記の中で、未来の自分に向けて以下のような命令が出されていた事を発見してしまった。

「俺の如何なる行動も並行世界の住人である””には一切通用しなかった。付き合うどころかデートにすら到達出来なかった。脳みそからランボルギーニのような音が出るほど考えたが、どうやったら女に楽しんでもらえるのか分からなかった。疲れた。これ以上は精神衛生上悪いから俺はこの競技を引退する。」

「しかし、この経験を無駄にしないために”女と一切関われないまま年を取るとどのような精神状態になるのか”を自分を使って実験しろ。途中で投げ出す事は許さない。今までの苦しみが全て水泡となる。そして、分かった事を世間に知らしめろ。出来れば懸賞論文に応募して賞金を勝ち取り、本を出版して欲しいがそこまでいかなくとも未来では色々な手段があるだろうからとにかく何でもいい。頼んだぞ。」

俺はこの命令を無意識のうちに脳に刷り込み続けてきた。初めの頃は暇な時に強く念じて忘れないようにする程度だったが、精度が上がるにつれて本当に無意識のうちに絶え間なく刷り込む事に成功していた。20になる頃には、命令されている事すら忘れていた。そしてその精神状態のまま6年経った。

その成果として、全て共学で常時アルファの巣窟である野球部に所属していながら今日のこの時まで女と親しくなる事は一度も無かった。累計の野球仲間は280人程で女と接点が発生しそうな誘いは何とか回避し続けてきた。ただ、野球仲間だけの集まりには当然参加してきた。

ここまで来ると非モテの中でもかなりの希少種なのではないかと自分を誇りに思っている。
今までの様々な場面での感情などについて書き殴っていきたいが、精神が分裂している可能性があり、自分でも把握しきれないほどあまりにも複雑に入り組んでいるのでどこから何から書こうか非常に悩ましい。

そういう訳なので時系列は気にせず思い出した記憶の断片を記していこうと思う。



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