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自己批評の習慣を定着させる質問の6つの視点・成長を実感すること

ロルフ・ドべリ著『シンククリアリ―』で紹介されていた、一日の終わりに自分を批評する時間を持つというアイデアについて、記事を今までに二つ書きました。今回は、その補足的なアイデアを書こうと思います。


前回の記事で、自己批評チェックリストというツールのアイデアについて書き、私自身の自己批評チェックリストを一部、抜粋して例示しました。そのチェックリストの質問に「今日はどこに問題があっただろうか?」という項目がありました。
この問いにいかに向き合うのかについて、最近着想した視点を紹介したいと思います。

「今日はどこに問題があっただろうか?」
この質問には、6つの視点に分けて答えることができると思いました。
具体的には、1.アティチュード  2.ベストエフォート 3.クリアトーキング 4.アタラクシア  5.タイムマネジメント 6.ハプニングへの対処
の6つの視点
です。

1.アティチュード
家族や友人を含め、他者への誠実な姿勢や誠実な態度の心がけを問うのがこの視点です。他者に対して、どの程度誠実で、真摯に、思いやりを持って接することができたか。その態度を吟味します。
他者への態度の他に、生活態度も含まれます。買い物は賢約できただろうか、生活習慣はベストだろうか、運動の頻度や食生活に問題点はないか?などといったアティチュードです。
2.ベストエフォート
学習やプロジェクト、その日のタスク、仕事への取組みで、最善の努力を尽くして、集中し、没頭することが出できただろうか。進捗の大小に関わらず、その一日を人生最高傑作にしようと努力できただろうか。これがベストエフォートの視点です。コントロール外にある予想外の出来事が降りかかる日もある中で、最後まで成し遂げられたか、という問いでもあります。
3.クリアトーキング
はっきりと簡潔に自分の伝えたいことを伝えられたか。わかりやすい表現で相手に伝えられたか。話し方の作法をたえず吟味できたか。話し方や伝え方、言葉の使い方や選択はベストだっただろうか。明晰な表現をどの程度実現できたか。
これがクリアトーキングの視点です。
4.アタラクシア
アタラクシアとは、古代ギリシアで理想とされた心の状態です。
感情の乱れがなく、平静さ、心の落ち着き、心の安定を指します。
自己批評の習慣は、このアタラクシアの実現に近づくためでもあります。
アタラクシアにどの程度近かったか。昨日よりもアタラクシアに近づけたか。これがアタラクシアの視点です。
5.タイムマネジメント
その日の活動全般から、個々に対する時間の経営(マネジメント)はベストだっただろうか。有意義に過ごすことができただろうか。プライオリティの高い活動をどれだけ有意義にできたか。スキマ時間を自分を成長させるような、有意義な行動で過ごせたか。これがタイムマネジメントの視点です。
6.ハプニングへの対処。
人生はさることながら、日常生活には自分のコントロール外にある予期せぬ出来事、ハプニングが起こることがあります。偶然にも左右されるし、精神的な動揺を伴うこともよくあります。そのコントロール外にある出来事から、どう立ち直ったか、どの精神的な道具で立ち直ったか。これを振り返り、吟味するのが、このハプニングへの対処の視点です。

この6つが、一日の終わりに自分を批評する際に、「今日はどこに問題があっただろうか?」という問いに答える際に私が基準にする視点です。
これを読んだ方は、自分で視点を編み出してみるといいと思います。その際に、今回の記事で書いた6視点が参考になれば幸いです。

それと、自己批評を習慣とする際に役に立つ次のツールを紹介します。

一日の終わりに分析して、課題や問題が見つかったならば、この本で整理することができます。また、そもそも何がどの程度問題なのかわからない場合でも、この本が問題の認知に役立つと思います。
自己批評の習慣は、他者が自分を批評するのでも、自分が他者を批評するのでもなく、自分が自分を批評し、理解するためのものです。本当の自分を知り、向き合う時間であり、自分の成長を実感するための時間でもあります。この習慣を定着させることで、もしかしたらなりたい自分に近づく手助けにもなるかもしれません。
古代ギリシアの歴史家、クセノポンの名言で終わりたいと思います。
「最高の生活とは、自分が日々よくなっていく喜びを実感することである」


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