読書老子

歴史と自然と古典と書物への愛があり、「本と人生という大学から生涯学ぶ」 古本日記や書評…

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歴史と自然と古典と書物への愛があり、「本と人生という大学から生涯学ぶ」 古本日記や書評など、「知的生活」について総合的に綴ります。老子的な生き方に惹かれる人。ストア派哲学を学んでいます。 ©️本アカウントの創作はすべて読書老子に既得します.

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    @Kazuが執筆する、複線的読書記録。私自身が出会い、魅了された本の数々と読書にまつわる記事

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    @Kazu 筆の古本日記をまとめています。

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    哲学者のフランシス・ベーコンについて私自身が執筆した記事をまとめています。

  • 自己批評の記事まとめ

    私自身が執筆した自己批評の習慣を持つことの意義についての記事をまとめました。

最近の記事

神保町の古本まつりで以前入手したハドソンの『ラプラタの博物学者』を先ほどから読んでいた。ぼくが大事にしている自然誌本の写真を載せてみる。まだ親友にはなれていない本たちである。見せびらかす意図は全くなく、これを見た方のイマジネーションに何かしら加算されることを期待して。

    • 日本の将来を真剣に考え、未来を再構築するのに役立つ本・書籍紹介

      この二冊にとても感銘を受けました。 これからの日本をどうすれば暮らしやすくできるか、どのように社会を設計していくか、一人一人がどうこれからを生きていくか、を考える上で、共有したい必読書に入ると感じます。 特に、コモンズについての話題は私自身、最近、関心を持っています。 この二冊の中で、コモンズについて読むことができた。興味深かった。 集英社インターナショナル新書の『未来を語る人』は『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』など、長大な視野で人類史を紐解いた文明論を著した、ジャレド

      • 今日の喜び。公園に入るあたりの道で、オナガの群れに出くわした。この鳥は、「ギャー、クィ、クィ、クィ、…」などと鳴くけれど、一度聴いたら忘れられない特徴的な鳴き声。見る人は思わず注意を引かれる。デザインも特徴的。尾が長く、頭が黒い。また見れることを期待している。

        • 益軒の『養生訓』に見る静かな生活の描写に心が魅かれる。(夜日記)

          最近、貝原益軒の『養生訓』と哲学者のベーコン卿の養生思想に共通した部分があり、益軒の、自分なりの楽しみをもって静かに日々をおくろうとのアドバイスに共感するという趣旨の記事を書いた。 今日、『養生訓』をあらためて読んでいて、その益軒の「心の楽しみ」を説いた箇所がとてもすばらしいので、引用して、共有してみたい。 この益軒の「心を楽しませる」というアドバイスがなぜぼくの心に響くのか。 一言で言えば、穏やかな静けさを感じられ、派手さや華やかさ(虚飾も)が全くない。 それに、心を楽

        神保町の古本まつりで以前入手したハドソンの『ラプラタの博物学者』を先ほどから読んでいた。ぼくが大事にしている自然誌本の写真を載せてみる。まだ親友にはなれていない本たちである。見せびらかす意図は全くなく、これを見た方のイマジネーションに何かしら加算されることを期待して。

        • 日本の将来を真剣に考え、未来を再構築するのに役立つ本・書籍紹介

        • 今日の喜び。公園に入るあたりの道で、オナガの群れに出くわした。この鳥は、「ギャー、クィ、クィ、クィ、…」などと鳴くけれど、一度聴いたら忘れられない特徴的な鳴き声。見る人は思わず注意を引かれる。デザインも特徴的。尾が長く、頭が黒い。また見れることを期待している。

        • 益軒の『養生訓』に見る静かな生活の描写に心が魅かれる。(夜日記)

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        記事

          公園を散策。樹々のおかげで暑さも和らいだ。

          公園を散策。樹々のおかげで暑さも和らいだ。

          原子一個分の微細なレベルの怒りにも注意すること・書籍レビュー。

          今回レビューする本はこの本です。 この本の著者は、テラワーダ仏教の長老で、1945年スリランカ生まれのアルボムッレ・スマナサーラさんです。 怒り。私たちはこれについてどれほど理解しているでしょうか。 おそらく、自分自身に起こることとして捉えても、なぜ起こるのか、どのように起こるのか、一体怒りとはなんなのかについてはほとんどわかっていないのだと思います。 少なくとも私自身は無知でした。 スマナサーラ長老は、本書で怒りという現象の根本から説いています。 ポイントは、怒りを理

          原子一個分の微細なレベルの怒りにも注意すること・書籍レビュー。

          今日思ったこと。人間一人一人の記憶量には限度があり、寿命が来たら失われる。だから、体の外に知識や知恵や経験を保存する必要が出てきた。それが書物であり、図書館。つまり、図書館は体外記憶装置。人間が築き上げた、多様で全体的な叡知をいつでも取り出して活用できるように発明された。

          今日思ったこと。人間一人一人の記憶量には限度があり、寿命が来たら失われる。だから、体の外に知識や知恵や経験を保存する必要が出てきた。それが書物であり、図書館。つまり、図書館は体外記憶装置。人間が築き上げた、多様で全体的な叡知をいつでも取り出して活用できるように発明された。

          読書老子の朝日記No.4

          最近、貝原益軒の健康バイブル、『養生訓』を読んでいる。 中公文庫の松田道雄訳はしばらく前から持っているが、最近になってディスカバートゥエンティワンから出ている、超訳版を買った。 今日は『養生訓』の内容から、ぼくが心に残った部分を引いて、自分なりに綴ってみたい。 『養生訓』はただの健康マニュアルではない。いかに生きるかという根本の生き方論を提示していて、養生哲学と言えるものだ。 貝原益軒(1630~1714)は、元禄時代に生きた医師であり、儒学者である。 83歳まで生きた長寿の

          読書老子の朝日記No.4

          読書老子の午前中日記

          しばらく前にこんな本を読んだ。 この本に書かれている印象的な一文を今日は記録しておこうと思う。 なぜこの一文が印象的だったのか。少し説明したい。 ぼくは野鳥観察の初級者で、近くに自然豊かな都立公園があり、よく行くこともあり、野鳥には親しみや興味がある。 だから、この本を買ったし、 この一文は、現代で野鳥観察をしたり、身近な自然を理解する上で、とても簡潔に鳥類の現状を記述しており、よくまとまっていると感じたからだ。そしてそうした現状がリアルに伝わってくる。 この文を解釈する

          読書老子の午前中日記

          読書老子の朝日記No.3

          コンサマトリー的に生きるのが幸せに生きるコツだ。 この考え方を知ったのは、Phaさんの著書『しないことリスト』においてだった。共感したので少し説明しよう。 コンサマトリー(自己充足的)的に生きるとは、何か目的や目標を定めて生きるのではなく、生きること自体を楽しむことだ。 「生」自体を楽しむ。 その行為自体を楽しむ。 それがコンサマトリーな生き方だ。 趣味や読書などにも、それは言える。 お金を稼げるとか、知識が増えるとか、見栄えが良いとか、そういうことではなく、趣味を楽しむこと

          読書老子の朝日記No.3

          読書老子の朝日記No.2

          睡眠本を何冊か読んでいて、大事にしている。 睡眠の大切さと尊さに深く思いをいたすようになった。 睡眠とは、私たちのなかに太古からインストールされている生命のシステムだ。それが損なわれると身体のあちこちに恐ろしい悪影響が及んでくる。 心血管疾患しかり、ガンしかり、心臓病しかり、肥満、認知症しかり、心臓発作しかり、そして寿命が縮む。まだまだあるだろう。 「睡眠をばかにしてはいけない、睡眠こそが、長寿と幸福のすべての源だ」と言ったのは、偉大な漫画家、水木しげるさんである。睡眠研究は

          読書老子の朝日記No.2

          読書老子の朝日記

          ぼくは自分のことを凡人だと思っている。 だが、こうも考えている。 天才や聡明な人のアイデアを傾聴し、それに学ぶことも立派な役割だと。 共有してこそ楽し。 ストア派のセネカはそういう。 つまり、歴史上の偉人や世界にいる聡明な人の創造的成果は、それを共有し、人類が享受してこそ、はじめて意味がある。 だからこそ、学びは楽しい。 自分より優れた人々から学ぶことは、大きな意味がある。 むしろ、アリストテレスは、自分より優れた人を友とせよ、と言っている。 ピアノを弾けないことを惜しむ必要

          読書老子の朝日記

          読書老子の公園日記

          光が丘公園という練馬区内の公園に行った。 ごくたまに訪れるところだ。 ぼくはこの公園が好きだ。 なぜだろう。きっとゆったりと落ち着いているからだろう。 スローライフを考えるのにはうってつけだ。 演奏家の女性が数々の名曲を奏でていた。 どれも子どもの時に身近に流れていた懐かしい音楽だ。 ベンチに座りながら心が和みはじめる。 音楽に身をゆだねるとふだんとは違う発想が出てくる気がする。 ベンチから離れながらいろいろなことを整理して辺りを歩いた。 ぼくはスローに生きることに関心を持っ

          読書老子の公園日記

          豊かな生活を取り戻すことの意味・News DietのすすめⅡ

          はじめに ついこの間、News Dietについての記事を書きました。 その記事では、ニュースの代わりに自然観察や新書を読むことなどを提案し、スロー・ライフの可能性について考えました。 今回の記事ではさらに視点を拡げて、前回の記事とはまた違ったNews Dietの可能性を考えます。 一人時間を充実させるのに必要なこと 現代では「孤独」にいかに向き合うかということが大きな課題となっているのは周知のとおりである。「孤独」は現代の伝染病とも言われ、いまや社会の根に巣食い、あ

          豊かな生活を取り戻すことの意味・News DietのすすめⅡ

          ユーザー名を変更させていただきました。改めてよろしくお願いします。

          ユーザー名を変更させていただきました。改めてよろしくお願いします。

          創造性はすべての人が持っている。この言葉に私は同感である。創造性の種子は誰もが持っているけれど、偶然性の神は女神クリオよりも内気で気まぐれであり、開花する条件が整うかどうかも、種子が秘める創造性に時代が追いつくかどうかも、水が十分に与えられるかどうかも、決定的・予定的ではない。

          創造性はすべての人が持っている。この言葉に私は同感である。創造性の種子は誰もが持っているけれど、偶然性の神は女神クリオよりも内気で気まぐれであり、開花する条件が整うかどうかも、種子が秘める創造性に時代が追いつくかどうかも、水が十分に与えられるかどうかも、決定的・予定的ではない。