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自由詩

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2024年7月の記事一覧

うま

深い森の中に一頭の馬。
湖は深く、湖面は深い緑色。

馬は今日もゆっくり水を飲みにくる。

悲しみの中で聴こえる慟哭は、救えなかったものを救えるように出来ることを探してる。

魂を売ったけれど、一欠片だけは残していて。全ては奪われなかったと少しだけ安堵する。
伸ばした手は伸ばしたまま。

金に光る瞳の奥で、光の届かない夜が続く森の中、嘶きの声が響き渡る。

確かにまだ忘れてはいないのだ。
そして仙

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occurrens-待ち合わせ-

静かな底を漂い、なんだか持ち上げられなかった。きっとわたしには重すぎただけだと、軽く浮上するまで待っていた。やっぱり待つのは苦手だ。待つのが上手くなりたい。苦しいのは嫌だ。良かったんだよ。良かったんだこれで。そう思えるように。祈るように変えていく。でも、重たい後悔が奥底へ出かける。次出逢えるのはいつだろうかと諦めたように見送る。

気球と噴水を待ち合わせ場所に、癒しのかけらをそっと置く。癒やしがま

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祈らず友として

心地よい空間を探す。

依存に騙されて酔えるくらいに、

祈るような行為はもう出来なくて。

選択肢をいくつも転がす。

幾つも幾つも創り出しては掌から転がす。

どれかひとつが残ればいいと。

どれかひとつが進めばいいと。

そしてどれかひとつが辿りつけばよいと。

ゆっくりと優しく手放してやる。

そしてあとは終わるまで進める。

たったそれだけ。

そう、それだけで。

どんな道が消えて、ど

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