occurrens-待ち合わせ-

静かな底を漂い、なんだか持ち上げられなかった。きっとわたしには重すぎただけだと、軽く浮上するまで待っていた。やっぱり待つのは苦手だ。待つのが上手くなりたい。苦しいのは嫌だ。良かったんだよ。良かったんだこれで。そう思えるように。祈るように変えていく。でも、重たい後悔が奥底へ出かける。次出逢えるのはいつだろうかと諦めたように見送る。

気球と噴水を待ち合わせ場所に、癒しのかけらをそっと置く。癒やしがまだ分からないから、わたしには、欠片は必要ない。必要なわたしに届くようにと置いてみる。少し傾いてる。微調整。

なんだか少し疲れてしまって、欠片のそばに座り込む。あちらこちらと首だけ向けては伸ばして眺める。空っぽの器。山と土から貰った器。一杯、噴水の水を掬う。ゆっくり飲むと、乾き切った喉が潤った。喉が渇いていたのだ。大地を想う。石畳で舗装された、誰もいない素敵な街から。

真心を込め、いきなさい。

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