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2度目の就職の話 【薬局編 ①】

仕事の初日の日、私は面接を行った会議室内でバレーボールの話で苦戦した事務部長とこれから直属の上司になる技術部長に挨拶をしました。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく…と、いうか僕たち兄妹やね。」
事務部長と私の苗字が偶然にも一緒、そして趣味が一緒(?)ということで兄妹ということでしょうか。
これまでの人生で年上の男性に気さくに話しかけられたことはなく、戸惑いながらも健康診断を行う内科外来へと向かいました。

ひととおりの健康診断を終えた後、これから働く薬局内へ。
入り口は事務受付側にあり、面接の際にも案内をしてくれた仲宗根さんがそのことを教えてくれました。
そして緊張が解けない私を見てひと言。
「初々しいわあ。まるで昔の私みたい。」
私がどうしていいか分からない顔をしていると、彼女の背後にいた女性ふたりが「こらこら何言ってるのよ。」と笑っていました。

初日の私は社会人になったお祝いに母から買ってもらった化粧をしっかりとして、長めの髪も後ろにきれいに束ねていたので、極めてどこにでもいる新入社員に見えたことと思います。

ようやく、受付と薬局を隔てる内ドアから薬局に入ると、20代後半を思われる清楚な雰囲気の女性と、40代と思われる女優さんのような顔立ちのきれいで優しそうな女性が立っていました。
「今日からよろしくお願いします。」
お互いに挨拶を交わしたあと、笑顔の目が合った40代女性。
桐島さん(仮名)との張り詰めた日々がこれから待ち受けていようとは、その時はまさか思ってもみませんでした。

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