フルマラソン対策として良かったこと
2023/4/16 某公認のフルマラソンを走ってきました。人生2度目、そして、2年4か月ぶりのフルマラソンでした。
結果は、
2時間42分57秒 [PB]
(ネットタイムは2:42:55)
2時間54分33秒から10分以上のPB更新でした。
35km過ぎから風速11mの向い風に苦しめられましたが、51歳としてはまぁまぁのタイムで現時点では満足のいく結果です。
ですが、この結果も想定の範囲内。今後も良い練習を継続し、次は2時間40分切りを狙っていきたいところです。
「距離」という大きな壁
私の場合、とにかく距離耐性の無さが課題でした。
元々、ハーフマラソンですら途中で脚が攣ったり、攣らないまでも脚が売り切れ(心肺に余裕を感じてるのに脚が動かない等)になったりで、最後まで満足に走り切れたことがないタイプでした。
今回、フルマラソンという距離を克服できた理由として、長期間取り組んできたことが結果として表れたのだと思っています。
今回、その理由(トレーニングの考え方等)を書きだしたいと思います。
マラソン(長距離)対策として重要だと思ったこと(7項目)
1.事前準備に時間をかける(月間総走行距離を増やす)
2.距離が正義!走り込み時期のロング走
3.練習強度を少しおさえる
4.高負荷練習の基本はTペース帯
5.メンタルを鍛えることは不要
6.自分の回復力を過信しない
7.家族の理解
これらを1項目ごと説明します。。。。
1.事前準備に時間をかける(月間総走行距離を増やす)
先に書いた通り、元々距離に不安のあるタイプでしたので、フルマラソンを走る予定が無かった時期から、少しづつ月間総走行距離を増やすことに取り組んでいました。
結果として、7週間の走り込みの期間に故障なく練習量をこなせたと思っています。
当初、1回の走距離を延ばしてみましたが、そのダメージが大きく回復に時間がかかり結果として月間総走行距離は増えませんでした。
そこで、距離は短めにし、ペースも抑えて、とにかく高頻度で走るようにしたら無理なく月間総走行距離が徐々に増えていきました。
頑張るのは「1回の走距離を延ばすこと」ではなく、「走る機会を増やすこと」です。
その後、距離に対しての不安がある程度薄れてきたら、徐々に1回の走距離を延ばしていく感じです。
私の場合、2019年当時月間150km程度でしたが、2019年12月から取り組み始めて、2022年は月間平均406km(350~437km)まで増えていました。
最初のうちは加減が分からず、走り過ぎによる小さな故障を繰り返してはいましたが、だんだん加減もわかってきて故障しなくなってきました。
月間総走行距離を増やして故障しても、「自分は月間総走行距離を増やせば故障する」と思い込み諦めてはいけません。
加減が分かってしまえば難なくこなせるようになります。
マラソン練習では距離走の重要度が高い(特異性の原理)ですが、月間総走行距離が少ないと距離走での故障のリスクが高くなると思います。
月間150kmのランナーが30km走する場合、たった1回の練習で月間の20%もの距離を走る事になりますが、月間400kmのランナーであれば7.5%です。
同じ距離であっても、後者の方が精神的にも肉体的にも負担少ないのは明らかではないでしょうか。。。
有馬さんの名言!!
塾長陸上塾さん
あと、池上さんのこちらの記事も参考に!
総走行距離を増やすメリット
2.距離が正義!走り込み時期のロング走
フルマラソンは距離も時間も長いので、より長時間走った方が特異性の高いトレーニングになります。
2023/2/10の夜、酔った勢いで(笑)フルマラソンの大会にエントリーしてしまい、その翌日から3月末までの7週間を走り込み期間としました。
私の場合、時間走が効いた感じがしています。
Eペースで90~170分間走や、
ジョグ(=Eペースより遅いペース)で100分~170分間走です。
7週間の走り込み期間の中で、こういった時間走を合計10回行いました。
※170分はレース想定タイム(RT)です。2時間50分を想定していました。
この練習も、「1.事前準備に時間をかける(月間総走行距離を増やす)」に書いた通り、時間をかけて月間総走行距離を増やしていたお陰で、故障なく行う事が出来ました。
3.練習強度を少しおさえる
継続性の為です。
別に頑張るな!というわけではありません。
練習はそれなりに頑張って走りますが、オールアウトまで追い込みません。肉体も精神も限界近くまで、あるいは超えるような練習はしないという意味です。
練習のペース設定は「大体これくらいで♪」といった感じで、キッチリ決めません。その日の調子に合わせて決めます。
ロング走にするのか、ロングジョグにするのかも、走り出した時に感覚で決めました。(今日は調子いいからEペースで走ろう。それほど好調でもないので、ジョグで80分くらいで切り上げよう・・等です)
Vo2Maxインターバルや閾値走などの高負荷練習でも設定ペースに悩んだら、負荷の軽い方(その日の調子に合わせてペースを少し下げる)を選びました。
設定ペースもキロあたり数秒下げたところで練習効果はそれほど変わりません。どんなに負荷の大きい練習をしたところで、その1回の練習に対する効果は僅かなものと思いますし、逆に故障のリスクが高まります。
練習に過大な効果を期待して負荷を上げるより、継続性を重視した方が長い目で見て、積み上げる量が多くなると思っています。
4.高負荷練習の基本はTペース帯
フルマラソン練習に特化している期間は、Vo2Max強度の練習(Iペースでのインターバルや3000mTTなど)に多くの時間を掛ける必要はないと考えています。速くてもCVペース(10kmレースペース)程度で走れていれば十分なスピードと思います。
もちろん、Vo2Max強度の練習が全く不要というわけではありません。
ただ、特異性の面からも、頻度を極端に落としても良いと考えました。
このような強度の高い(ペースの速い)練習は、フルマラソン本番に遠い時期に行えば良いと思ってます。
Tペース(LT2)帯の練習
血中乳酸濃度が急に上昇してくる強度帯域(LT2強度付近=Tペース)で我慢して走る練習になります。これがレース終盤…具体的には35km過ぎに効いてきたと思っています。
ちなみに、そもそも乳酸血中濃度が上がり難くする練習。つまり、血中の乳酸を除去してエネルギーとして再利用する能力は、「2.距離が正義!走り込み時期のロング走」に書いた、Eペースでの時間走で養われると思っています。
※ハーフマラソンも基本的には同じ考え方で良いと思っています。
実際これでハーフ76分台で走れています。
理由としては、私自身のハーフマラソンのタイムが70分を大きくこえるタイムだからと考えています。おそらくハーフを70分切るような速いランナーになると、ハーフマラソン対策としてVo2Max強度の練習は有効だと考えていますので少し違ってくるのかと思います。(このような速いランナーはTペース帯だと刺激が足りなくなる為)
5.メンタルを鍛えることは不要
レースにおいてメンタルは大事だと思ってます。
最後の最後、苦しくなった時に「もう歩こうか・・」と頭をよぎっても、そこを「気合で乗り切った」「根性で乗り切った」ということはあると思います!
ただ、普段の練習からこれを全面に出すことには疑問があります。
「オーバートレーニング」に繋がると考えているからです。
気合と根性を出さなければこなせない練習負荷(量・強度)は、そもそもオーバートレーニングだと思ってます。
練習は最適な強度で、最適な量、最適なタイミングで行います。
そして、練習の中で小さな成功体験をいくつも積み重ねることで、それが自信となり、レースで気合や根性というような形で発揮されるのだと思います。
→メンタルは自然に鍛えられていくものと考えています。
6.自分の回復力を過信しない
「1.事前準備に時間をかける(月間総走行距離を増やす)」に書いた月間総走行距離を増やすことは、回復力を上げる事にも繋がるようです。
ただ、月間総走行距離を増やしたら急激に回復力までUPするなんて都合の良い話はありません。
自分の回復力は過小評価するくらいで丁度いいと考えています。
これも練習の継続性に繋がります。
7.家族の理解
同居する家族がいるなら当然ですね。
練習を継続するにも時間が必要だし、昨今は消耗品であるシューズも高騰しています。大会にエントリーするにもお金が必要です。
ランニングコストですね(笑)
時間的・金銭的にコストが0ではない限り、家族の理解を得る事が非常に重要と思います。本人は家族の理解を得ているつもりでも、家族はストレスになっているかも知れません。そういったことをクリアにし、出来れば応援してもらっていたら頑張り度合いも違ってくると思います。
しっかり仕事をした(金を稼いだ)上で、しっかり家事をこなしましょう!
妻(夫・家族)の「手伝い」ではありません!!家事は夫婦で分担し、むしろ率先して行うようにします。おのずと「また走りに行くの?」から「今日は走りに行かないの?」に変わってきます。そういう意味では単に家族に感謝するだけではなく、そういった環境を作ってきたことに対して、自分で自分を褒めましょう!w
家族も同様にランニングしているのがベストかも知れませんが、それはそれで色々面倒かもしれません。ま、実際どうかはわかりませんが(笑)
あとがき
私の知識は、
・ダニエルズのランニング・フォーミュラ
(著/ジャック・ダニエルズ)
・リディア―ドのランニング・バイブル
(著/アーサー・リディア―ド)
・リディア―ドのランニング・トレーニング
(著/橋爪伸也)
・乳酸を生かしたスポーツトレーニング
(著/八田秀雄)
主にこれらの書籍を参考にしています。
また、下記のX(旧Twitter)界の賢者達のツイートも多いに参考にしています。
・有馬優仁さん(@EugeneArima)
・管理人ごせんさん(@gosen5555)
・池上秀志さん(@IkegamiHideyuk1)
・Sushiman さん(@sushimankawarai)
・塾長陸上塾さん(@jukucyodesdes)
本当に、いつも参考にさせて頂いています。
この場を借りてお礼申し上げます。
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