数年会っていない友人の結婚式に参加するかしないか問題

LINEで結婚式の案内が届いた。同級生のAちゃん（女性）からだった。

Aちゃんは地元が同じで、小・中・高校と一緒だった。といっても仲良くなったのは高校から。もう一人の友人、Ｄくんといつも3人で下校してたっけ。Aちゃんは美人で友達の多いタイプで、誰からも人気者だった。地元が同じというだけで高校3年間、3人仲良くいられたのは奇跡的だった。高校を卒業してから早10年。僕らも29歳になり、「もう結婚」から「やっと結婚」と言われる年齢になってしまった。

さて、Aちゃんから届いたLINEには、「Dくんも呼んであるからよかったら2人で来てね」と書いてある。Dくんともしばらく会っていないし、ここはぜひとも参加しよう、と意気込んだのだが、Dくんは仕事の都合で不参加とのこと。うーん、どうしようか。

悩むポイントはたくさんある。僕は今東京に住んでおり、地元で行われる結婚式に参加するとなると、もろもろ含めて7万ほどかかる。また、新婦側の友人というのも気になる。間違いなくアウェー。2人でなら耐えられるが、ソロ参戦は気が重い。なにより、Aちゃんと最後に会ったのは5年ほど前で、結婚式以前もほとんど連絡を取っていなかったのだ。

未婚の僕には、結婚式に呼ぶ友人の条件なんて分からない。地元が同じとはいえ、たった3年間一緒に過ごした友人は、それに値するのだろうか。ここで結婚相手でも探せという情け？もしかして人数合わせ？？

そんなこんなを考えているうちに、悩むくらいなら行かなければいいか、という気になってしまった。もう次に会うこともいつになるか分からないし、ここはお祝いのひとつでも送って穏便に済ませよう。

「結婚おめでとう！誘ってくれてありがたいんだけど、その日は仕事で行けそうにないや。行きたかった～、また地元帰ったらお祝いさせてね！」という、無難なお断りをお返しした次第である。

その後、前職で僕が頼りにしていた先輩（女性・既婚）と会う機会があり、Aちゃんからのお誘いを断ったことを話した。「え～私だったら参加するなあ～」と答える先輩。もちろん、僕も行けるなら行きたい。ただ、「楽しそう」という気持ちと、それにかかるコストやらなんやらを天秤にかけられるくらい冷静になっただけだ。先輩は続けて、「だって…」と続けた。

「だって、結婚式って呼べる人数限られてるんやで？その限られた人数の中に、自分を入れてくれたってすごい嬉しいことじゃない？久しく会ってなくても呼ばれてるって、むしろ喜ぶべきことやと思うけどなあ。」

・・・確かに。そういう考えはなかった。久しく会ってないからとか、お金もかかるからとか、1人で行くのは寂しいからとか、そんなことばかり考えていた自分が、ちょっとだけ恥ずかしくなった。普段はヘラヘラしているくせに、こういう時だけ的を得たことを言ってくるなあこの人。

先輩と別れた後、すぐにAちゃんに「仕事調整できたから行けそう！まだ間に合う？」とLINEした。あんなバレバレのお断りLINEをしておきながら、面の皮が厚い男だ。

先週末、無事結婚式が行われた。5年ぶりに会ったAちゃんはめちゃくちゃ綺麗で、やっぱり高校3年間の思い出は夢なんじゃないかと思った。見知った顔も何人かいて、いろんな人に会えて楽しい式だった。なにより、短い時間ではあったけれど、Aちゃんと直接話ができたことが嬉しかった。帰り際に、「早く結婚してよ、今度は私が参加してあげるから」と言われてちょっとだけ照れた。

結婚式に参加するかしないかって悩みは、割とよくある。人それぞれ色々な考え方があるし、どうしたって個人の自由だ。僕も今回は参加したが、今後も必ず参加するとは限らない。でも、会いたい人にもなかなか会えないこんなご時世で、会える機会がもらえることって幸せだな、と改めて感じたのでした。