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電気主任技術者という仕事

みなさん、こんにちは。Naseka です。

私は普段、職場で
「電気主任技術者」
という役割を担っています。

今回、たまたま
Keigo.log@福祉×読書 さんの記事を読んで
「私の仕事にも通ずるところがあるなぁー…」と
感じたので、まとめてみました。

インスピレーションを受けた記事はこちらです。


電気主任技術者 とは

非常にざっくりいうと、
一般家庭用コンセントなどの電源
100V / 200V よりも高い電圧の電気を
使う場合に、法的に必要となる責任者です。

取り扱うことができる電圧によっては、
「第一種電気主任技術者」から
「第三種電気主任技術者」まで3段階あります。
特に「第三種…」は
「電験三種」の通称でも知られていますね。
昨今は太陽光発電設備の普及などにより、
一層 需要が高まっている資格です。

私の職場では「特別高圧」という
非常に高い電圧を取り扱っているので、
「第二種…」または「第一種…」が必要になります。
実際、私が持っている資格も「第二種」です。

どんな仕事?

一言で表すと、
「職場における『電気の最高責任者』」
的な役割です。

私の職場は工場ですが、一般的には
工場で一番エラい人(最高責任者) = 工場長
だと思います。
もし工場で何か問題が起きたら、
工場長の責任が問われますよね?
(対外的には、社長や役員も
 含まれるかもしれませんが)

これが電気関係のトラブル(※ 後述を参照)
になると、
その責任問題は工場長を通り越して、
電気主任技術者に向かいます。
管轄する役所への届け出義務や管理責任は
電気主任技術者にあるんですね。

ですから、普段からトラブルが発生しないように
電気にかかわる設備の保守点検や
運用状態の監視を行っています。

普段 みなさんが当たり前のように
電気を使えるのも、
我々 電気主任技術者をはじめとするスタッフが
トラブルが起きないように
裏方で支えているからなんです。

トラブルなんてそうそう起きるものではないので、
(というか起こさぬように仕事をしているわけで)
それを理解してもらえない人には
「あの人って、普段何やってるんだろうね?」
と思われがちですが…

(参考)電気関係のトラブルとは

こまかく挙げるとキリがないですが、たとえば
①管轄する職場内で感電災害が発生した。
②管轄する職場が起因して、
 他の需要家(職場の外部)へ波及する事故が
 発生した。

...といったようなケースです。
②は一般家庭でたとえると、
「自分の家のコンセントがショートしたせいで、
 近隣家庭のブレーカまで落ちてしまった」

みたいな状況です(じぶんトコ以外に事故が波及)。

自分の家のトラブルのせいで、
隣家の仕事中のPCが壊れて
「どうしてくれるんだ!?」
となったら、一大事ですよね。
場合によっては訴訟問題にもなりかねません。

この仕事をするために必要なもの

基本的に この仕事は
その職場に適した資格を所有していれば、
誰でも任せる(選任する)ことができます。

この資格、需要に比べて供給不足気味なので、実際
「この人しか資格を持っていないから…」
みたいな理由で実務経験の乏しい方が
選任されている職場も多いと思います。

先に述べたように
そうそうトラブルが起きるわけではないので
日頃から「知識や技術をフル活用して…」みたいな
仕事でもありません。
(少なくとも私が見聞きしてきた範囲では)
日常の 99% は、誰がやっていてもあまり大差はないと思います。

…ですが!
一度「コト(=トラブル)」が起きたら
さぁ大変です。

今まで当たり前に使えていた電気が
使えなくなるわけですし、
起きたトラブルを解決 or 処置しなければ、
その電気は使えないままになってしまいます。

一般家庭の電気設備
(だいたいコンセントとかブレーカ)と異なり、
高圧や特別高圧の電気設備は、
機器や部品を買うにも
メーカーや修理業者を呼んで直してもらうにも、
「電話一本で今すぐ…」とか
「ホームセンターまで行ってちょっと…」
といったレベルで済まないことがほとんどです。

もしこのとき、電気主任技術者が
「ただ資格を持っているだけ」の人だったら
どうでしょう?

果たして
その場でどうトラブルを乗り切ればいいか、
瞬時に判断して
アクションを起こせるでしょうか??

もし電気主任技術者が
適切な判断・行動をとれなければ、
もしかしたら
「すみません、電気が使えるようになるまで
 〇ヶ月かかります…」

といった状況になってしまうかもしれません。
これが許されるのは、
余程 ヒマな職場だけでしょうね。

つまり、電気主任技術者が真価を問われるのは
「トラブルが発生したとき」

なんですね。

「いざというときに、
 適切な判断・行動をとれるか」

ここに尽きると思います。

ですから、本来は
先代の電気主任技術者の下でいっしょに仕事をして
実務経験や教育(いわゆる OJT)を受けて、
次代の電気主任技術者を育成していくのが
望ましいかたちだと思います。

実際、こういったサイクルが回っている職場は、
電気関係のトラブルもほとんどないでしょうね。
(或いは起きても迅速に適切な処置がとれている)

ここまでは私が先代から受けた教えでもあり、
実際に普段から大事にしていることでもあります。

話は冒頭に戻って、
これが Keigo.log@福祉×読書 さんの記事にあった

----- 引用ここから -----

立場が上の人が使う、ベテラン勢が使う、「経験」とは一体なんなのか。それは以下です。

「例外」に対応した数が多いこと

Keigo.logの定義

----- 引用ここまで -----

この ↑ 部分に非常に共感を覚えたのでした。
(思わず「ほんとそれ!」
 声が出そうになるほどに)

お読みいただき、ありがとうございました。

※ 電気主任技術者でお悩みの方へ

特別高圧受電の電気主任技術者として、
かれこれ5年を過ぎました(今も継続中です)。

電験三種に挑戦している方、
電気主任技術者の役割についてお悩みの方、
私の経験から
アドバイスやヒントの提示をいたしますよ。
遠慮なくご相談くださいね。

いずれコンサルティング業務化を考えていますが、今なら無料です!

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