予算作りをして家計をやりくりする方法
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はじめに
「予算」というと、国や企業のことで家庭には全く関係ない、家計で予算なんて大げさじゃないかなどと思っている人が多いのではないでしょうか?
そして、実際に家庭で、国や企業が行っているように、事前に予算を組むことを実践している人は、それほど多くはないのではないでしょうか?
でも、1度でも家庭での予算作りに成功してしまったら、もう、2 度と予算を立てない生活には戻れなくなってしまうというのも事実です。
この本では、あなたとご家族が、お金のやりくりに困らないような、ゆとりのある暮らしをおくれる、家計での予算作りの方法をご紹介 します。
実は、家庭で予算を立てる場合に、最も難しい障害となるのは、予算作り成功の妨げになってしまう精神的な問題を克服することなのです。
作業で躓くというよりも、精神的な負担に耐えられなくなる人が多いのです。
「予算を組むなんて、そんな大層なことは面倒くさい」「予算なんて難しいことを自分ができるのか」と、多くの人が思ってしまうものです。
でも、予算作りというのは、そんなに最初から構える必要はありません。
いったんうまくいく予算作成法を身につけてしまえば、あとはもう簡単なことなのです。
あなたに合った予算作成法をみつけることが、成功のカギだといえます。
そうは言っても、家計簿なら、まだそれなりにつけることはできても、予算作りなんてやったことがないという人がほとんどだと思います。
実際、やろうとしても、予算を立てるのは苦手だという人が多いのも事実です。
やる前から、苦手意識が先行してしまうのです。
そして、正直なところ、自分の家の財政事情を直視するのは耐えられないものだと思います。
できれば、問題を直視せずにいられるなら、その方が良いと思うのは、普通の心理だと思います。
しかし、いつまでも、自分の財政事情に目をつぶっていてはいけません。
予算作りをやったことがない人も、予算作りが苦手だという人も、今、予算作りの方法を覚えてしまいましょう。
そうすれば、1年と立たないうちに、あなたの生活に、思ってもみなかったような、すばらしい変化が訪れることは間違いないと思います。
では、予算というのは、どうして立てなければいけないのでしょう
か?
予算作成の本来の目的は、家庭でも、国や企業と変わりはありません。
決められた収入の枠の中で、支出項目を見直し、本当に必要な部分だけにお金を使い、実は必要のない無駄な部分をカットしていくのです。
そして、できれば貯蓄にまわすお金を捻出することが、予算作成の基本的な目的です。
例えば、あなたが、毎年趣味に何10万円ものお金をつぎ込んでしまっているとしたなら、その支出は本当に必要なものなのでしょうか?
あまり使ってもいないクレジット・カードの年会費は、本当に必要なものでしょうか?
たんすのこやしになってしまう洋服、冷蔵庫で眠らせて腐らせてしまった食料、ほとんど読んでもいない雑誌、などなど。あげればキリがありません。
もし、これらにお金を使わないですんだとしたら、どうなるでしょうか?
本当に必要なものに、有効にお金を使ったほうが良いと思うのではありませんか?
しかし、ただいたずらに、お金をこれ以上使いたくない、なんでもいいから節約しようと言っているだけでは、予算作りにはなりません。
現在使っているお金の何が無駄になっていて、何が必要なものかが
わかっていなければ、使いたくない、節約したいと思っていても、わからないままに知らず知らずのうちに使ってしまうことになるのです。
まずは、今現実に、どんな品目にお金が使われているか、そのすべてを知る必要があります。
これが基本です。
とにかく、家庭での出費を品目ごとに細かく列挙し、そのすべてを把握することから始めましょう。
この作業さえできてしまえば、あとは、どの品目の経費が無駄なのかを検討し、どれだけカットすればいいのか、考えればいいだけです。
そして、カットして浮いたお金を何に使うのか、目標を立てましょう。
どんなことでもかまいません。
退職後の蓄えとして、またはすばらしい休暇のために、あるいは新車や家具にと、何か目標を決めることで、賢くお金を使いたいものです。
ちょっと考え方を変えて、予算を立てるだけで、今まで夢のようでほど遠いと思っていたくらしを、全て現実のものとすることができるのです。
家計の管理といえば、すぐに思いつくのが家計簿でしょうが、この家計簿のつけ方も見直してみる必要があります。
家計簿をつけているといっても、ただ漫然と、収入と支出だけを書き出すことで済ませている人が多いでしょう。
しかし、それだけでは不十分です。
家計簿はお金の流れをつかむためにつけるものです。
きちんとお金の流れをつかめていなくては、家計簿をつける意味がありません。
でも、そんなに細かく項目まで記入している時間がないという人も多いでしょう。
そういうことであれば、パソコンで家計簿ソフトを使ってみることをおすすめします。
パソコンの家計簿ソフトのようなプログラムは、支出先や品目を一瞬にして確認できますから、予算作りの際に非常に役に立ってきます。
もちろん、ひとつひとつ自分で電卓をたたいて計算するような手間も省けます。
パソコンの家計簿ソフトは、セットアップには多少時間がかかるかもしれませんが、使い方さえ飲み込んでしまえば、収入支出が簡単にわかるようになります。
家計簿をつける時間も短縮でき、非常に便利なものです。
予算作りを少しでもラクに進めたいとお考えなら、積極的にパソコンの家計簿ソフトを使ってみることをおすすめします。
ここまではわかっていただけましたか? もう一度整理してみましょう。
予算作りは、国や企業だけではなく、家庭でも非常に重要なことで
す。
家計を管理するためには欠かせないことです。だからといってかまえる必要はありません。 難しく考える必要はひとつもありません。
予算作成の本来の目的は、本当に必要な部分にお金を使い、必要のない無駄な部分をカットすることです。
生活に必要なお金をきちんと把握し、あなたとあなたの家族のためにどのように管理していったら良いか考えることが予算作りなのです。
予算作りのために、少しだけでもいいですから、日常の生活の中で工夫してみましょう。
少しずつでも変えていくことができれば、予算作りがぐっと楽になっていくものです。
例えば、家庭では、現金払いでの支出が多いのではないかと思います。
買い物や食事の時にもらったレシートは、どんなものでも全て取っておくようにしましょう。
あとで、その取っておいたレシートをもとに、パソコンの家計簿ソフトに購入品の値段を入力するのです。
もちろん、ノートに記入するのでもかまいません。
毎日の支出を記録して、お金の流れをチェックするのが目的なのです。
記録した結果を確認すると、品物の値段に、おや?と驚くこともあると思います。
また、やけに金額がかさんでいる項目を発見することもあるでしょう。
これが、予算作りの第一歩なのです。
予算作りをするからと言って、何かを犠牲にする必要はありません。
予算作りは、何も苦しい思いをするためにやることではないのです。
それとは逆に、予算作りとは、あくまでもこの先お金のことで悩ま なくていいような、楽しい幸せなくらしのためにやることなのです。
例えば、予算作りをすることで、借金を負うことなしに欲しい物を購入できる方法を見つけられるとしたら、すばらしいと思いませんか?
また、もし万一、借金を抱えることになってしまったとしても、予算作りをしておけば、借金返済の役にも立つことは間違いありません。
予算作りの重要性をわかっていただけたでしょうか?
時間をかけて、役に立つ予算作りをすることが、明日の幸せな生活につながるということがわかっていただけたでしょうか?
予算作りがきちんとできるようになるには、数ヶ月かかるかもしれません。
しかし、やがては満足できる生活が訪れたことを、実感できる日が必ずやって来ることと思います。
まずは、予算作りの一歩を踏み出してみましょう。
第1章 覚えておきたい予算作りの基本
予算作りというのは、健全な財務管理をめざすための第1歩となります。
企業でも、経営者は企業活動の決定をするために、基本的にはすべてに関して予算を立てることから始めます。
そして、その予算を元にして、経営者は会社経営を行っているのです。
このことは、家計でもまったく同じです。
家庭の場合でも、会社を経営するのと同じように考え、家計を企業の会計と同じように管理することが、健全な財務管理へとつながるのです。
家計でも予算を立てれば、支出品目がはっきりとわかるようになります。
何が必要な経費なのか、そして何を節約すればよいのか、それぞれが明確になります。
また、お金の使い方のくせを修正することもできるようになるかもしれません。
さらに、予算を作ることで、借金返済のプランにも役立ってくるものです。
退職後の生活のための貯蓄や夢の実現などの計画もうまくできるようになります。
では、上手な予算作りのためには、何が必要となってくるでしょうか?
予算をうまく立てたいと思うのなら、まずは、現在の財政状態をなぜ変えていきたいのか、その理由をはっきりとさせる必要があるでしょう。
何のために、今の財政状態を見直す必要があるのか、財政状態が変わったら何をしたいのか、そのあたりを明確にしなければ意味がありません。
そこで、じっくり腰をすえて、将来的に達成したい目標を書き出して、チェックブックにしてみましょう。
よく考えなくてはなりません。
これが、その後ずっと、予算を立てるための指針となってくるのです。
ですから、この目標チェックブックは非常に重要であり、保管しておく必要があります。
そして、このチェックブックにはない何かを買いたいという欲求に駆られたり、チェックブックに掲げたものを購入することができなかったりしたときには、もう一度チェックブックを取り出して確認してみましょう。
チェックブックをよく見直して、財政状態向上の理由や立てた目標を思い出してください。
この目標チェックブックには、最初に決めた自分の指針が書いてあります。
借金を返すとか、将来のために蓄えるとか、最初に決めて書き残した目標を確認することで、きっとまた、やる気が出てくることと思います。
何事も初心にかえることが大切なのです。
予算を作るためには、まず3か月をひとつの区切りとして考えてみましょう。
3か月間の支出動向をチェックするのです。
1か月ではまだ見えないことが、3か月のスパンで見るとはっきりわかることがあるのです。
3か月のお金の流れを検討することで、予算を作ることができるのです。
そのためには、家計簿をつけて、正確な出費を把握することが重要です。
家計簿は毎日つける必要はありません。
自分のライフスタイルに応じて、2、3日ごとに、あるいは休日に一週間分まとめてつけても大丈夫です。
家計簿を毎日つけることがプレッシャーとなって、三日坊主になってしまうよりも、とにかくつけ続けることのほうが大切なのですから。
ただし、正確な金額と用途、日付はきちんと記帳しなければなりません。
そのために、まずは日頃から、物を買ったり外食したりしたときに、レシートや領収書を必ずもらうクセをつけるようにしてみましょう。
あなたが支払った証拠であるレシートや領収書さえあれば、毎日毎日記帳しなくても、数日分まとめて記帳することが可能になるのです。
これであれば、少し気持ちがラクになってきませんか?
家計簿をつけなくてはいけないという、毎日のプレッシャーから開放されるでしょう。
家計簿をつけるときには、じっくりと腰をすえて、レシートの内容をノートに記帳するか、パソコンの表計算ソフトか家計簿ソフトに記録するようにしましょう。
ただし、この時、気をつけなければいけないのは、ひとまとめに集計するのではなく、それぞれのカテゴリに分けて、カテゴリごとに集計することです。
それぞれの品目ごとのお金の流れをつかめなくては、意味がありませんから。
ここまでは現金での支出です。
これに、月々銀行から引き落とされる家賃や住宅ローン、光熱費、通信費、保険料などの月間支出や、年間で支払わなければならない支出を加えます。
これで、すべての支出の記帳が終わりました。ここまでできれば、予算の完成です。
あなたが苦労して稼いだお金のすべての使い道が特定できたわけですから、ここまでくれば、必要のない無駄な支出が見えてくるでしょう。
何に対して無駄なお金の使い方をしているのか、じっくり検討してみましょう。
ここでは、自分を甘やかすことなく、客観的に厳しくチェックする必要があります。
月々の無駄な支出さえわかれば、借金の返済はもちろん、それどころか貯金だってできるようになるのではないでしょうか。
ちなみに、貯蓄を増やすには、なんといっても借金を減らすのが一番です。
どんなに貯蓄をしても借金があれば帳消しです。これは当然ですね。
カードローン、分割払いで買ったショッピングの借金などがある人は、借金をなくすことが先決です。
また、リボ払いなどで買い物をすると、利息の支払いで家計が圧迫されてしまいます。
そこで、あなたの買い物に対する考え方をちょっと変えてみましょう。
安易にローンを組むことはせずに、欲しいものはお金を貯めてから購入するようにするのです。
借金を減らせば、月々使える金額も増えるわけですから、将来的にはかなり楽になりますよ。
とは言うものの、家計簿はやはり、面倒で続かない人が多いようです。
せっかく時間を取って予算を立てたのにもかかわらず、すぐにあきらめてしまうのでは意味がありません。
とにかく続けることが大切なのです。
ここで、うまくいく予算計画のヒントを、いくつか挙げてみましょう。
1. 予算はこまめに見直しましょう。
一度立ててしまったからといって、ずっとそのまま放っておいてはいけません。
本当にこの予算でいいのか、定期的にちょくちょく見直してみましょう。
何度も予算を見直して、立て直しているうちに、どんどん予算作りが上手になります。
2. 予算事情もどんどん変わっていきますから、それに合わせて修正しましょう。
収入も変動するでしょうし、借金の返済が終了することもありますよね。
そのときの状態に合わせることで、より適切な予算計画となります。
3. 支出が目標どおりにいかない場合は、必要に応じて見直しましょう。
最初から目標を増やしすぎてはいけません。
小さな目標からスタートして、その後徐々に目標を大きくしましょう。
少しずつ目標を高めることで、達成感も違ってきます。
目標をひとつひとつクリアしていくことで、モチベーションもあがるでしょう。
4. 予算計画には、他人のテンプレートを使わないようにしましょう。
経済事情は個人個人で違います。
あなたの経済事情は、あなただけのものです。
ですから、他人の状況に左右されることなく、あなた自身の支出や達成目標に基づいて、予算計画を立てましょう。
他人のテンプレートは、あくまでも参考にする程度にしておきましょう。
5. 常に目に見えるところに目標を置きましょう。
せっかく立てた目標を、どこかに大事にしまい込んではいけません。
目標が目の前にあることで、予算計画にもやる気が出てくるのです。
そして、くじけそうになったときには、その目標をもう一度見て、最初にどんな気持ちで、この目標を立てたのか思い出しましょう。
ここまでやっても、どうしても予算がうまくいかない場合もあるかもしれません。
予算がうまくいかないのには、いろいろな事情がからんでいるものです。
しかしながら、なんらかの理由でうまくいかなくても、くよくよすることはありません。
ここで落ち込んだりせずに、もう一度冷静になって見直してみましょう。
そのとき何が起こったのか、どんな理由でうまくいかなかったのか、その状況を確かめて、的確な判断をして、もう一度予算を立てまし ょう。
あきらめてはいけません。
予算どおりにいかないときというのは、必ず何度でもあるものなのです。
うまくいかなくてもやり直せばいいのです。何度でもです。
そしてその都度、そのときの状況を正しく判断して、その状況に合わせて、立てた予算を修正することを繰り返す、それだけの話なのです。
あくまでも自分の予算であり、他人に迷惑をかけるわけではありません。
深刻に考えるよりも、冷静な状況判断と、何度もやり直せる根気が重要なのです。
くじけずに何度もやり直しましょう。
そのうちに予算がうまくいくようになると思います。
ここで、予算を守っていくために大変有効な方法をご紹介しましょう。
それは、銀行口座を2つ作る方法です。
1つは当然、年次予算用の口座で、住居費、食材料費、水道光熱費などの日常生活費や、年間にかかってくるコストを入れておく口座です。
誕生日用、祝日用、保険料、税金など、年間でかかるコストについては、それを12で割った金額を、毎月、口座に入金するようにしましょう。
通常の支出は、この口座でまかなっていくようにします。もう1つは非常用の口座です。
日常生活では、冠婚葬祭などの一時的な出費や、家電製品・水まわりなどの故障など、予期せぬアクシデントが突然に起こってくるものです。
もしもの出費は、予算にはありませんから、この非常用の口座があれば、たいへん役に立ちます。
突然のことにもあわてることがありません。
財務顧問のアドバイスによれば、この口座には、少なくとも3か月分の支出を入れておく必要があります。
銀行口座を2つ作る本来の目的は、計画には入っていなかった、予期しない支出に、予算を変えずに対応するためです。
ちょっとの工夫で、予算計画をうまくすすめることができるようになります。
第2章 家計簿をつける方法
さて、誰もが思っていることでしょうが、請求書の支払いは、きちんと期日を守りたいですよね?
クレジットカードの支払いや、家賃・住宅ローンの支払いなど、期日を守らなければならない支払いは、毎月毎月必ずあるものでしょう。
きちんと期日を守ることで、クレジットの信用度も上げたいと思いますよね?
ただし、月々の収入は決まっていて、使えるお金も限られているものです。
ですから、借金返済などの期日をきちんと守らなければならない支払いのためには、日常的に家計をきちんと管理していく必要があります。
家計の管理なしに、自分の信用度を守る道はありません。そのためにも予算作りなのです。
しかし、すぐにわかるでしょうが、お金に関する予算作りはかなり大変です。
予算を作るためには、家計簿をつけて、月々の支払いや、年間の支払い額をチェックするだけでなく、使うお金、貯蓄したい額、退職基金などもきちんとプラスして、考えていかなければならないのです。
そして、家計簿はただつけるだけではいけません。
集計して分析・検証しなければ意味がありません。
家計の予算作りのために、銀行や保険会社や、仲買業者のファイナンシャルプランニングカウンセラーに、手助けをしてもらうという方法もあります。
こういったファイナンシャルプランニングカウンセラーは、それぞれの家の財務事情、将来的な目標(大学進学資金、退職基金、貯 蓄)はもちろんですが、現在ある借入金についても考慮してくれます。
支払額だけでなく、この将来的な目標額も含めて、それぞれの収入に合わせた、現実的な月々の家計の予算作りを考えてもらえるのです。
当然、ファイナンシャルプランニングカウンセラーは、この道のプロですから、自分でやるより、うまく予算作りをしてくれるでしょう。
そして、何より安心感があります。
また、借金返済が終了するなどして、財政事情が変わったときには、その都度必要に応じて、予算を見直してもらうこともおすすめしま す。
少なくとも1年に2回は、ファイナンシャルプランニングカウンセラーに相談するのがいいでしょう。
その都度、そのときの借金や目標に関して細かくチェックしてもらって、必要があるならば、予算の見直しをしてもらうようにしましょう。
しかしながら、ファイナンシャルプランニングカウンセラーに会う時間がなかったり、支払う相談料がもったいないと思う人もいるでしょう。
他人の手を借りずに、自力でなんとかやってみたいという人も多いでしょう。
そんな場合は、パソコンの資産管理ソフトを使ってはいかがでしょうか?
Microsoft MoneyやIntuit’s Quicken といったプログラムでは、ファイナンシャルプランニングカウンセラーがするような質問に答えるだけで、簡単に利用できて、家計の管理をしていくことができるのです。
この資産管理ソフトは、セットアップには多少時間がかかりますが
(情報を入力して行います)、設定さえ終われば、家計の状況を記録し、設定した予算計画に従って家計を管理することが簡単にできるようになります。
ファイナンシャルプランニングカウンセラーに相談した場合とそれほど変わらない状態で、予算を管理していくことができると思います。
家計簿は、予算管理の基本になるものです。
家計簿をつければ、借金などの財務状況をきちんと管理でき、安心です。
家計簿で、しっかり予算を管理して、月々の決められた支払いの期日をきちんと守り、自分の信用も守っていきましょう。
これで、明日からの生活もびくびくしながら暮らす必要はなくなります。
予算を管理することで、精神的にもゆとりある生活が約束されることでしょう。
第3章 うまくいく予算作りのヒント
予算は、家計を守る羅針盤となります。
予算を決めずに、好きなときに好きなだけお金を使う生活をしていると、収入の範囲内で生活することはたいへん難しくなってしまいます。
予算のない家計では、もしかしたら借金を背負ってしまうことにもなりかねません。
ただし、予算と聞くと「窮屈」「難しい」「守れなくてイライラしてしまうかも」、そんなマイナスのイメージをもつ人も多いかもしれません。
そして、それぞれの家庭によっては、予算を立てにくい状況もあるかもしれません。
例えば、毎月の収入が一定ではなかったり、支出にもバラツキがあったりする場合には、予算はなかなか決められないこともあるでしょう。
しかし、予算を立てることによって、逆に家計管理は楽になるものです。
そして、予算作りは、実は簡単にできるものなのです。
予算作りとは、収入から使った支出の金額を引き、残ったお金を算出して記録し、毎日のお金の流れを管理する、それだけで良いのです。
まずは、予算を立てて、そのとおりに支出をしていけば、何も難しいことはありません。
それだけのことなんです。どうです?
簡単なことでしょう?
しかし、悲しいことに、それでも窮屈で難しいと言う人が多いのです。
何が予算作りを難しく窮屈なものにしてしまっているのでしょうか?
世の中の大多数の人は、全く同じ理由で予算計画に失敗しているようです。
でも、これから挙げるヒントを参考にしてみてください。
このヒントを参考に予算計画を立て、そのとおりに進めてみましょう。
そうすれば、どんな人でも、予算計画に失敗することはないはずです。
予算作りは決して難しいことではないのですから。
ヒント1…お金の使い道をチェックしましょう
お金の使い道は、家族構成やそれぞれの家族の状況で、異なってきます。
ですから、お金の使い道に正解なんていうものは存在しないのです。
例えば、育ち盛りの子どもが多くいる家庭は、食費や教育費がかかるでしょう。
共働き家庭では、外食費や子どものための保育料がかかるかもしれません。
また、高額のガソリン代を払っている人もいますが、毎日公共の交通機関で通勤するため、ガソリン代のかからない人もいます。
つまり、それぞれの家庭の事情によって、必要な品目が変わってくるのです。
そして、無駄な経費も、それぞれの家庭によって、さまざまなのです。
使い道に正解がない以上、多くの人にとって、決めた予算が正しいかどうかの判断もつきにくく、それを守っていくことは難しいのです。
しかし、それぞれがそれぞれの事情を考慮しながら、現在のお金の使い道をチェックし、変えられる部分を考えていくのがポイントです。
どこが無駄になっているのか、それを検討し、カットできる部分を探しましょう。
例えばいつも車で通勤・移動しているのであれば、時には公共の交通機関を使ってみて、ガソリン代を浮かすのもひとつの手です。
また、電気・ガス・水道といった光熱費は、どうしてもかかる必要な経費だから、これ以上は減らせないなんて思っていませんか?
これらの光熱費も、ほんの少しの努力だけで節約できるものです。
まずは変えられるところを見つけ、少しずつでいいから始めることが大切です。
また、何に使ったか分からない使途不明金は、ゼロにする努力をしましょう。
使途不明金は、ひとつひとつの金額は小さいでしょうが、まとまるとけっこうな金額になり、無視することはできないものです。
実際、どうしても貯蓄できないという原因・理由の上位には、必ず、この使途不明金が多いということが入ってきているのです。
そもそも何に使ったか分からない、この使途不明金というものは、本来、必要のないものを買っている場合が多いと思われますから、極力減らしていくような努力をしなければならないのです。
そして、何に使ったかはもちろんのこと、本当に必要な支出だったのか、無駄ではなかったのかも含めて検討する必要があります。
また、多くの予算計画で採用されており、賛同者も多数存在する「収入の20%」の法則を導入してみることをおすすめしま
す。
この世の中に多く受け入れられている「収入の20%」の法則とは、支出を抑えて、収入の20%を貯蓄に回そうというものです。
貯蓄は、毎月毎月の残ったお金をまわせばいいと考えているようでは、ほとんどまわせる月はなく、一向に貯まることはありません。
最初から収入の20%を貯蓄に回すことを決めて、使えるお金を強制的に制限してしまうぐらいのことをして、初めて貯蓄は可能になるのです。
少しでも無駄ではないかと思える部分をみつけたなら、このときをチャンスと思って、徹底的に省いていくこともおすすめします。
そして、厳選した、必ず支払わなければならない品目だけを、予算に入れましょう。
かなり予算をスリムにすることができるでしょう。
ヒント2…金額は正確に記しましょう
収入と支出のリストを作るときには、正確な数字をきっちりと記帳していくことが、あなたが守らなければならない最低限の必須条件です。
切り上げ切り捨てはやめましょう。
ひとつひとつは誤差の範囲のことかもしれませんが、トータルしてみると、その切り上げ切り捨てが大きな違いになることもあるのです。
その違い分を、別の予算にまわすことも可能になってくるかもしれません。
できれば、1円単位まで正確に書いたほうが、後々のためには良いでしょう。
1円を笑うものは1円に泣くなんてことになるかもしれませんから。
支出に関しては、1か月ではなくて、少なくとも2か月(できれば3か月が望ましいでしょう)記録していくようにしましょう。
2~3か月記録することで、お金の使い道がはっきりわかってきます。
そして、当然のことですが、仕事前の1杯のコーヒー代も、忘れないで記録してください。
自動販売機で使ったお金というのは、どうしても忘れがちですから、手帳にメモをとっておくクセをつけるといいかもしれません。
飲み会などで割り勘にした金額などは、お酒も手伝って、つい忘れてしまいやすいものです。
人前で手帳に記入するのが少し恥ずかしいなら、携帯電話を利用するのも良いでしょう。
携帯電話のメモを使えば、メールを打っているようにみえるので、金額をいちいちメモしているとは思われなくてすむでしょう。
あまりに細かい作業に思われるかもしれませんが、この細かい作業をしておかないと、総支出を正確に把握することができません。
使途不明金が多い人は、この作業を怠ってしまっていることが多いようです。
月末になると、立てた予算どおりのお金が手元に残らない人が多いのは、小さな出費を忘れてしまっていることが原因となっているからなのです。
ですから、この細かい作業は、馬鹿にできないのです。
ヒント3…年間支出も忘れないでください
予算計画に失敗してしまう原因となっているものには、いくつかあります。
例えば、年間支出の存在を忘れてしまうと、失敗が多くなってしまいます。
冠婚葬祭などの予期しない支出や、車のメンテナンス、家の保険、税金、家電の保守契約など、毎年必ず必要となる年間支出のために当てる予算についても、すべて備えておかなければなりません。
この年間支出を予算に入れておかなかったために、せっかく立てた予算が根底から崩れてしまうなんてことも少なくないので
す。
そこで、毎月少額ずつでもかまいませんから、別途に取り置いておいて、このような支払いがあった場合でも、そのたびに予算を修正したりしなくても済むようにしておくことが大切になります。
そうすれば、どんなに突発的なことがおきても、もとの予算どおりに進めることができます。
ちょっとしたミスで、いちいち予算を修正するというのは、あまりにも無駄なことですから、日ごろから気をつけるようにしましょう。
ヒント4…予算はこまめに見直しましょう
予算というものは、立てた後、そのまましまっておくものではありません。
予算は、各家庭の事情に合わせて、ひんぱんに見直し、試行錯誤をすることが必要です。
常に、家計に目を光らせて、いつでも、どこからでも、調整していくようにしましょう。
ミスが元で、予算を修正するのは馬鹿馬鹿しいですが、調整は必要です。
予算に対しては、柔軟に対応していきましょう。どうですか?
一度立てた予算の中で、見直すべきカテゴリや、追加削除すべき部分はありませんか?
いいですか?
予算はいくらでも変更できるものです。
家庭の状況や、世の中の情勢が刻一刻と変わっているのに、予算だけ頑固に変更をしないなんてことはありえないと思いませんか?
あなたの台所事情も、当然絶えず変動しているでしょう?
ですから、予算にしっかりと目を光らせ、状況の変化に敏感に反応して、臨機応変に対応し、うまく家計管理をしていかなければなりません。
そして、何度もいいますが、借金清算や経済的安定のためには、予算作りが最善の方法です。
予算作りをしてみれば、すぐにわかるでしょうが、予算作りには多くの利点があります。
予算作りに一度でも成功した人は、もう予算を作らずに生活するなんてできなくなるといいます。
予算がないと、お金を使うときに不安でたまらなくなるそうなんです。
ただし、最初は多少めんどうな作業をしていかなければならないでしょう。
それでも、3か月かけて懸命に取り組めば、家計管理に変化が見え
てきます。
そうなれば、後はもう大丈夫、その方法を続けていけばよいだけです。
躓くこともあるかもしれませんが、予算さえ作っておけば、予期せぬ出来事が起こった場合でも、家計を簡単に立て直すことができます。
第4章 一家の予算作りのヒント
そろそろ、予算作りのメリットについては理解していただけたでしょうか?
家計簿をつけると「収入」「支出」「貯蓄」の増減、つまりお金の流れをつかむことができます。
このお金の流れのことを「キャッシュフロー」といいます。
ただ漫然と家計簿をつけているだけでは、キャッシュフローは見えてきません。
子供の進学や住宅・車のローンの返済など、人生にはいろいろなことがあります。
家計簿上では今のところ収支のバランスがプラスであったとしても、近い将来に、家計が破綻してしまうなんてこともあるかもしれませ ん。
キャッシュフローと家庭の将来をみすえて、予算計画を立てなくてはいけません。
予算を管理するということは、会社であれば経営者、国で言えば財務大臣の立場にあるといえます。
責任ある立場なのですから、将来を現実的に見て判断し、予算計画を立てましょう。
この章では、家計の予算計画のためのお役立ちヒントをいくつかご紹介してみましょう。
このヒントを有効利用すれば、経済事情が安定すること間違いなしです。
1.目標を立てましょう
短期目標でも長期目標でもかまいませんが、何か目標を立てて、予算に対して、前向きに取り組んでいけるようにしてみましょ う。
目標を立てることは、モチベーションを上げてくれる大切な作業です。
しっかりと根拠のある現実的な目標を設定するようにしましょう。
目標は、その先に喜びや幸せがあるからこそ、達成のしがいがあるものです。
場合によっては、ただ我慢するだけの節約になってしまう場合もあるかもしれませんが、自分の気持ちに勢いをつける意味でも、楽しくて夢のある目標を立ててみるのもいいかもしれません。
どんな些細なことでもかまいません。
まずは、手近な目標から始めるのがベストです。
最初から実現困難な目標を掲げるのではなく、個人的な目標でかまいませんから、できるだけ実現できそうな内容にしましょう。
まわりの誰かがあなたにして欲しいということではなく、あなたが自分でやりたい、実現したいと思うことを目標にするのが
一番いいと思います。
自分がやる気にならなくては、予算計画はうまくいきませんから。
2.家族全体を巻き込みましょう
いくら経営者の立場であるあなたが孤軍奮闘しても、それだけでは、予算計画はうまくいかないでしょう。
予算計画を立てるときには、家族全員で集まり、家族みんなで経済状況についてじっくり腰をすえて話し合うようにしましょう。
そして、家族みんなの総意で予算を組んでいかななくてはなりません。
このとき、財政的に何かあきらめて欲しい項目がでてきたなら、そのあきらめなくてはいけない理由も含めて、家族全員に説明 しましょう。
隠し事があったり、あきらめる理由を納得できてなかった場合には、せっかく立てた予算を守りきれない人が出てきてしまう可能性があります。
たったひとりが守れなかったとしても、予算はうまくいきません。
家族全員が納得した、全員の総意の予算計画を立てることが大切なのです。
3.予算は楽しんで立てましょう
何もかも節約の予算では、楽しくありませんし、辛い日々になってしまいます。
一家の予算計画を立てるときは、家族ですてきなレストランに食事に出かけたり、遊園地に行ったりする費用も設定しましょう。
年末年始やゴールデンウィークなどの家族旅行も、最初から予算に組み込んでおけば、無理なく楽しめる予算計画になるでしょう。
予算は、あくまで生活に役立て、ゆとりのあるくらしをするためのものであり、あなたや家族を苦しめるものであってはならないのです。
家族全員が、節約することと同時に、楽しいこともあると思うことで、全員で予算を守ろうという気持ちが生まれてくるものです。
4.貯金しましょう
日々節約しているのに、なかなかお金が貯まらないという人も多いでしょう。
従来のやり方では、貯金が苦手だったあなたも、発想を変えてみましょう。
貯金は、何かのトラブルでの予期せぬ突然の出費に備えるために、お金を蓄えておくことだと、考えている人が多いのではないでしょうか。
もちろん、そういった予期せぬ特別支出用のお金は必要なのですが、それでは、貯金することが少しも楽しくはありませんよね?
そこで、発想を変えて、貯金の目的を、前から行きたかったバケーション費用のためなどと考えてみるのはいかがでしょう か?
もし、目標額に達する前に何かトラブルが起きてしまった場合には、その費用に充当します。
そして、またあらためて、バケーション費用を貯め直せば良いのです。
ものは考えようです。
夢のあるポジティブな目的のためなら、楽しい気持ちで貯蓄もしやすくなるでしょう。
発想の転換で、今までうまくいかなかった貯蓄も、ラクにできるようになるかもしれません。
5.使途をチェックしましょう
自分が何にどのくらいお金を使っているか、すべて把握できていますか?
お金の使い道もわかっていない人が、どのようにしてお金を管理するのでしょうか?
自分のお金の使い道は、すべて把握しておかなければなりません。
まずは、来週1週間、自分の支出をすべて、記録してみてはいかがでしょうか。
ただし、かなり細かく記録する必要があります。
コーヒー1杯、たばこ1箱、ガム1個の代金も、忘れないでくださいね。
そうして、1週間のお金の使い道を細かくチェックしてみましょう。
カットできる費用が見えてくると思います。どんなに小さな物でもかまいません。
小さな無駄な支出でもカットできれば、積もり積もって、貯蓄できる額が増えるのです。
6.貯金は癖になります
「悪習は身につきやすいが、受け入れにくい。しかし、良い習慣は身につきにくく、受け入れやすいものだ」
こんな言葉があります。
つまり、貯金も身につくまでが大変ですが、1度始めてしまえば、簡単にできるようになります。
そして、すればするほど、どんどん貯金が楽しくなってくると思います。
癖になるくらいになったら、もうしめたものですね。
もう貯金せずにはいられないくらいになって、どんどん貯めていきましょう。
7.変化が起こることを予想しましょう
これから進む道を見通して、将来のことを考えてみた場合、この先の状況の変化を前もってわかっていれば、計画も立てやすいと思いませんか?
例えば、子どもができたなら、新しい服を用意しなければなりませんし、働いている場合には転職を考えなくてはならない場合もあるでしょう。
将来的には、その子どもの教育資金も必要になってくるでしょう。
こういった変化に対しても計画を立てていなければ、良くない結果が起こります。
予算作りも、失敗に終わってしまうでしょう。
できるだけ、将来を見通した計画を立てたいものです。
将来の生活のビジョンを大まかでもかまいませんから、決めた上で、予算を立てるようにしましょう。
そうすれば、多少の変化には動揺しない予算を作ることができるでしょう。
8.高利で借りるのは避けましょう
現在抱えているローンの見直しも大切です。そのローンは高利の負債ではありませんか?
今の負債が高利であれば、まずはそれを返済する方法から考えましょう。
高利の負債は、いくら返済しても、利息ばかり支払うことになって、元金がなかなか減りません。
元金を減らさなくては、負債はいつまでもなくなることはありません。
できるなら、職場の信用組合などに相談してみることをおすすめします。
低利率でローンが組めるところが多いはずです。
低利率のローンを見つけたら、今の高利のローンをすべて切り替えましょう。
月々の返済で、元金を減らすことができるようになります。
しかし、なんといってもクレジットカードの返済額を減らす一番の方法は、お金の使い道を明確にすることです。
そうすれば、借金をせずに、買い物はお金が貯まってからにすることもできるようになるでしょう。
この気持ちの切り替えで、負債を作らない生活をすることができるようになります。
9.都合が良いシステムを探しましょう
貯金は、エンベロープシステムや信用金庫などを選ぶことをおすすめします。
あなたのご一家の都合に合うものなら、なんでもかまわないでしょう。
しかし、お金をすぐに引き出せるところに置いておくと、貯まる前に引き出せてしまい、貯金が難しくなりますから、注意してください。
お金を引き出すのが多少困難なシステムのほうが、引き出すこと自体が面倒になって、自然に貯金もできていくというわけです。
第5章 家計プランをまとめる方法
予算は、お金の流れから読み取れる将来の危険をできるだけ回避し て、あなたの目標を現実のものにしていくための年間計画なのです。
予定外の出費が続いてお財布がピンチなんてことにならないようにするためのものです。
なにも、難しく込み入った複雑な予算を立てる必要は全くありません。
財務関係の才能などなくても良いのです。
コンピューターが使えないとしても、紙とペンだけでもあれば十分です。
毎月、毎年のお金の流れがつかめれば良いのですから、形式は何でも構いません。
できれば、シンプルな物のほうが良いかもしれません。
ざっくりでもかまいませんから、人生設計を楽しむ気持ちで作りましょう。
重要なのは、無理な予算を立てないことです。
予算を立てても毎月赤字になっていては困りますし、毎月予算を守れなかったとしたら、あなたのモチベーションも下がってしまうでしょう。
予算の目標を達成すれば、モチベーションのアップにもつながります。
無理な予算は長続きしないものです。
そして、家計プランには、次のような役割を持たせるようにしましょう。
1.当座預金を黒字にしておく。2.借金のない状態にする。3.将来的に貯蓄をする。
4.必要な物だけにお金を使うことができる。
家計がこの基準を満たしていれば、きちんと目標どおりにできているということです。
しかし、まずは、効率的な予算を作る方法をチェックする必要があります。
収入や支出の分類や分析に時間がかかるようなソフトウエアは避けましょう。
完璧な予算を目ざすからといって、途中の作業を簡単に処理できないようなソフトウエアでは意味がなく、時間の無駄になってしまいます。
簡単な家計簿でも、お金の流れさえつかめるようになっていれば、大丈夫です。
肩の力を抜いて、自分が今できることをやっていくのが一番良いの
です。
次の手順に従ってやっていけば、きっとうまくいくのではないかと思います。
1. 収入があった日付とその収入額を、毎月リストアップしましょう。
2. 毎月発生する支出をリストアップしましょう。支払先、支払日、および支払額を記入します。
3. 次に、食料品費や車のガソリン代など、月々発生する支出を、概算でかまいませんから、リストに加えましょう。
おわかりでしょうが、これは、あなたか配偶者のかたが、ノートにペンで書く程度で十分です。
しかし、できるなら、パソコンで表計算ソフトや会計ソフトを使ってみるのもいいでしょう。
パソコンの表計算ソフトや会計ソフトは、予算計画に大いに役立つソフトです。
Excelでも十分使えます。
また、家計管理のフリーソフトもいろいろと出ているので、使ってみるのもいいと思います。
ファイナンシャルプランニングカウンセラーが作った家計簿のフリーソフトもいろいろと出ており、こちらも気軽に使えてたいへん便利です。
インターネットで「フリーソフト 家計簿」で検索してみてくださ
い。
たくさん見つかると思いますよ。
さて、ここまでできたら、次は収入を全て把握した上で、そこから支出を引きます。
毎月の収入はいくらで、何と何にいくらかかって、いくら余るのかを知ることが、予算の第一歩です。
家族が生活していくのに、どれ位のお金が必要であるかをしっかり意識することができるでしょう。
これで、基本となる予算は立ちました。
もし、この時点で赤字になっているようなら、何か問題があるということです。
何かが原因で予算内に収まっていないということです。
もし黒字なら、うまく予算を立てられたということですが、何か数字を計上し忘れていることもありますから、よく確認してみましょう。
ここで、満足いくまで、しっかりとリストをチェックすることが大切です。
オンラインでも通帳でもかまいませんが、銀行口座の入出金と予算を照らし合わせましょう。
計上し忘れている支出品目がないかどうか、しっかり確認しなくて
はいけません。
計上漏れがあっては、予算になりません。
すぐ破綻してしまうことは目に見えています。
ここでのしっかりしたチェックが重要だということが、おわかりいただけましたね。
さらに、これから数か月間、次の注意を守っていただけば、予算を絞り込めるでしょう。
1. 簡単にできる、実用的な家計簿作りを目指してください。
チェックに時間がかかるようではいけません。
一目で全体が把握できて、細かい項目もわかりやすく並んでいなければなりません。
しかも、記帳作業も簡単に時間をかけなくてもできるような家計簿が理想です。
2. クレジットカードを使うのはやめましょう。
これから先、カード払いをしなくても済むように計画を考えましょう。
クレジットカード払い以外にも、支払い方法はたくさんあります。
3. クレジットカードの支払いを済ませたら、貯金しましょう。
少なくとも、収入全体の10%(できれば20%)は、貯蓄に回してください。
貯蓄分は賢く投資して、利回りの良い方法を検討しましょう。
人によって事情はさまざまですから、投資先を決める前にプロ のファイナンシャルアドバイザーに相談されると良いでしょう。
4. キャッシュフローの概念を学びましょう。
キャッシュフローからは、将来の危険までも読み取ることができます。
毎日の当座勘定残高を予測して、予算計画を立てることが大切です。
また、この場合、表計算ソフトや会計ソフトが大変役に立ちます。
Excelでも十分使えます。
また、家計管理のフリーソフトもいろいろと出ているので、使ってみるのもいいと思います。
ファイナンシャルプランニングカウンセラーが作った家計簿のフリーソフトも、気軽に使えて便利です。
「フリーソフト 家計簿」で検索してみれば、たくさん見つかると思います。
5. 娯楽費をいくらか取っておきましょう。
一家の予算計画を立てるときは、家族みんなですてきなレストランに食事に出かけたり、遊園地に遊びに行く費用も設定しましょう。
年末年始やゴールデンウィークなどの家族旅行も、最初から予算に組み込んでおけば、無理なく楽しめる予算計画になるでしょう。
予算は、あくまで生活に役立て、ゆとりのあるくらしをするためのものであり、あなたや家族を苦しめるものであってはならないのです。
ゆとりある予算で、家族生活を充実させましょう。
楽しいことがあれば、他のことで節約することも苦にはならなくなるでしょう。
家計での予算作りでは、真っ先にしなければならないことがたくさんあります。
あまりにやることが多くありすぎて、あなたは、いったい何から手をつけなければならないのか、わからなくなってしまうかもしれません。
しかし、前述のヒントに従えば、簡単に管理できる家計簿ができます。
家計簿は、お金の流れをつかむために、大変役に立つツールなのです。
そして、長く続けることが大切です。
忙しい時期は多少おおざっぱになっても大丈夫ですから、長続きさせることを優先しましょう。
続けることが、将来のゆとりある生活を約束してくれるのです。
第6章 大学進学の予算を立てる方法
一般的には、1人の子どもが大学に入学して、大学を卒業するまでにかかるお金(学費、生活費など)は、約1,000万円ともいわれています。
子どもを1人でも大学に通わせることになったなら、家計への負担は計り知れません。
予算を立てて、しっかり準備していたとしても、思いのほかお金がかかったりするものです。
そこで、子どもが大学へ進学する際は、両親が予算を守っていくだけでは、うまくいくはずがないということがおわかりいただけるでしょう。
大学生になる子どもと両親の両方が、金銭管理をしなければなりません。
つまり、大学生になって、一人暮らしを始めるのであれば、子どもは初めて自分で管理しなければならないお金を持つことになるのです。
これまでも、お小遣いをもらって、自分のお金の管理をしていたかもしれませんが、それはあくまでも、遊びや趣味のために使うお金です。
生活のためのお金ではないのです。
したがって、大学に行くことで、両親の手を借りずに生活のためのお金の管理をしなければならなくなる、初めての瞬間を迎えるわけ
です。
この章では、お子さんが、学生生活を送るうえで必要なお金をチェックし、お子さんが活用できる倹約法や実際に使えるやりくり法を考えていきましょう。
そして、お子さんが、これから先もずっと活用できるようにしていくことにしましょう。
まず、学生生活の基本となる支出品目は、だいたい2種類に分けて考えるのが良いでしょう。
それは、固定費と変動費の2種類です。
予算作りの習慣をつけるためには、まず、固定費の支払いを考えさせるようにしましょう。
この固定費の支払いを考えることこそが、予算作りの基本となるのです。
そうして、お金の使い道を正しく判断できるようになれば、変動費も管理できるようになります。
この2つの管理ができれば、予算作りができていることになるでしょう。
お子さんが、お金の使い道を考えることができるようになったなら、予算という考え方が身についてきていると思っていいのではないか と思います。
良く考えた上で支出を決めることができる学生であれば、ローンを
組む必要もありません。
また、仕送りをもっと送って欲しいと言ってくることもないでしょう。
一家の予算を守るためには、お子さんにも予算作りの習慣をしっかり身につけてもらうことが重要です。
私たち大人のような一般的な家庭の家計は、現金収入と支出を管理しなければならず、これはかなり骨の折れる、なかなか面倒な仕事です。
しかし、学生の家計であれば、1日20分ほどで、その日の行動について考えられるのではないでしょうか。
非常にシンプルな形でかまいませんから、学生の必要経費をあげてみましょう。
おやつを買う必要はありますか? 休み時間に何か買いますか?
サークル活動は何をしますか? 週末には何をしますか?
趣味は何ですか?
それらに費用はいくらかかりますか?
予算の元となるのが、この必要経費の検討です。
大学在学中に、考えられる支出を検討して、しっかりとした予算を組みましょう。
大学生活の予算を組むときには、子どもも参加させるのがベストです。
次のような品目については、ぜひとも子どもに考えさせるようにしましょう。
1. 娯楽費
2. 食費
3. 被服費
4. スポーツ用品(必要に応じて)
5. 電話代(家以外への通話も含む)
6. 郵便代
7. 美容院代
8. インターネット費用
9. 医療費
10. 保険代
最も注目すべき最大のカテゴリは、1番の娯楽費(社交的費用)でしょう。
基本のところは、子どもに考えさせますが、子どもはどのくらい必要なのか検討もつかないかもしれません。
また、子どもは、この経費をできるだけ多くとりたいとも考えるか
もしれません。
娯楽費の妥当な線を、親が子どもに対してアドバイスしてあげましょう。
うまくアドバイスして、子ども本人も納得する予算を考えていくことをおすすめします。
財務講座を受けさせても良いでしょう。もちろん、講師は両親です。
両親がこれまでやってきた予算管理の方法を、少しずつ教えてあげるのです。
予算作りを教える中で、子どもとのコミュニケーションをとっているうちに、子どもの実際の生活パターンが自然とみえてくるでしょう。
生活パターンがわかれば、子どもの消費パターンについても知ることができます。
1. まずは日記をつけ、3日間、お金の使い方を記録するよう、子どもにアドバイスしましょう。
3日間に使ったお金を、1円まで忘れず書き留めてもらいましょう。
そして、子どものお金の使い道の傾向についてチェックしましょう。
2. 子どもは、ただ品目を並べ立てるだけですから、それだけで判断するのは時間の無駄です。
消費傾向を品目別に表にして、予算を立ててみましょう。
それぞれの品目の金額をパーセンテージで表してみるのがいいでしょう。
そして、そのパーセンテージから、円グラフにしてみると良いでしょう。
お金の使い道がパッと目で見てわかるようになりますから、どの部分を節約したら良いのかがはっきり確認できるでしょう。
ただいたずらに数字と取り組むよりは、ずっと楽しくできます。
例えば、円グラフにしてみた結果、車の経費が半分を占めていたとしましょう。
その場合には、当然、車の経費を減らす方法を検討したほうが良いでしょう。
どうしても車の経費を減らせない場合には、他の支出分から回す方法も検討しなければなりません。
次に、この章では、大学在学中に、生活の不必要な支出をカットする方法をお教えします。
そうすれば、お金の問題で子どもとけんかすることもなくなるでしょう。
1. 大学生にはクレジットカードではなく、デビットカードを使わせましょう。
デビットカードを使う利点は、銀行口座残高分の支払いしか
できないという点にあります。
ですから、お子さんの支出を抑え、予算を守らせるには効果的な方法です。
2. 一定期間内に使える額の妥当な線を決めて、銀行口座にはその額だけを入金することにして、デビットカードを持たせましょう。
3. 予算を決めるのは、大学に入学してすぐにできるものではありません。
だいたい2か月間程度は、予算作りにかかるのではないかと思います。
在学中に必要なものが全て、事前に把握できるわけではありません。
まずは大学生活にかかる費用を概算でいいので、計算してみることです。
まだはっきりとした予算ができない間は、数字には、ある程度の余裕を持たせたほうが良いでしょう。
4. 新生活のために、わざわざ、新しい服を買いに行くのはやめましょう。
手持ちの必需品だけを持たせ、足りないものや必要なものについて検討しましょう。
また、ガレージセールを利用したり、親戚や友人からお下がりをもらうのもいいかもしれません。
これは、体型が合えばの話ですけどね。
洋服にお金をかけなければ、本など、学生生活を送る上で、もっと必要なものを買うためのお金にまわすことができるようになります。
5. お子さんが利用する銀行口座もよく検討しましょう。
あなたも利用できるオンラインバンキングなどを利用するのはいかがでしょうか?
子どもの支出がすぐにわかるような銀行口座を利用するようにしましょう。
6. 銀行口座を一方的にチェックするだけでは、うまくいかないでしょう。
毎月、E-mailや手紙で、お子さんと月々の支出について話し合うことも必要でしょう。
あなたから一方的に話すのではなく、お子さんからの話もよく聞くようにしましょう。
7. また、1年生から2年生に進級するときは、予算の見直しが必要です。
物事は移り変わるものです。
お子さんの状況も変化していることでしょう。
また、インフレーション、ニーズ、あるいは仕事の予定などでも変わってきます。
できることなら、お子さんにはアルバイトをさせることをおすすめ
します。
おこづかいができるだけでなく、お子さんに社会経験をさせることができ、将来、職業につく機会も広がります。
第7章 老人介護費用の予算作り
ご両親も高齢化してくると、介護の問題が出てきます。
そうなると、ご両親とあなたの経済状態がまた、重要な問題になってきます。
いつまで続くかわからない介護は、お金の面での不安がつきものです。
しかも、現在の社会状況も決して明るいとは言えない状況にあります。
トラブルの元にもなれば、支えにもなるお金について、老人介護費用の視点から考えてみましょう
ご両親が一人暮らし、あるいはあなたと一緒に住んでいる場合でも、介護を受けている場合でも同じです。
この章では、家族生活の形態に関わりなく、老人介護費用の予算について考えてみます。
必要な点
1. ご両親の財産を守っていきましょう。
ご両親と一緒になって、お金や経済状況について、腰をすえてじっくり真剣に考えてみる必要があるということです。
ご両親の財産を無駄に使うことなく、介護も含めて有効利用できる道を検討するのです。
2. 現在ご両親が持っている貯蓄や投資金を整理し、必要なときに役立てる権限を、あなたが得られるようにしましょう。
介護の手が必要になったとき、介護用の財産を守る上で、あなたに権限があるかないかが、重要な意味をもつようになります。
あくまでも、ご両親の財産を守るための、あなたの権限ということになります。
3. ご両親とじっくり腰をすえて長期的なプランを立てるようにしましょう。
あなたに兄弟姉妹がいる場合は、このプランを立てる際に、参加してもらいましょう。
ご両親と意見が食い違う場合でも、できるだけ希望に沿うようにし、お互い納得のいくように話し合いをしていきましょう。
兄弟姉妹に対しても同じです。
4. ご両親の介護費用については、その介護にかかわってくる全額の予算を立てましょう。
ここで、忘れてはならないのが、介護にはいろいろオプションの金額があるということです。
それらの漏れがないようにしましょう。
5. ご両親が同居を希望している場合には、その予算も組むようにしましょう。
後々のトラブルを避けるためにも、ご両親の希望やあなたの事情について、事前によく話し合っておくことが重要です。
あなたは、ご両親に家計の支払いも分担して欲しいと思っているでしょうか?
それとも、全額ご自分で負担されますか?
在宅ケアが必要なら、この支出をご両親が少しでも負担できるのか、ご自分で全額負担するのかも考えておかなくてはなりません。
もし、ご自分で全額負担しなければならない場合には、退職金や預貯金、家計費などから捻出することも考えておく必要があります。
もし、ご両親と一緒に、年に何回かは家族旅行もしたいとお考えなら、その費用もご両親と分担するかどうか決めてください。
6. ご両親が、あなたとは別に自分たちだけで暮らしている場合には、予算計画を立てるのを、あなたが一緒に手伝ってあげましょう。
ご両親の現在の支出状況や、将来的にかかるであろうと思わ
れる費用を全て、ひとつひとつリストアップしてみましょう。
そして、それぞれの項目が本当に必要なものなのかどうか、よく検討しましょう。
予算計画を立てるときには、世の中の経済状況も影響してき
ますから、インフレーションなどについても考慮に入れましょう。
年配のかたは、決まった予算で生活するのが難しい場合もあります。
ですから、予算には多少余裕をもたせておいたほうが良いでしょう。
7. ご両親から家計のやりくりを頼まれたなら、ご両親の財産については、あなたとの共同所有という形にするのが望ましいと思います。
ご両親が所有する不動産証書や銀行口座に、あなたの名前も追記しましょう。
何か非常事態が起こったときにでも、あなたが共同所有していれば、すぐに対処できます。
将来的にご両親に不幸があった場合でも、財産を共同所有していれば、あわてることはありません。
もし、巨額の相続税などの支払いがかかったとしても、役立ちます。
8. 将来について、いろいろと決めていかなければならないことが多いものです。
その決断をする前に、それぞれの事柄に対して、考えられる選択肢を全てご両親に示してあげることが重要です。
その選択肢の中から、最良のものを選べるように、腰をすえて話し合いましょう。
ここで話し合うことによって、お互いに悔いが残らないようにしなければなりません。
ここで手を抜くと、後々もめる原因にもなってしまいます。
9. 最後に、ご両親の予算でも、あなたの予算でも、どちらにしても我慢だけの苦しい予算計画になってはいけません。
予算は、あくまで生活に役立て、ゆとりのあるくらしをするためのものであり、あなたやご両親を苦しめるものであってはならないのです。
旅行や娯楽のための「娯楽費」を、予算計画に含めるのを忘れないでください。
楽しいこともあるということで、予算を守っていこうという気持ちも生まれるものです。
高齢の家族のために予算計画を立てる際には、考慮に入れておかなければいけないことがあります。
ここで、その注意やヒントを挙げてみましょう。
1. 会計士や弁護士などに現在の会計問題を相談し、高齢の家族のための予算計画を見積もってもらうのもおすすめです。
2. 将来的な介護の問題というのは、誰もが避けては通れないことです。
そして、一口で介護といっても、その方法にはさまざまな選択肢があります。
ご両親の要介護の程度によっても、いろいろと変わってくるものです。
介護の方法を決定する前に、それぞれの方法についてどんなさまざまなオプションがあるのか、検討しておかなくてはなりません。
高齢の家族には、その人の望む介護を受けてもらうことが不可欠です。
ご両親はどんな介護をお望みでしょうか?
お互いに納得がいくまで、よく話し合いましょう。
3. 高齢の家族には、高齢者が受けられる割引を利用するよう薦めましょう。
高齢者が受けられる割引は、各自治体によってさまざまあります。
あなたが、調べて教えてあげましょう。
4. 予算作りにできるだけしっかり取り組んで、赤字にならないようにしましょう。
高齢になったとしても、それからの人生はまだまだ長いものです。
その長い人生のために、赤字ではなく、余裕を持って生活できるような予算にしていきましょう。
5. 高齢の家族には、現在持っている重要書類や計算書類を全て教えておいてもらいましょう。
そうしなければ、緊急事態が起きたときに、あなたは何も対応できないことになってしまいます。
教えておいてもらえば、すぐに利用できます。
もしもの時にも、あわてることなどなく対応できるでしょう。
6. 最近は、振り込め詐欺など、高齢者を対象にした事件が多く起こっています。
高齢の家族には、電話や玄関先で、金融情報を人に話したりしないように伝えることが重要です。
苦労して稼いだお金を、お年寄りから詐欺で巻き上げようと手ぐすね引いている人が多いのです。
せっかく余裕のある予算計画を立てても、その基本となる貯蓄を詐欺で盗られてしまっては、どうにもならなくなってしまいます。
振り込め詐欺などの手口について、高齢の家族によく理解してもらうようにしましょう。
万一、詐欺の電話がかかってきたとしても、高齢の家族が落ち着いて対応できるように、電話のそばに対応用のメモを貼っておくのも良いかもしれません。
そして、できれば多額の支払いや寄付をするなどといった場合には、前もってあなたに相談してもらうことにしておきましょう。
7. 最後になりますが、高齢の家族とは、経済状態についてよくよく話し合ってください。
これまで別々の家計になっていた場合には、最初は難しいでしょうが、これは必須です。
包み隠さず、経済状態のすべてをお互いに理解しあう必要があるのです。
とはいえ、将来的ないさかいを避ける意味でも、このような話し合いはあくまでも慎重に、相手を尊重したやり方でお願いします。
何も角と角を付き合わせるような話し合いをする必要はないのです。
あくまでも高齢の家族とあなたが、余裕を持って、幸せに暮らしていくための話し合いであることを忘れないようにしましょう。
第8章 1段組で予算を立てる方法
個人で予算を立てるのは、やはりまだ難しいし面倒だとお思いですよね?
確かに、家計簿をつけるのが全く初めてだった場合には、いきなり予算を立てろと言われてもたぶん無理だと思います。
家計簿は、お金の流れを掴むためにたいへん役に立つツールのひとつです。
毎月、毎年のお金の流れがつかめれば良いわけですから、家計簿の形式は何でも構わないと思います。
あなたの負担にならないようなシンプルなスタイルの家計簿が良いかもしれません。
そして、面倒な家計簿つけを、非常に簡単にできる方法があるのです。
家計簿をつけて予算立てする方法は、あなた次第で複雑にもなりますし、簡単にもなるのです。
中でも、一番簡単な方法は1段組です。
1段組の予算の立て方は、文字通りです。
支払いをするたびに、費用を1段1段ごとに書いていく方法です。
例えば、あなたの毎月の収入が200,000円で、月々の家賃が
60,000円だとします。
さらに、毎月20日に車の保険料の支払いが20,000円、10 日に水道代が10,000円とします。
その他に、食費や車のガソリン代が毎日かかってくるとします。
ここでは、わかりやすくするために、その他の経費は省いて考えてみます。
これら全ての支払いを、きちんと締め切りまでに済ますための方法を考えてみることにしましょう。
この時点でもう面倒になってしまったでしょうか? でも、面倒なことはありません。
1段組なら簡単です。
1段組では、その月全体の予算を書くのではなく、週単位でチェックします。
まず、1行目に受け取った週給を書きましょう。
ここでは1か月4週間として考え、月給200,000円ですから、週給は50,000円ということになります。
最初の行に、収入を50,000円と書き、その下から、その週にかかった費用を書いていきます。
先ほどの例ですと、家賃は週あたり15,000円(月60,00 0円の1/4)、車の保険代が5,000円(月20,000円の1/4)、水道代が2,500円(月10,000円の1/4)になります。
この金額を、それぞれ1段ずつ書き込んでいきましょう。
そのほか、食費や車のガソリン代を使ったときに、それぞれを1段ごとに書き込みましょう。
この方法の一番の利点は、1週間という短いスパンで、予算を管理できるということです。
週ごとに支払い金を分けておくことで、月々の支払いに必要な金額がいつのまにかなくなっているということはなくなりますから、安心です。
それぞれの支払日にお金を用意するよりも、銀行口座に置いておくほうが確実です。
週ごとに、もう使ってしまったお金として考えることができるので、支払日にそのためのお金が銀行口座にちゃんと残っているというこ とになります。
特に、仕事を持つ社会人にとって、わずらわしい思いをすることなく、簡単にできる予算の方法です。
この簡単な方法に従えば、支出がきちんと管理でき、家計が破綻することはありません。
きちんと生活費を管理して、自分の家計が破綻しないように心がけてください。
家計が破綻しないようにするためには、1段組で予算を管理する方法が一番です。
予算がうまくいけば、あなたの生活費管理だけでなく、あなたの人生に対する処し方もうまくいき、ストレスから解放されることでしょう。
ですから、ためらわないでください。
予算作りは、決して難しかったり、面倒だったりすることはありません。
今日からでも、この方法を始めてみましょう。
第9章 支出管理で予算はばっちり
毎月の収入はいくらか?何と何にいくらかかって、いくら余るのかを知ることが、予算の第一歩です。
予算内で収まる買い物ができるように自分をコントロールするために家計簿が役に立ちます。
家計簿をつけていれば、使い過ぎた場合には、月末に向けて財布の紐をしめることもできます。
そうしているうちに、自分の中に無駄使い防止の意識が芽生えてくるのです。
何に使ったか分からないけど、月末になるとお金が無いということはありませんか?
そのような場合も、気付いていないだけで、無駄遣いをしていることが多いのです。
家計簿さえつけていれば、何に使ったかわからないというような事態に陥ることはありません。
使い過ぎてしまったと思う月は、家計簿を振返ってみれば、自分の無駄遣いに気付くことができるでしょう。
自分の無駄遣いの実態を知ることで、次に無駄遣いをしそうになってもそれをコントロールできるのです。
つまり、これが「支出管理」です。
「支出管理」と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、そんなこ
とはありません。
まず、「支出管理」とは何なのか、何のためにするのか、その意味をきちんと理解しておく必要があります。
支出について理解するためには、支出を全て記録する必要があります。
ますます難しいように思われるかもしれませんが、人生においては、もっと難しいこともしなければなりませんから、このくらいは大し たことではありません。
ここで弱音を吐いていては、予算管理も何もかも、全部あきらめなくてはならなくなりますよ。
もし借金をしているなら、借金の泥沼から抜け出すには、何かを犠牲にしなくてはなりません。
そして、「支出管理」は努力したらしただけの結果が必ず出てくるのです。
死ぬ気でがんばれば、家計のやりくりはできます。要するに、やる気があるかないかの差なのです。
ここでのがんばりは、必ず、より良い将来のための投資となるでしょう。
必ずやればやっただけの結果が出るものです。気合を入れてがんばってみませんか?
毎日の家計管理の中で、主要となる支出は次の品目になります。
固定支出
銀行からの毎月の自動引き落とし分の支出です。毎月ほとんど決まった額の固定の支出です。
中には、季節によって変動するものもありますが、年間でトータルに考えれば、毎年あまり変わらない支出になるでしょう。
・家賃:住居の賃料と、車を持っている場合には駐車場代もここに入れます。
・光熱費:電気代、水道代、ガス代です。
光熱費は季節によって増減しますので、注意しましょう。節約もできる支出です。
・通信費:固定電話と携帯電話の料金に、パソコンをやる人はプロバイダー利用料金も入ります。
・公共費:新聞代やNHKの料金などはこの項目に入ります。
・保険料:生命保険や車、火災保険などです。
・ローン:車購入などの大型ローンがこの項目です。
・クレジットカード:前月に利用したカードの支払い分です。
家計支出
家計簿に記入する必要のある、現金による支出になります。
必ずレシートをもらうことを忘れずに、最低1週間に1度は家計簿に記載していきましょう。
レシートをもらえない、自動販売機などでの支出は、メモをとっておくことをおすすめします。
これは、携帯電話のメモ機能を使っても良いでしょう。
・食費
外食やおやつなどを含めた食費です。
できるだけ外食をしないで、家で食事をするように日頃から心掛けましょう。
毎日の自炊は大変かもしれませんが、外食にはけっこうお金がかかってしまいます。
さらに、毎日の昼食にはお弁当やサンドイッチを買うのではなく、自分で作ったお弁当を持って、職場へ出かけるようにしてみましょう。
毎日、職場へ手作りのサンドイッチやお弁当を持っていき、会社のお茶やコーヒーを飲めば、月々で3万円以上もの節約ができるでしょう。
昼食代で3万円浮かすことができれば、他の楽しいことにそのお金をまわすことができます。
3万円で、定期的にしゃれたレストランへ行ってみるのも、良いと思いませんか?
この楽しい目的のためなら、節約してみるのも悪くないのではないでしょうか?
また食費は、その中をさらに「外食」「嗜好品」「お米代」「その他食費」の4項目くらいに分類して記帳していくことをおすすめします。
1年間を通しての支出管理をする時は、全てまとめて食費で十分ですが、月々の管理では無駄をわかりやすくするためにも、項目分けしておくと良いでしょう。
どの月が外食が多かったのか、お米を買っているサイクルなども、すぐにわかるようになります。
・被服費
洋服は、何を買うのかを決めてから、お店に出かけるようにしましょう。
お店に着いてから、考えを変えるのは一番やってはいけないことです。
ジャケットに穴があいてしまったとか、流行おくれで着られなくなってしまったなどの理由があって、新しいものがどうしても必要だという場合にだけ購入するようにしましょう。
そして、必要なもの、買うと決めていたものだけを探すようにしなくてはいけません。
他の服を見たりしてはいけません。
衝動買いをしてしまうことになり、無駄遣いの元になってしまいます。
買うと決めていたものだけを持って、よそ見をせずにレジに急ぎましょう。
・娯楽費
楽しいことは、誰でも大好きでしょう。
娯楽費はできるだけ多くしたいと思うでしょう。でも、一番節約できるのも、この娯楽費です。
もちろん、誰にでも娯楽は必要ですが、もし借金がある場合には、少なくとも月にひとつは、娯楽費を削ってみる努力をしなくてはいけません。
そのためには、好きなことをする回数を、少なくとも1回は減らさなくてはなりません。
娯楽費はレジャーや旅行の他に、映画やコンサートへ出かけるとか、友人と食事に出かける、会社の飲み会、野球の観戦などが対象にな ります。
まずはできるところから、ひとつ削ってみるといいでしょう。何もすべてをやめる必要はないのですから。
・車のガソリン代
昔に比べてガソリン代が上がり、1リッターあたり120円程度します(2009年12月現在)。
車のガソリン代は、家計の中でもかなりの大きな部分を占めるものです。
そうなると、この車のガソリン代の部分を見直してみることも必要
です。
そこで、まずは燃費の良い車を選びましょう。それだけでも、かなりの節約になります。
また、同僚が近所に住んでいる場合は、乗り合わせをするなど、ガソリン代が浮く方法も検討しましょう。
通勤を公共の交通機関に変えることができるなら、それも検討したほうがいいかもしれません。
・医療費
この支出だけは、節約することができません。
これを節約して命にかかわることがあっては、まったく意味がありませんから。
定期的にかかる費用はもちろんですが、突発的に必要となる場合もあるでしょう。
冬場には風邪もひきやすくなりますから、医療費がかさむこともあるかもしれません。
冬場には、少し多めに予算を取っておいたほうがいいかもしれません。
市販の薬を買うよりは、保険がきく病院に行ったほうが安くすむことが多いです。
そのあたりは賢く利用しましょう。
・教育費
子どもがいる場合には、もちろんその子どものための教育費がかかります。
まだ学校にあがる前には、おむつやミルク代と、子どもにかかるお金もなかなか節約できない項目です。
また、子どもだけではなく、自分が習い事をしたり、セミナーに行く費用も、この教育費になります。
自分への投資は、将来の収入をアップさせる可能性があるのですから、あまり惜しんではいけません。
本当に自分への投資になるかどうか、よく検討した上で、受けるようにしましょう。
・一般経費
一般経費は、雑費ともいいます。
ティッシュや洗剤などの生活用の消耗品から、洗車したいとか、新しいテレビゲームを購入したい場合などの出費が、この一般経費にあたります。
この一般経費については、あなたが本当に必要なのかどうかを決めることができます。
日々のくらしの中で、突然何かを衝動買いしたくなったとしましょう。
そのときには、そんな自分をできるだけ止めるようにしてみてください。
何度か考えて本当に必要なものなのかどうかを検討してみるようにしましょう。
この費用は、あなたが管理できる一般経費なのです。
本当に必要なものだけを購入するようにしていきましょう。
・特別支出
家電や家具などの大きな出費や、予想のできない慶弔費などが、この特別支出です。
予算ではこの特別支出分のゆとりを持たせていないと、家計が破綻してしまいます。
また、この特別支出を捻出できるように、他の項目でできるだけ節約していきましょう。
使わなかった特別支出のためのお金は、当然、貯蓄にまわすことができます。
もしあなたが今、借金や支出を本気で減らしたいとお考えなら、いくつかの基本ルールに従って生活していかなくては、うまくいかないでしょう。
ちょっとした無駄を省くという努力をするだけで、借金の返済どころか、毎月、かなりの額を貯蓄することまでできるようになるのです。
そのためにも、あなたがしっかりと支出を管理していく必要があるのです。
何が無駄で、何が必要なのか、その支出を検討し、無駄を省いて、賢く貯蓄していきましょう。
第10章 結婚式の予算作り10のポイント
人生で最も大きなイベントと言ってもいいのが、結婚式だと思います。
結婚は、結納からはじまり、すてきなウエディングを挙げるための素晴らしい結婚式場、新婦のためのウエディングドレス、結婚式の二次会、一生の思い出に残るハネムーンなど、夢のようなイベントが数々あります
しかし、それぞれにかかる費用はたいへん高額です。
結婚式の費用や経費について、しっかりとした予算計画をたてることで、最高の結婚式だったといえるようにしたいものです。
リーズナブルな予算を立てるには、まず自分の懐具合を知る必要があります。
結婚式に使える金額がわからなければ、予算を立てることができません。
出せる額を把握した上で、結婚式のどの部分にお金をかけるかを決めましょう。
何も予算が多くなければ、つまらない結婚式になってしまうといものではありません。
予算が少なくても、すばらしい結婚式を挙げることはできるものな
のです。
逆に、お金がかかっていても、あまり心にも残らない平凡な結婚式になってしまうこともあるものです。
ひとつひとつ項目を検討して、賢く予算を立てれば、費用を抑えることは可能です。
前もって予算をきっちり立てて、すばらしい結婚式になるようにしましょう。
結婚費用の予算の立て方については、次の10ポイントを参考にしてください。
1.オフシーズンに結婚式を行いましょう。
現在、結婚式の70%が、6月と11月に行われているようです。
よくいわれる結婚式シーズンですね。
結婚式シーズンは、春や秋といった過ごしやすい気候の時期になります。
春は4~6月で、特に6月はジューンブライドですから、たいへんな人気の月です。
秋は10~11月です。
そこで、ちょっと考えてみてください。
同じ時期に同じ場所で挙式したい人が多ければ、場所代、リム
ジン代、花代など、結婚式で必要となる費用も跳ね上がるわけです。
しかし、「オフシーズン」の挙式なら、さまざまなサービスが受けられます。
結婚式の「オフシーズン」は、暑さや寒さが厳しい盛夏や真冬です。
2月と8月が「オフシーズン」のピークとなり、この時期は、結婚式の数が減少するので、割引率も高くなり、お得なパックプランも登場するのです。
ただし、「オフシーズン」だからといって、12月から新年を過ぎた頃までは避けましょう。
この時期は、ホテル、ケータリングサービス、そしてバンドなどが、クリスマスや忘年会、新年のパーティーで忙しいからです。
そこで、結婚式は1月の末から、2月、3月にしてみてはいかがでしょう。
ただし、バレンタインデーの週は、避けたほうが良いかもしれません。
2.早い時間の結婚式もご検討ください。
標準的な結婚式なら、最大の費用は、披露宴の食事と飲み物代です。
通常、結婚式の料理はフルコースで、お酒などの飲み物は別料金になっています。
そこで、結婚式の開始時間を午後ではなく、午前中にしてみることを検討しましょう
ブランチなら、一般的な結婚式ディナーよりはずっと費用が少なくて済みます。
午前中からお酒をたくさん飲む人は少ないでしょう。
3.場所代の安いところを選びましょう。
挙式と披露宴の場所もよく検討しましょう。
挙式と披露宴の場所に融通がきくようなら、その分節約できます。
例えば、ご両親が近所の教会やユダヤ教の礼拝堂の会員なら、挙式の場所代が節約できます。
遊園地や市立の歴史的な建物を使えば、驚くほど安く済む場合もあります。
レストランでの披露宴も、最近では非常に人気があり、結婚式用の施設も併設しているレストランがたくさんオープンしています。
また、考えをまったく変えて、自宅で結婚式をするのもよいかもしれません。
手作り感がいっぱいの、心温まる結婚式になるかもしれませんね。
ただし、自宅にレストルーム、いす、照明器具がない場合は、かえって割高になることもありますので、注意しなければなりません。
4.標準的な花嫁衣裳を選ばないでください。
花嫁衣裳は、白でなければいけないという決まりはまったくありません。
ここ最近、ブライダルウェアとフォーマルウェアの境界がなくなってきています。
近くのデパートの婦人用イブニングウェアコーナーで、自分に合ったドレスを選んでも良いでしょう。
花嫁介添人用ドレスのコーナーで、衣装を見てみるのもおすすめです。
花嫁介添人用ドレスは、手ごろな値段で買えますし、白かアイボリーのドレスも多いようです。
あくまでも、標準的な花嫁衣裳にこだわる必要はひとつもないのです。
逆に、個性的なすてきな式になる可能性があります。
また、洋裁ができるなら、手作りのウエディングドレスも良いでしょう。
結婚式に、さらにひとつすばらしい思い出ができることと思います。
5.結婚式のデコレーション
結婚式のデコレーションは、ひとつひとつに細かく金額設定されているものです。
ほんのちょっとしか使わないものに、お金をつぎ込むことはありません。
できるだけ招待客の目につきやすいものに、お金をかけましょう。
教会や披露宴の花代は、意外とかかるものですから、できるだけ安くあげる工夫が必要です。
フラワーアレンジメントの代わりに、キャンドルを使ってはいかがでしょう?
キャンドルなら、低予算でも、ドラマティックな演出ができます。
また、花の咲き乱れる庭園や、景色の良い浜辺なども良いでしょう。
もともと自然のデコレーションがあるわけですから、装飾があまり必要ありません。
6.季節の花や、地元ならではのものを利用しましょう。
先ほども述べましたが、結婚式のコストで意外とかかるのは花代です。
そこで、できるだけ安く済ませるように花屋さんにお願いしてみましょう
そうすれば、かなり費用は抑えられると思います。できれば、薔薇や蘭を使うのはやめましょう。
結婚式にはよく使われる花なのですが、薔薇や蘭はかなり高価です。
また、白い花も避けたほうが無難です。
白い花は、傷みやすく、花屋のアレンジにも時間がかかってしまう場合があります。
季節の花を使えば、安くできるでしょう。
また、地元特産の花があるなら、それを利用するのもいいでしょう。
7.テーマを決めて、それに合わないものは片付けましょう。
テーマを決めるのも、コスト削減や予算改善に大いに役立ちます。
デコレーションから衣装など、すべてテーマのもとに決めていけば、いろいろ使いまわしもできて、コストを削減できるのです。
そして、テーマに合わないような装飾は、すべてカットしてしまえばよいのです。
ひとつの筋の通ったテーマがあれば、多少カットしても、寂しくなることはないでしょう。
8.友人や家族にも、才能を発揮してもらいましょう。
親しい人にも、コストを抑える方法をどんどん尋ねてみましょう。
特に既婚者なら、すでに自分の結婚式で経験していますから、晴れの日のための節約テクニックをいろいろとご存知なはずです。
節約のために、お手伝いしてもらえると思います。
自分では思いもよらなかった節約のヒントを手に入れることができるのではないでしょうか。
おめでたい日のために役に立つことなら、誰もが積極的に協力してくれることと思います。
ですから、どんどんアドバイスをもらえるようにお願いしてみましょう。
9.お客様にかける費用を削りましょう。
招待客の人数は、できるだけ減らすような努力をしてみましょう。
これはなかなかつらい作業だとは思いますが、簡単にコストを下げることができる方法です。
晴れの日に最もコストのかかる部分は、披露宴の食事とお酒などの飲み物の料金です。
つまり、招待客の人数が増えれば、それだけコストが膨らむことになるのです。
ですから、5年以上会っていないような人を披露宴に招待するのはやめましょう。
会社関係も、直属の上司と同僚程度にして、社長まで招待するのはやめてみましょう。
自分が本当に招待したい人だけを、厳選するようにしてみましょう。
親しい友人と家族程度の、内輪の小ぢんまりとした式にするのも良いでしょう。
かえって、思い出に残る良い結婚式になるのではないでしょうか。
10.結婚式の計画作りに、無料オンラインリソースを利用しましょう。
無料で使えるオンラインプランニングツールがたくさんあります。
インターネットで探してみれば、実にたくさんあることがわかると思います。
このツールを使ってタイムテーブルを作成しておけば、約束や締め切りに関して、E-mailで送信してもらうこともできるのです。
ですから、忙しい結婚式前にやることを忘れていたなんていう危険を回避することができます。
このツールでは、招待客の管理もできます。
出欠の管理も面倒なものですが、このツールを使えば簡単です。
どうですか?
晴れの日の予算も、ちょっとした努力で無駄を省くことができるの
です。
しかも、逆に、ハートウォーミングで心に残る結婚式になる可能性もあるのです。
考え方をちょっと変えて、予算をうまく使うようにしてみましょう。
第11章 新しい家族を迎えるための予算の立て方
多くの夫婦にとって、結婚後の最大の関心事のひとつは、家族計画ですね。
でも
「赤ちゃんができたら、いくらかかるのかしら?」
「出産にかかる費用はどれくらい?」みなさん、そう思うでしょう。
人生の中でもうれしい悩みではあるのですが、とはいえ、出産にかかる費用は、この先、出産のたびに繰り返し必要になってくるものです。
また、生まれてくる赤ちゃんのための準備としては、ベビー用品や子ども部屋の内装が挙げられます。
しかし、この費用は、必要に応じて予算をカットすることができます。
子ども部屋の内装と一言でいっても、やり方によってかかる費用は変わってきます。
業者を入れて内装をやってもらえば、何十万円もかかってしまいま
す。
しかし、ちょっと想像力を働かせてみてください。
業者にお願いすることを、ひとつひとつ自分でやっていけば、たった数万円程度で、簡単に夢のようなお部屋ができあがってしまうのです。
ベビー用品については、お下がりをもらえそうな話には、しっかり注意してください。
ちょっと前に出産した友達がいれば、赤ちゃんはすぐに大きくなりますから、着られなくなった洋服がもらえるでしょう。
もっと前に出産した友達なら、ベビーベッドやベビーカーをもらえるかもしれません。
ぜひリサーチしてみましょう。
また、インターネットで広告やオークションを探し、必要な品を手に入れても良いでしょう。
かなり安い金額で、必要なベビー用品を揃えることができると思います。
例えば、おむつ替え用に古いテーブルをゲットできたなら、ペンキで色を塗り直して使ってみましょう。
そのときには、子ども部屋の内装とコーディネートすることをおすすめします。
中古品とは思えないすてきな仕上がりになると思います。
チャイルドシートやベビーカーは、バーゲンなどで探してみましょう。
もちろん、お下がりをもらったり、中古品を購入してもかまいません。
しかし、チャイルドシートやベビーカーは、赤ちゃんの命に関わるものです。
製品の安全性をよく確認して、十分に使えるものを入手してください。
友人や家族に出産予定の人がいれば、ベビー用品を共有するのもいいでしょう。
例えば、あなたがバウンサーを購入し、相手にはスウィングを買ってもらうのです。
そうすれば、必要に応じて貸し借りできます。
ベビー用品は、それぞれ数ヶ月くらいしか使わないものですから、共有したとしても、それほど汚れたり傷んだりする心配はありません。
以下のような繰り返しかかる費用をチェックしましょう。
月々の予算を、この項目ごとに割り振って立てていかなくてはなりません。
1. ミルク、離乳食
2. おむつ
3. 服
4. 健診費用
5. おもちゃ
この中では、粉ミルク代と紙おむつ代が、意外と大きな出費となります。
ガイドラインによれば、紙おむつとおしりふき代が、月7,500 円程度、粉ミルク代が月9,000円程度かかります。
この紙おむつと粉ミルクを、母乳と布おむつにするだけでも、かなりの節約になります。
母乳は、もちろんただで手に入るものですね。
布おむつの場合も、繰り返し使うことができますから、年間14, 000円程度で済み、大変経済的です。
エコにもなりますね。
固形物を食べられるようになったら、離乳食を考える必要があります。
既成のものを使うか、手作りするかを、よく考えて決めておきましょう。
離乳食を手作りするのは、もちろんお金の節約になりますが、それだけではありません。
離乳食は簡単に作れるものですし、市販のびんづめのベビーフードよりもずっとおいしくできると思います。
ここで、今まで購入していたものに加えて、赤ちゃん用の野菜、果物、穀類を買う必要があります。
もちろん、大人が食べるものを利用して作ることのできる離乳食もあります。
赤ちゃんのために離乳食を工夫していくのは、きっと楽しいことだと思います。
いつも新しい服を買うのではなくて、お下がりや中古品を利用しましょう。
せっかく新しい服を買ってあげても、子どもはすぐに大きくなって、着られなくなってしまいます。
そして、子どもの服は、意外と高いものです。
教会のリサイクルや、地域のチャリティショップで買い求めると良いでしょう。
また、ちょっとだけ大きい子どもがいる友達がいれば、自動的にお下がりをもらうことができます。
そんな友達がいないか確認してみましょう。
また、赤ちゃんのおもちゃに関しては、赤ちゃんが一番関心を示して遊んでくれるものですから、よく考えて買い与える必要があります。
ただし、中には見ているだけのおもちゃもありますが。
インターネットで調べてみれば、無料で手に入る場合も多いので、活用しましょう。
できれば、気に入ったベビー用品サイトに登録するのもいいでしょう。
クーポンを受け取ることができます。
もうおわかりだと思いますが、赤ちゃんができると、それにともなって家計の負担が増えますが、愛情さえあれば多少お金をかけなくても大丈夫なのです。
愛情はただですよね。
赤ちゃんを育てる覚悟さえできていれば、お金がなくても大丈夫です。
お金の節約はしっかりと、愛情は節約なしにたっぷりと。
終わりに
今まで見てきたように、予算を立てて家計管理をすれば、必要なときにお金がないことから起こるストレスから解放されることになります。
家計を正しく管理することで、経済的に破綻して苦しい思いをすることも避けられます。
予算さえ立てれば、家計をうまくやりくりしていくことができるのです。
予算を立てることは、そんなに面倒なことではありません。そんなに難しくもありません。
予算作りに関する情報は、この本やハウツー本など、さまざまなソースで調べられます。
しかし、うまくいく予算作りをするためには、心がけなくてはならないことがたくさんあります。
1. 目標を決める
まず予算を立てる前に、自分なりの目標を決めることが大切です。
「家が欲しい」「ローンの繰上げ返済がしたい」「子どもの学費を貯めたい」など、何でもかまいません。
明確でより現実的な目標がある人は、家計管理に対する意識も
高く、予算計画も工夫できるようになります。
2. 個人の生活予算
予算は、一定期間内に必要な物を買うお金をやりくりするプランです。
収入、借金、貯金、その他資金といった品目もすべて含まれます。
お金の使い方をチェックするだけで、あなたの生活も変わってきます。
自分の支出のクセを知ることで、さまざまな無駄を省くことができるようになります。
個人の生活予算を立てることで、最終的には貯蓄も増え、将来的に安定した生活が望めます。
3. 予算作りのヒント
自分のライフスタイルを変えるための予算作りの方法は、たくさんあります。
その方法については、この本の最初の部分で触れていますから、もう一度確認してみてください。
しかし、それは収入の10%を自動的に貯蓄するという方法だけでした。
それと同じように、財布の中身も節約できればいいと思いませんか?
それでも結局は、家計に関する予算を立てて、実行することが重要なのです。
家計に関する予算を立てれば、お金の使い道に責任を持つことができ、使いすぎたり、無駄遣いしたりしないように、自分で管理することができるようになります。
予算を立てる、その義務を自分に課すことは、けっこう厳しいことかもしれません。
でも、安定した生活を送ろうと思えば、このくらいの先行投資をしてもいいと思いませんか?
~終~
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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