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治療の種類

何でもかんでも葛根湯(かっこんとう)を
勧めるやぶ医者をやゆするこばなし。

葛根湯医者。

江戸時代のこと。

町医者に行き、「先生、頭が痛いんですが」
「おいら、腹が痛いんで」と申し出ると、
「ああ、頭痛なら葛根湯を飲みなさい」
「腹痛? それなら葛根湯をおあがり」
ってなぐあいで、
どんな病気でも“葛根湯”を
処方されていたそうだ。

しまいには、
この町医者、足が痛い人にでも、
目の悪い人にでも葛根湯を飲ませるほど。

「はい、次はそちらの方」
「いえ、私は付き添いとして来ただけで」
「まぁ、いいから葛根湯をおあがり」
なぁんて言うものだから、
この町医者は“葛根湯医者”と
呼ばれるようになったとか。

やみくもに葛根湯を
使っているようだが
実はまんざらでもない。

葛根湯という漢方薬は、
色々な症状の患者に使う事が
できる。

新型コロナでも、一時的に
葛根湯証を現す時がある。

今日の話は、
病に至るプロセス(原因)
ついて掘り下げてみよう。


中国最古の医学書と言われる皇帝内経素問。

単なる読み物としても面白そう。

皇帝と岐伯先生の会話形式で物語はすすむ。

皇帝内経素問:異方法宜論より

皇帝曰く
「同じ病気だと思っても患者によって
治療法が異なる。
それでいて良く治るのはなぜか?」

岐伯。
「成人は各種の療法の長所を生かし、
病気によって使い分ける。
また同じように見える病気でも
原因が違うから。
その原因によっても使い分けるのだ。」

皇帝内経素問

この岐伯先生の答えは
我々も参考にすべき言葉だと
思います。

現代も各種の刺鍼施薬の方法が
あります。

その患者の状態によって使い分ける
べきです。

古典医学の基本的な考え方が
ここにあります。

岐伯先生が説明した
各地の治療法を簡単に
紹介しよう。

東方の国

東方の国は海岸が近い。

魚や塩分の多い物を多食する。

塩分が多いと血が粘り、
皮膚が荒れやすく、
顔色は悪くなる。

血がねばると腫れものができやすい。

砭石(へんせき:メスの一種)で
切開してやる。

切開術、瀉血療法は東方の国で発達した。

西方の国

西方の国は砂漠地帯で丘陵が多い。

獣肉を常食しているので
脂肪太りになっている。

風邪などになることなく、
肉食による内の病気が多い。

この時は漢方薬を服用させて治す。

漢方療法は西方の国で発達した。

北方の国

北方の国は高原地帯で寒い。

遊牧民族が多いので乳製品を
多食し内臓を冷やす。

この時はお灸療法で治す。

灸療法は北方の国で発達した。

南方の国

南方の国は高温多湿の土地である。

果実や酸味の物を多食する。

酸味が多いと筋の麻痺や
引きつる病気になる。

この時は針で治療する。

鍼療法は南方で発達した。

中央の国

中央の国は平地で気温も適当である。

なんでも産出されるから、
住民はなんでも食べることができる。

肉体労働をすることもないから、
冷えのぼせや手足にちからの
無くなる病気になる。

この時は導引やあんまで治療する。

いかがだろう?

方角や地域はどうでもいいのだ。

AさんとBさんが、
病に至る原因が異なれば、
同じ症状であっても、
AさんとBさんの
治療方法(漢方薬)はおのずと
異なるという事が、
ご理解いただけただろうか?

逆もある。

AさんとBさんが
病に至る原因が同じで、
AさんとBさんの
症状が異なっていても、
治療方法(漢方薬)は
同じものになる。

実際に、わたしのところでも
年齢、性別、体質や症状が違っていても
症状に至った原因が同じであれば
同じお薬やサプリメントを
提案することはよくある事だ。

残暑が厳しい折、熱中症など
さまざまな症状でお困りの方が
いらっしゃいます。

暑邪にあたって
体調を乱した方には、
「牛黄(ごおう)」がとてもよく効きます。

わたしも葛根湯医者のように
「牛黄屋」と揶揄されぬよう
気を付けなければ。

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🦓 シロ / 漢方相談薬局|note

漢方の奥深い世界に触れたことで、ますます興味が湧いていることと思います。漢方には、体質改善や健康維持に役立つ素晴らしい効果があります。ぜひ、漢方を学び続け、自身や周りの人々の健康に役立てていただければ幸いです。 今後とも、🦓シロ/漢方相談薬局にご期待ください。