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修学旅行でラフティングが中止になってよかった?

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

最近、地震があり、台風があり…。自然による災害が立て続けに起こっていますよね。災害があると思い出す話…。

修学旅行でラフティングが中止に!

以前の勤務校では、修学旅行のメインの活動として「ラフティング」を導入していました。ラフティングは、グループごとにボートに乗り、みんなでオールを漕ぎながら川を下るアクティビティです。これ、すごく楽しいんですよね。修学旅行の下見で初めてやったんですが、川を下っていくスリルと、そこで出てくる障壁をみんなで協力して回避していく楽しさ、そして流れの緩い所では水に入って思いきり自然を満喫できるところ、そこにガイドさんの盛り上げが加わり、大人だけでも全てを満喫して大盛り上がり!ラフティングを導入した1回目の修学旅行本番では、無事に実施することができ、子どもたちはそれはそれは大満足で、全員がニコニコして最高の思い出になりました。

そして迎えた2回目のラフティング修学旅行。再び訪れた下見ではこんなことを言われました。
「ラフティングは水のアクティビティ。どうせ濡れるから、雨が降っても特に影響ありませんよ。99%中止はないですね。あるとすれば、よっぽど台風が来て、濁流になったときくらいかな…。」

修学旅行当日、まさかその1%を引き当てるなんて…。まさかの台風による濁流…。川を見ると、まっ茶色…。下見で見た澄んだ川とは別物でした。水の勢いも凄まじく、倒木が流れている…。どう考えても、実施不可能な状態でした。その日は、仕方なく屋内でできる活動ということで、ろうそく作りをしました。ラフティングにわくわくしていた子どもたち…。その顔には、明らかな落胆の色が見えていました…。

その年の卒業アルバムで…

1人の子がこんなことを書いていました。
「修学旅行で楽しみにしていたラフティングが中止になりました。その時は本当に残念で、なんでろうそくなんて作っているんだろうと思いました。でも、今では、修学旅行でラフティングが中止になってよかったと思っています。なぜかというと、ぼくは修学旅行で作ったろうそくに助けられたからです。」

大きな地震でブラックアウトに…

その年の秋頃、その地域で大きな地震がありました。幸い震源地からは離れていたため、揺れによる直接的な被害はなかったものの、発電所が影響を受け全域でブラックアウト。停電なんて、まあすぐに復旧するだろう…なんて甘く考えていましたが、丸2日続きました。夜に電気がない…。いつ電気が復旧するか見通しが立たない…。あんなに不安な夜はなかなかないですよね。私の家では、キャンプ用のランタンを吊り下げて静かな夜を過ごしました。

そう。卒業文集を書いた子は、この夜に修学旅行で作ったろうそくを使用したそうです。そして、その火を家族で眺めながら、いろいろな話をして不安なはずの夜を、楽しく乗り切ったそうです。

「どこで、何がつながるかはわからない」

卒業文集に書いてあった文です。まさに「どこで、何がつながるかはわからない」。一見、修学旅行で楽しみにしていたアクティビティが中止になる…というマイナスな出来事も、ブラックアウトから救ってくれる救世主になる!

人生、全てそう。
一見、マイナスな出来事・経験が、その後役に立つこともある…。
一見、遠回りしたあの時があったからこそ、今の自分がある…。
無駄なことなんて、1つもない。そんなことを学ばせてくれる出来事でした。

皆さんは、そんな経験ありますか?


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