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体育の先生は立ち位置にこだわる

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

私は、体育が専門なのですが、体育って他の教科と違って体育館やグラウンドなどの広いところで活動します。また、屋外のグラウンドとなると天候の影響を受けることに…。

例えば、日差し。晴れの日の体育の授業で、先生が指示を出す場面。ここでもし、先生が日差しを背に受けて子どもたちに話していたら…。子どもたちは、まぶしくて、先生の話を聞くどころではないですよね。そこを意識して、子どもたちが日差しを背に受けるように、先生が立ち位置を調整します。

例えば、体育館での跳び箱の授業。跳び箱は、怪我の多い種目なので、できる限り先生が視野を広く、全体を見まわしたい。そうなると、自然と、立ち位置が決まってきます。

このあたりは、体育の先生としては、初歩の初歩。体育の先生は、安全面の配慮が必要なため、立ち位置にこだわります。

立ち位置は、体育の授業以外でも大事!

立ち位置を工夫することで、全体を見渡し、気を配ることができる。これは、体育の授業に限ったことではありません。

①運動会のスターターで…

運動会のスターター(ピストルを打つ役)の役割は、けっこう多いです。
1.走る人が全員揃っているか?
2.全員が走る準備OK?(くつ紐やマスク、体調などの安全面)
3.スタート位置を踏み越えていないか?
4.フライングしていないか?
5.順番を待っている子の指導
これを一瞬で見極められる位置に立つ必要があります。スタート位置の真横だと、フライングは見極めやすくなりますが、手前の子しか見えないので、1~3が見えないですよね。逆に、あまり正面になるように立つと(スタート位置から5~10m付近で、コースの近く)、3.4が判定しづらかったりします。あれって、スタート位置からの距離、コースからの離れ具合によって絶妙に見やすい場所があるんです。他の先生が何気なくやってしまうことを、体育の先生はこだわって考えます。

②教室での立ち位置…

教室で子どもたちに話しかける時って、先生は真正面の教卓のところで話す…。そんなイメージがありますよね。でも、その場所って、意外と死角があるんです。両端の前の子が死角に入って、意外と見えない。そこに、目を配ろうと思って、頭を動かすと、逆側が死角に…。もちろん、授業中は黒板前で話さないといけないときがほとんどなので、仕方ないのですが、そういう時でも、できるだけ黒板まで下がって、子どもたちと距離をあけることで少しでも視界が広く、全体をとらえられるようにしています。

全体に指導しなくてはいけない…。全員にしっかり聞かせたいときは、斜め前から!子どもたちの正面に立つよりも、斜め前に立った方が、全員を一斉に視界にとらえることができます。だから、絶対に伝えたいことがある時は、あえてそこに移動して、全員に聞かせます。テストの試験監督も基本的にはその位置で、全員が視界に入るようにします。そして、目線がきょろきょろ動いている場合には即注意。もし、そこからでは判断できない不穏な動きの場合だけ、移動します。

そう考えると、教室内での先生の席をどこにすれば全体を見渡せるのか。仕事をしながらも、全体に目配りできるのかが見えてきますね。

③掃除の時に…

先生が見て回らなくてもきちんと掃除できるようにしたいのですが…。特に年度初めには、そうはいかないこともありますよね。先生が、きちんと見て、指導する時は指導しないといけない。今は、低学年なので、そうじは教室と、教室前の廊下。そんな時は、扉のところに立って声を掛けます。その立ち位置であれば、どちらも一瞬で見渡して、声を掛け、必要であれば指導することができます。

立ち位置にこだわることで、今までに見えていなかったものが見えてきます。全体が見えてくると、今度はその中で困りをもっている子を発見することができ、個別に必要な対応をすることもできますよね。

私自身、体育の研修で学んだり、経験の中から自然と身に付けたりしながら少しずつ立ち位置を意識するようになりました。逆を言うと、若い頃はそんなことを全く考えたことがなかった…。こんなことも、若い先生には伝えらえるのかも。

皆さんは、立ち位置でどんなことを意識していますか?「こういう工夫をすると、こんな効果がある!」ということがあればぜひ教えてください。私も一緒に勉強出来たらうれしいです。

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