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猫! 可愛い!

 ちょっとばかし気が滅入ることがあったので猫を抱っこしてしばし座る。

 ぎゅむっ! とやると猫キックをゲシゲシお見舞いされたりするが、それでも一応静かに付き合ってくれる場合がほとんど。

 猫のフカフカうなじに顔をうずめてみたり、鼻梁を指でさわさわしてみたり、鼻をつんつんしたり人差し指の爪を当ててヒンヤリ触感を楽しんでみたり、前足をモミモミしてみたり。

 そうしている間は、ズンドコ滅入っていた気持ちもほんの少し軽くなって、ふ……と口元が緩んだりする。

 可愛いなあ、キミタチはほんとに。

 丑三つ時からドタバタ騒がれるのもしょっちゅうだし、「そこは堪忍して!」という所で爪研ぎされたりするのも日常茶飯事。
 洗濯かごの中で寝ているから、濡れたタオルを入れるのを遠慮してしまう。
 今日も今日とて、洗面台をベッドにして気持ちよさそうに寛いでいたから、私は別のところで手を洗ったよ。

 不便だけど、でもいいのだ。のんびりしているその姿が好きだから。
 だらしない格好で寝ている猫は、平和の象徴だと思う。
 それはつまり私の置かれた環境もまた平和だということだ。そう考えると力が抜ける。

 そして、猫をナデナデしながら思う。
 キミタチは自分にそんな癒やしのパワーがあるってこと、自覚してるのかい?

 私は欠陥の多い人間だと常日頃から感じていて、自己嫌悪に陥ることも珍しくはなく、来世はもっと有能なひとになりたいと切望しているが、こんな自分でも「猫好き」なところは大好きなのである。そんなの特に長所といえるものでもないが、それでも私は、猫好きな自分は大好きなのだ。来世でも猫好きでありたい。

 そんなことに頭を巡らせつつ猫を触っていたら、気分も少し晴れました!

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