昨日の出来事②
2024/2/29にラーメンを食べ終えてからの続き。
僕はお腹がいっぱいになってしまうのとすぐに眠たくなってしまう。
だから夕食を食べ終えると意識がなくなることが多い。
美味しいお弁当とカレー麻辣湯麺を食べ終えた僕は睡魔に襲われ、このまま運転するのはヤバいなと思った。ちょうど便箋をきらしていたので、懇意にしている文具店に行こうと思い立つ。
約ひと月ぶりの訪問だった。
老夫婦が営むこの文具店にはいつも優しい時間が流れている。
こんにちは。
長岡から遊びに来ました!
いつもの挨拶をすませると奥に鎮座していたご婦人が素敵な笑顔で出迎えてくれた。
文房具好きな店主と話をするのも楽しいが、僕はこの店のショーケースに陳列された万年筆を眺めることが大好きだ。
今日は店主イチオシの蒔絵であしらわれた美しい万年筆を見せて頂いた。
こんな超高級品を手に取ってみせてもらえるなんて…。
嬉しくてずっと眺めていたいと思った。
節約をしながら、お金を貯めて蒔絵の万年筆を今度購入しよう。
そう心に誓った。
ふと店主が、
あなたは結婚する予定はあるのですか?
と尋ねた。
以前に僕は独り身であることを伝えていたので成程、エクスターナルマーケティングか。
いえ、相手がいないので目下のところ未定です。
そう、正直に答えた。
あら、そう。
でも一度は結婚してみるのも悪くないものよ。
私は元々、洋服の縫製関係の勉強をしに東京に行ってきたんだけどね…。
と店主はおもむろに自らの来し方について語り始めた。
話を要約すると
長岡の服飾の職業訓練学校に通い、東京の服飾専門学校に行き、新潟に戻って実家の酒屋の手伝いをした後、結婚して現在の文具店で働くことになったそうだ。
だから東京でもう少し服の仕事をしていれば、もしかしたら違った人生を歩んでいたかもしれないね。
と店主は遠い目をしながら語った。
僕自身も自分の思い描く人生を歩んでこなかったから気持ちはわかる。
だけど今が楽しければ、今いるところで新しい夢が見つかれば、それは幸せな人生ではないでしょうか。
と言ったら店主の顔がパッと明るくなった。
本当にそう。
だから私は今幸せなの。
年齢や性別を越えて、たった一言が心の琴線に触れる瞬間を感じた。
今日はなんていい日だろう。
4年に一度のうるう年か。
またこのような最良の日が来るのは4年後かな。
そんなことを考えながら家路に戻る。
今日も皆様にとって、良い一日でありますように。
君さえいれば、遥かな道も越えていける。
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