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2021 年 3 月のゲーム会の様子

BOX OUTで定期的に行っているゲーム会の様子をお伝えする記事です。
今回は、8人のお子様にご参加いただきました。
前回から取り組むゲームの種類を増やし、さらに子供たちに多様な経験を積んでもらえるように工夫しました。
その中で、見えてきた子供たちの様子をお伝えします。

1. 協力して課題を解決できない
今回は、複数の人間が協力して行うゲームに取り組んでみました。
メンバーは、新 5 年生が 1 人と、新 4 年生が 2 人、新 2 年生が 1 人の計 4 人で協力して問題を解決するゲームです。
4 人とも、個人戦のゲームでは年上にも勝てるような、比較的ゲームが得意なメンバーでチームを組み、挑戦しました。
しかし、結果はゲームはクリアならずでした。
話すのが苦手でコミュニケーションが取れないのではなく、ずっと自分の意見を言うだけで全員の意見がまとまらず、結果単独行動に走るという感じでゲームが進みました。
見ている方は、そのてんやわんやしている姿を見ているのが面白かったのですが、プレイしている方はストレスを溜めていたようにも見えました。
参加している小学生は、同世代で言えば申し分ない学力(偏差値)を有していましたが、学力とチームワークができることに相関性はほとんど見られませんでした。
その意味では、「協力する」という能力は学力とは関係なく、また人間にとって先天的に備わっている能力でもないことがわかりました。
それは、今後しっかりと育てていく必要があると感じた次第です。

2. 直接対戦(2 人対戦)のゲームを避けがち
子供の中には、2 人対戦のゲームを避けがちの子がいます。
どちらかというと複数の人間で行うゲームに流れがちです。
そういう子たちに理由を聞くと、「2 人対戦のゲームは負けた時のショックが大きいから」だそうです。
なるほど、2 人対戦ゲームは勝ち負けによって序列が決まってしまいます。
子供たちの中には、それが嫌だと思う子が多くの割合でいるようです。
その一方で興味深いのは、2 人対戦ゲームを好んでプレイする子のほうが学力の成績が良いことです。
そういう傾向を見ていると、小学生の時期の学力は、当然学習によって決まるのですが、SAPIX の偏差値 50 の壁を越えるためには、単純な学力だけでなく横並びから抜け出そうとするメンタリティも育てることが大事だと感じました。

3. 論理的なゲームより、運に左右されるゲームに流れる
これも「2.」の話と似たようなものです。
子供たちの中には、「真剣に考えて負ける」という「悔しさ」を受け止めるのが苦手な子が多いようです。
それゆえに、言い訳ができる運に左右されるゲームの方を好んでいるように思われます。
子供たちは「最善を尽くした結果、負ける」よりも「突き詰めたところ、最善を尽くせない」方を感覚的に選びがちのように感じます。
これも「2.」の話と同じで、学力の成績の高い子の方が運に左右される幅が少ないゲームを好むようです。
そこら辺にも、ただ学習指導を行うだけでは育てきれない学力に関わる大切なポイントがあるように思われます。

4. 低学年の方がルールの理解が早い
今回は、2 人の新 2 年生にゲーム会に参加してもらいましたが、この 2 人のゲームへの対応能力が非常に高くて驚きました。
2 人が特別なのか、それとも一般的なのかはわかりません。
2 人ともお兄ちゃんのいる子なので、お兄ちゃんと遊ぶ中で比較的早く育ってる可能性があります。
ただ、それでも低学年の子の方が、物事に対する先入観もないので、比較的スムーズにルールを理解することができるのではないかと考えています。
先に取り上げた通り、学習指導だけでは学力の成長の限界があると考えられます。
それゆえに、学習指導では補えない能力の成長を促す必要があります。
その点で、低学年の段階では上級生に囲まれてゲームを行うことは、認知能力の発達させるのに、非常に効果的であると感じます。

5. 年下の面倒を見ることで成長を促せる
今回は、新 2 年生の子の面倒を新 6 年生に見てもらいました。
ルールの理解が早いとはいえ、やはりまだ上級生とハンデなしで互角に戦うのは難しいです。
そこで、難しいゲームに関しては新 2 年生と新 6 年生でコンビを組ませてゲームに参加させました。
これは、非常に大きな意味があったように感じます。
まだまだ子供で甘えがちな新 6 年生でしたが、新 2 年生の面倒を見ている時は大人に見えました。
その新 2 年生の子が「楽しかった」と感じていたようなので、しっかりとサポートできていたのだと思います。
そのような学力以外の部分で子供の成長を見れたのは、大きな収穫でした。

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