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【2023年受験】SAPIXの背中を追いかけて

 おかげさまで、最近は忙しくさせていただいおり、noteの記事を書く暇がありません。それでも、重い腰を上げて何とか書いていこうとは考えております。今回は、少し前の話ですが、11月の合格力判定サピックスオープンについての記事を書かせていただきます。

 現在3期生を指導しておりますが、11月のサピックスオープンで初めて偏差値50を超えてもらうことができました。これまでの記事でも書いてきましたが、日能研・四谷大塚の偏差値60は、どの程度の勉強量で到達するのか、ある程度見えてきていました。しかし、SAPIXの偏差値50は謎なままでした。

偏差値45くらいまでは、わりと超えてくれるのですが、そこから偏差値50までの層は厚く、なかなか突破させてもらえません。「やはり、SAPIXに通塾して、SAPIXの教材を取り組まないと厳しいのか…」と思ったこともあります。そんな中、今回一人の子がSAPIXの偏差値50を超えてくれたことは、少しだけSAPIXの背中が見えてきた思いです。
 そこで今回の記事では、ここまでに見えてきているSAPIXとの距離感をまとめていきます。

 さて、今回SAPIXの偏差値50を突破したことについてですが、あくまで、その子が頑張ったことが最大の理由です。非常に真面目な子で、コツコツ家庭学習を積み上げてくれました。ゆえに、私たちの指導が良かったと手柄を取るつもりはありません。今回の記事では、あくまで個人でできる取り組み内容について分析をしていきます。

 〇算数について
 偏差値50までは、基礎基本を徹底するだけで到達するようです。特別難しいことをやるよりも、基礎基本を徹底して感覚を研ぎ澄ました方が良いようです。難しいとされる問題も、結局ほとんどが基礎基本が組み合わさってできていることが多いです。基礎基本の型に対する感度が悪ければ、どんなに難しい問題に取り組んでも、消化不良に終わるだけです。それであれば、割り切って基礎基本を徹底した方が良いです。その基礎を築くことで、授業中に取り組む難問の解説の理解力も高めてくれるはずです。
 ただし、これは偏差値50までの話でしかなく、それをさらに上に引き上げるためには、基礎基本の徹底だけでは足りないかもしれません。現時点では、それ以上の成績に到達する道筋は、未だ見えていません。

 〇国語について
 国語については、無視をしています。SAPIXの偏差値40程度があれば、東大や医学部の合格実績に厚みのある中堅男子校までは、合格者最低点に必要な点数を取る安定感はあります。渋渋や豊島岡といった学校に合格したい子は、SAPIXの国語の模試の対応力が欲しいと思いますが、中堅男子校の国語の入試問題までであれば、結果を無視しても問題ないと考えています。漢字・知識をしっかりと行うだけで十分です。
 今回の子は、国語が足を引っ張ったにも関わらず、4教科偏差値50を超えられたので、非常に良い形だと考えています。

 〇理社について
 理社に関しても、特別なことを行う必要はないと考えます。とにかく、徹底して基礎学習を反復する誠実さが、その子にありました。
 私たちの教室では、ベースに『コアプラス』を置いております。

やはり、『コアプラス』を徹底することができれば、学力を上げることができると考えています。いろいろなテキストに浮気をするのであれば、『コアプラス』を何周も行い、それを徹底できている方が強いと感じます。特に、社会に関しては『コアプラス』よりも高額なテキストに多く投資しても、費用対効果は得られないでしょう。理社に関しては、信頼できるテキストを徹底することが重要です。

 また、社会は四谷大塚の『4科のまとめ』が優秀です。それは、以前記事にまとめたので、ご参照ください。基本的な考え方は、変わっておりません。

 加えて言うのであれば、理科に関しては『出る順過去問』が優秀だと感じております。軽い作りで、知識事項を確認するのにはちょうど良いです。『コアプラス』から、少し視点を変えたいというときは、こちらのテキストの費用対効果が良いと考えております。

 さて、記事をまとめさせていただきますと、SAPIXの偏差値50までは、「指導の質」というよりは「反復学習の質」だと考えます。難しいことを考えず、家では基礎固めに終始することをお勧めします。その基礎が固まっていなければ、授業の吸収力も高まりません。焦って、難しいことや新しいことをやる必要はなく、しっかりと定番の反復学習用のテキストに取り組む方が確実に成績は上がると考えます。

 以前の記事でも書かせていただきましたが、SAPIXの偏差値50は非常に優秀なレベルです。

 だからこそ一番大切なことは、偏差値40台で動じないことです。偏差値40を超えているお子様の努力を評価し、焦らずに基礎土台を磨き上げ粘るためにサポートしてあげてください。悲観的になり、目新しいものに飛びついてしまうと、かえって定番のテキストの価値を毀損します。テキストは、スルメのようなものと心得、しっかりと噛みしめるように取り組んでいれば、自然と成績がにじみ出てくることでしょう。

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