イギリスの大学院でresponsibleな観光を学ぶってどんな?

やっと、クリスマス休みが近づき少し落ち着いたので、9月末からの始まった大学院生活の3ヶ月間について残しておこうかなと思います。

初めのモジュールは、
・Tourism for Local Community Development
・Communities, Culture, and Heritage
という2つ。始まって速攻、まず途上国の地域コミュニティの貧困削減のために観光開発に取り組んでるケーススタディを評価して!と。それと同時に観光がどうその地域の文化に影響しているか人類学的な理論を用いてエッセイを書いて!と、3週間以内に。
これらが終わるや否や、地域コミュニティに観光を通して介入するビジネスモデルを考えて!もう一つは、遺跡もしくは博物館のマネジメントプランを考えて!実際に行ってみて何が問題か聞いたり見たりして考えてきてね!と。

もちろん週2日6時間ずつ、理論や事例、考え方を学ぶ授業も同時進行で、今まで行ったことのある地域、住んだことのあるカンボジアでやっていた観光としての取り組みが、こういう風に形式化されるのか!という発見があったり。観光に伴う影響を細分化するとこんな風に分けることができるのか、と頭が整理されたり。

Photo: 大学の図書館

そして11月中旬から次のモジュールが始まり、
・Natural Resource and Environmental Management
・Marketing Responsible Tourism
の2つ。これらの課題も面白く(当時は面白い!と言っていられる場合ではなかったですが)自然保護エリアにおいて訪問者がbiodiversityにどう影響を与えているか分析し、アクションプランを立てるというもの。
もう一つは、responsible touristsを促すためにモバイルアプリを考えて観光地となっている場所へ提案するというもの。どちらも、対象にしたのはフィールドスタディで訪問した地域で、Elvaston Castle County ParkとSkiptonという小さなマーケットタウン。実際に見て聞いた場所についてアカデミックな文献や統計データを交えて考えるプロセスは、まさに私がやってみたかったことなので為になった気がします。

Photo: Field Trip in Skipton

ちょうど今、観光に関わるビジネス(ホテルや旅行会社)が環境負荷にどう影響しているか分析し、アクションプランを考えるという課題を進めていて、1月にはresponsible tourism marketing planを考える課題が待っています。

もう既に7本もレポートを書いていて、たった3ヶ月間で大学生の時の卒論の4倍くらいの量を英語で書いてると思うと驚きですが、1年でのマスターがどれだけ大変か、というかこのコースがどれだけintensiveかということを実感する毎日です。課題というアウトプットを通して、触りではあるかもしれないけど、どう言った理論でマネジメントプランが考えられているのかというのを学んでいる感覚です。もちろん、本や論文には答えはなく、現場で起きる一つ一つをこなしていくしかないというのはわかっています。が、ケーススタディとして本や論文、記事などに何かヒントが散りばめられてるんじゃないかと信じてやっています。

ただ、本当はこんな綺麗事のようにうまくいく訳もなく、次から次へと課題が飛んできて、ゆっくり考える間もなく泣きながらしがみついて、何とかやり切ったという感じです。初めは、授業の60%くらいしか理解できなかったり、ヨーロッパ圏出身の人たちばかりの中でアジア人の自分がすごくマイノリティーに感じて、いろいろと考えすぎて意見が言えなかったり。それでも、「できないのが当たり前」という前提でそこで何を得れるのか、どう前に進むのか、と考え方がいいよとある日本にいる友人に言われて、そうだそうだと客観的に考えれるようになりました。

1月もまた課題がありますが、点数がひどい課題もあるので今までやったものの振り返りをして、先生たちからどうすれば思考力もレポートも改善できるのか、現実的な観点からもフィードバックをもらって、これからに活かしたいと思います。
また、お世話になっているイタリアのママから、1月中旬にシチリアにフィールドスタディに来ないかというお誘いをいただき、また飛び立つかもしれないですが!その話もまたここに残せたらと思います。

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