意外と知らない?小麦粉の基礎知識!
小麦の構造
一般的にスーパーなどに並んでいるのは収穫された小麦を挽いた状態、いわゆる小麦粉です。それも収穫後、そのまま挽くのではなくではなく様々な工程を施され小麦の中の胚乳という部分のみを挽いたものが一般的な小麦粉となります。
胚乳は粒全体の約83%を占めており、その主成分は、糖質(でんぷん)、たんぱく質です。
小麦の表面は表皮(全体の約15%)といった皮のようなものに覆われており、表皮には食物繊維やマグネシウム、鉄分、亜鉛などが豊富に含まれております。
胚乳の更に内側には胚芽という部分(約2%)があり、脂質、たんぱく質、各種ミネラル・ビタミンを豊富に含んでいます。分離、精製して栄養補助食品等に使われます。
小麦は胚乳・表皮・胚芽の3層によってできております。
この3層すべてをまとめて挽いたものが全粒粉と呼ばれております。
小麦の種類
小麦には大きく4つの種類があり、含まれているたんぱく質の質と量などによって区別されます。小麦粉におけるたんぱく質(グルテン)は加工の際の粘り気に影響してきます。
硬質小麦(強力粉)・・・たんぱく質が多く、粘弾性(粘り・弾力性)に富んでいるのが特徴です。主にパンや、中華麺に使用されるのが硬質小麦となります。
中間質小麦(中力粉)・・・たんぱく質の含有量は中くらい。うどんには中質小麦が使用されております。
軟質小麦(薄力粉)・・・たんぱく質が少なく柔らかいのが特徴的。天ぷららやケーキ、お菓子に使用されることが多いです。
※ものによっては中力粉に分類されるものもございます。
デュラム小麦・・・タンパク質含有量は中力粉と強力粉の中間に値します。スパゲッティなどのパスタに使用される小麦でグルテンを多く含むため、食感の強い仕上がりとなるのが特徴です。
「国産小麦」と「外国産小麦」の違い
恐らく多くの皆さんが気になるのが、国産小麦と外国産小麦の違いだと思います。
こちらを説明する前に灰分について補足させて頂きます。
灰分とは小麦の外皮や胚芽部分に含まれるミネラル分のことです。
灰分が少ない粉を使用してパンを作ると、小麦の風味が軽くあっさりしたパンになります。灰分が多い粉を使用すると、風味の強いパンになります。
また、灰分の多い粉は酵素を多く含むので生地がだれやすいのも特徴です。
この灰分とタンパク質(粘り気)が主な違いとなっております。
国産小麦
・グルテンが少なく弱いので、ボリュームが出にくい。
・灰分が多くて小麦の風味が強い。
外国産小麦
・グルテンが多く強いので、ふっくらボリュームが出やすい。
・灰分が少なくて風味はあっさり。
どちらにも良いところがあるにも関わらず、日本の小麦消費量のうち、国産小麦はわずか10%程度で、残りは海外から輸入した外国産小麦です。
しかし、近年では国産小麦の需要も高まっているのも事実です。
その大きな要因として挙げられるのが次の3点です。
・「食の安心、安全」への意識が高まった
・様々な改良が施され作業性が良くなった
・外国産小麦との価格差がなくなってきた
「たかが小麦粉、されど小麦粉」
私も小麦粉を扱った経験があり、どうしても国産の方が安心で美味しいのではないか。と思われがちではありますが、外国産の方が優れている点もあるのも事実です、お好みの仕上がりに合わせて粉を選んでみるのも良いですね。
人と同じようにクセがあり、気温や湿度に大きく左右されるくらい繊細であります、とても奥が深くて興味深い食品のひとつです。