聖なる夜に聴きたい、おすすめのゴスペル3曲
クリスマスに欠かせないアイテムの1つ、音楽。
このシーズンになると、どこからともなく聞こえるクリスマスソング。大通り、ショッピングモール、テレビ、ラジオなどから、馴染みのある曲が流れます。
クリスマスといえばこの曲よね、とお気に入りのクリスマスソングがある人も多いはず。
いくつか定番を挙げるとすれば、山下達郎『クリスマスイブ』、マライア・キャリー『All I Want for Christmas is You』、Wham!『Last Christmas』、John Lennon『Happy Xmas (War is Over)』、あたりかな。
今年の主流は、家で過ごすクリスマス。趣向を変えて、街なかでは流れないクリスマスソングを聴いてみませんか。
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ゴスペルへの想い
クリスチャンではないわたしが、ゴスペルクワイアで歌い始めて9年になります。
ゴスペルは、クリスチャンだけのものではありません。
ゴスペルは、アフリカ系アメリカ人だけのものではありません。
ゴスペルは、すべての人に開かれている音楽です。
季節にかかわらず1年中ゴスペルを歌っていますが、今年に入り状況は一変。いままでのようには歌えなくなりました。
例年であれば、12月になるとゴスペルクワイアは大忙し。
ホテルのラウンジ、レストラン、商業施設、イベントホールで歌わせていただくことも多く、クワイア独自のライブで歌うこともあります。
毎週末、ゴスペルを人前で歌う12月。そんな9年を過ごしてきました。だから、今年の12月は心にぽっかり穴があいたよう。ひどく寂しい。仲間と一緒にゴスペルを歌えないからです。
わたしのように、クリスチャンではないけれどゴスペルを歌っている日本人は意外と多い。他民族のクリスチャンが「なぜ?」と驚くくらい多いんです。
クリスチャンにとって、ゴスペルは神を賛美する、神への感謝の歌。神様へのラブソングともいえる。
クリスチャンでないわたしにとって、ゴスペルは感謝の歌です。
自分が大切に思う人、自分とつながりのある人に向けて、【いつもありがとう】の気持ちを伝える感謝の歌。
ゴスペルを歌いながら誰を思い浮かべるのか。それは、自由です。
パートナー、親、子供、兄弟、友人、同僚。【いつもありがとう】の気持ちを伝えたい人であれば、誰でもいい。もちろん、自分自身を思って歌ってもいい。
ゴスペルは心を解放してくれる音楽で、表現は自由です。体をゆらしたり、クラップしたり、ダンスしたり、手を天に向かって突き上げたり。心地よい方法で、ありのままの自分を表現すればいい。
歌詞には“God”、”Lord”、”You”、”He”などが頻繁にでてきますが、どれも神を意味します。歌うときに心の中で、その部分を、大切に思っている人に置き換える。するとゴスペルは、その人に向けた感謝の歌になります。大切な人へのラブソングといってもいいかもしれません。
そう考えれば、ゴスペルは、クリスチャンでなくても気持ちを込めて歌うことができるんです。
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今年の主流は、家で過ごすクリスマス。趣向を変えて、いつもと違うクリスマスソングを聴いてみたい、そんなあなたのために。
聖なる夜にぴったりの、おすすめのゴスペルを3曲紹介します。
Now Behold the Lamb by Kirk Franklin
アメリカ音楽界で圧倒的に支持されるゴスペルシンガー、カーク・フランクリンのクリスマスソング。
ゴスペルを歌う人でなければ、日本でこの曲を知る人は少ないと思います。タイトルにある “the Lamb”(子羊)は、イエス・キリストのこと。
ゴスペルは基本的に、コール・アンド・レスポンスという形式で歌われます。リード・ボーカリストの呼びかけ(コール)に対して、クワイアと呼ばれるコーラス隊が応える(レスポンス)形式。
この動画の2:03~2:51まで、リード・ボーカリストだけが歌う部分があり、そのなかに次のような歌詞があります。
When I always didn’t do right.
I went left, He told me to go right.
But I’m standing right here in the midst of my tears.
(和訳)
私がいつも間違っていたときのこと、
彼(神様)は右に行けと言ったのに、私は左に行きました
しかし、私はここに涙しながら立っています
わたしはこの歌詞を聴くと、親に反抗していたころの自分をいつも思い出します。わたしにとってこの曲は、親への感謝の歌。
数あるゴスペルのなかでも、あぁ、いい曲に出逢ったなと思わず涙してしまう、そんな1曲です。
The Night that Christ was Born by Kirk Franklin
これもおなじくカーク・フランクリンの曲。クリスマスクラシックゴスペルです。
イエス・キリストの誕生を喜び、祝福する歌。美しい音色に、闇を照らす光のようなものを感じる。崇高な雰囲気がにじみでていて、聖なる夜にぴったりの1曲です。
この動画の3:29あたりで“Ahhhhh”と女性がシャウトし、その後に、クワイアの歌声が転調し半音上がります。
ゴスペルの転調は、気持ちの高揚を意味します。この気持ちを、この感謝を、この喜びを本気で届けたい。もっともっと伝えたいと、ぐるぐる渦を巻くように歌い上げていく。この歌いかたは、ゴスペルの特徴の1つです。
Oh Holy Night by Joe Pace
最後は、アメリカのゴスペルミュージシャン、ジョー・ペースの曲。
彼は、ヒット作を出し続けている“コロラド・マス・クワイア”のディレクターです。グラミー賞に8回、ドーブ賞に7回ノミネートされている実力派ミュージシャン。
タイトルから分かるように、クリスマスシーズンには欠かせない曲。神聖な雰囲気をしっとり味わえる1曲です。
ゴスペルクワイアは、声の高さによってパートが分かれています。高いほうから、ソプラノ、アルト、テナー、ベースのような感じです。
この動画では、2:45あたりから、ソプラノ、アルト、テナー、ベースがそれぞれ違う旋律を歌います。
パートごとに順番に歌ったり、パート同士で掛け合いをしたり。それによってハーモニーが生まれ、メロディーを奏で、音の響きをみんなで楽しむ。
歌っているメンバーとの一体感を味わえる喜びは、ゴスペルのかけがえのない魅力の1つです。
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クリスチャンでなくても救いを求めたい、感謝したい、祈りたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
わたし自身もずっとそう感じている。だからゴスペルを歌い続けているし、これからも歌い続けます。
ゴスペルは、クリスチャンだけのものではありません。
ゴスペルは、アフリカ系アメリカ人だけのものではありません。
ゴスペルは、すべての人に開かれている音楽です。
例年のようにはいかないクリスマスだからこそ、いつもと違うクリスマスソング、ゴスペルを聴いてみるのもいいかもしれません。
大切な人と心あたたまるクリスマスをお過ごしくださいね。
Wishing You All a Very Merry Christmas!
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