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魅惑の「座布団モンブラン」

「めっちゃバズってるケーキがあるから、今度の日曜日に友達と梅田に買いに行ってくるわ」

日曜日の朝8時には家を出ると言うJK娘。そのケーキ屋さん、そんな朝早くからやってるの?

JK娘の話によると、めちゃくちゃバズってるお店なので、開店前に整理券が配られるらしい。整理券がないと自分の欲しいケーキが買えないんだとか。10月に阪急うめだ店に2号店をオープンしたお店で、とにかくすごい人気なんだそうです。

わたしは「バズりモノ」にはまったく疎い。でも、我が家の娘たちがバズっているものをときおり教えてくれるおかげで、どうにかこうにか、世の中の流行りモノがほんの少しだけ分かるようになった。

フード系バズに敏感なJK娘は、日曜日に行くというケーキ屋さんを教えてくれた。思わず2度見してしまった写真。ひとめ見ただけで心を奪われるって、こういうことを言うのか。



「えーーーー?!なにこれ?めっちゃ可愛い!!」

「せやろー?なんかこう、見てるだけで、ほっこりした気もちになるケーキやねん」

鼻の穴をふくらませ、ちょっと得意そうにしている娘。

なんてユニークなデザイン!思わず「ヨシヨシ」と触りたくなるフォルム。これ、ほんとにケーキなの??

これまでわたしが抱いていた「ケーキ」のイメージが、気もちいいくらいにぶっこわされた。こんなケーキも「アリ」なんだ。ケーキの固定概念を崩されて、かえって清々しい気もちになる。

1番有名なのが、多くの人から「座布団モンブラン」と呼ばれるケーキらしい。この個性的なケーキを作っているお店はコチラ。


このお店のオーナーシェフ、小住匡彦さんの発案した数々のケーキを見て「ケーキとはこういう形であるべき」という固定観念を自分がどれだけ強くもっていたのかということを、まざまざと思い知らされた。

ホールケーキは丸か四角。
ショートケーキは三角か四角。

これまでのケーキ屋さんは、そういう枠組みの中でケーキを作ってきたんだと思う。だって、世の中で目にするほとんどのケーキはそういう形だったから。もしかすると、ケーキ業界で、ケーキの形は暗黙のルールで決められていたのかもしれない(まったくの推測です)。

そこに突如として現れた、座布団型、ミトン型、カバン型のケーキ。



か、可愛すぎる・・・「ケーキってこうだよね」という先入観が、またもや見事に吹っ飛ぶ。

おまけにこれらのケーキ。

なんと3Dプリンターで作られている!!

なんなのソレ?!さらにぶっ飛びました。もうアッパレ過ぎる!

スイーツ業界で働いている人たち、特に長年携わっているパティシエさんたちからすると、3Dプリンターでケーキを作るなんて邪道、と思う人がいるかもしれない。そう感じる人が大半だと個人的には思う(小声)。パティシエさんは職人さんなので。1つの業界で、自分の手を頼りに、長期間スキルを磨いてきた人は、おそらくそう考えるだろう。もしわたしがパティシエールだったら、同じように考えると思う。

でも新しいモノって、新しい試みがなければ生まれてこないのよね。

小住さんはどうしてこんな形のケーキを考えついたんだろう?そう思って彼のプロフィールを見て納得。小住さんは理系(環境都市工学部)出身のようなんです。

ケーキの型取りは、建築業界の設計ツール「CAD」でしているらしい。その発想も建築科出身ならでは。

ケーキを作るためにCADや3Dプリンターを使っているパティシエさんは、おそらく小住さんの他にはいないでしょう(まったくの推測ですが)。パティシエという職人の世界にテクノロジー的要素を持ちこんでみよう、と考える人はどれだけいるでしょうか。

ここでわたしが言いたいのは、どちらの方法が良い/悪いの話ではなく。新しいモノを生み出すには、その業界の常識を覆すような、変革と呼べるようななにかが必要。それが言いたいのです。

小住匡彦さんがスイーツ業界で「新たな風」になりますように。

その「新たな風」によって、スイーツ業界全体がこれからも大きく盛り上がっていきますように。

スイーツはとても身近に感じられるアートだ、とわたしは思っています。スイーツは人の心をあたたかく、そして、幸せにしてくれます。

今回、JK娘が買ってきてくれたカバン型のチーズケーキ。




表面のモコモコした編み感。チョコンと付いた小さなボタンと取っ手。

食べるまえに、上から、横から、表側から、裏側から、ケーキをこれでもかというくらいに穴のあくほど見つめた。

ケーキのふんわりした小さなフォルムに、幼いころの「おままごと」を思い出し、懐かしい気もちが湧き上がる。

ファッションアイテムの形だけではなく、車マニアのための車型、音楽好きのための楽器型、人物の写真をもとにした立体的な人のケーキなどがあったら面白そう。人型ケーキは、その人のお祝いイベント(結婚祝、七五三、退職祝、など)にプレゼントしたら喜ばれそうだな。

そんな想像をめぐらせながら、カバン型のチーズケーキを眺めていた時間も楽しかった。

「あぁ、こんなに可愛いのに、食べるのもったいないなぁ」と、少しずつ少しずつ、美味しくいただきました。

もうすぐクリスマスシーズン。

スイーツ業界の人たちは「超」が100個くらいつく繁忙期だと思う。わたしも含め、たくさんの人がクリスマスケーキを楽しみにしているでしょう。

ケーキはみんなを笑顔にします。

スイーツ業界の人たちにも、ケーキが笑顔の魔法をかけてくれますように。そして、どうかあまり無理されませんように。













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