夢(ショートショート)
新幹線に乗って俺は焦っていた。何に焦っていたのかもわからず焦っていた。トイレに立ったら、小便は出ず、いつの間にか列車は鈍行になっていた。俺は佐々木に聞いた。
「どこへ行くんだっけ」
佐々木は怪訝な顔をして、「〇▼?$&」と答えた。俺は小便が出ていないことに少し苛立ちを覚えながら、もう一度トイレに向かった。
トイレは大便がてんこ盛りで、流れておらず、流すこともできない。床も小便やら大便やらできたないかぎりなので、俺は小便をするのを我慢することにした。
伊藤が「もうじき着くぞ」といった。
俺は飛行機のシートベルトをしっかりと締め、着陸に備えた。着陸するはずだった飛行機は実は離陸するところで、飛行機は大きく角度を垂直に近く角度を変え、発射準備に備えた。すさまじい圧力が全身にかかった。
田舎のおばあちゃんの家でスイカを食っていると、戦車がやってきた。ここは危ないから遠くへ逃げろという。そういわれて俺はあわてて戦車と逆の方向へ逃げた。やがて野戦病院が見えた。
トイレにいきたくなったが、トイレは人がいっぱいで、便器はなく、床のタイルに穴があいているだけのものだった。壁の敷居もない。あちらこちらに小便の跡や大便が転がっている。あまりの汚さに俺は用を足すのを諦め、学校の教室に戻った。
そこでは井上が友達数人とトランプをしていた。賭けているらしい。俺は奴に貸しがある。せいぜいカモを相手に勝って、俺に貸しを返して欲しいものだ。
加藤と山崎と永田が飛行機のトラップで手を振っている。俺は乗り遅れた。急いで奴らに追いつこうと走った。
「野戦病院まであと少しだ」
戦車の兵士が俺に言った。俺は急いで、会社のトイレに駆け込んだ。そこのトイレも汚くて、とても用を足せるような状況ではなかった。宮崎がそれでもうんこをしていた。
飛行機は無事着陸し、俺は東京に着いた。これからパンダを見にいこう、と妻がいったので、俺も賛成した。
船に乗って上野のパンダに会いに行っているのだが、何かが違う気がする。気づけば俺は東京かどこかはしらないが、下町を歩いていた。チンチン電車が歩道とギリギリのところを走っている。俺はひょっとするとこれに乗らなければならないのだ。パンダに会うために。
戦車が電車の前を横切った。
「何をしている、野戦病院へ行け」と兵士がいった。
野戦病院の中に入っていくと、もう授業は始まっていた。まだ俺はトイレを済ませていない。どうすればいいのだ。
俺は目が覚め、トイレに急行した。それにしても汚いトイレの夢だったなあと思う。汚いトイレの夢を見ると、カネが入るというから、明日、いや今日、宝くじを買おう。
というところで目が覚めた。慌ててトイレへ駆け込んだ。
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