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パワハラ上司

 ホームセンターの店長だった頃、僕はパワハラ上司だった。今では汗顔の至りなのであるが、瞬間湯沸かし器(いわゆる短気)で、椅子を蹴飛ばしたりして、部下をなじったことは何度もある。全ての部下に対してではない。意味の分からんことをやっている者や、さぼっている者、捌けない者には容赦なかった。
 それで辞めていった者も数知れず。上司からはあきれられるは、評判は悪いはであった。そのわりに上層部からは可愛がられた。
 今思えば、仕事のできなかった彼らは発達障害だったのではないかと考えることがある。当時はそんな言葉はなかったが、思い当たる人物が何人かいた。そういうことに理解をしていれば、僕も怒りを発動することはなかったのではないかと思うのだが、後の祭りである。1人、どうしようもない部下がいたが、後日パーキンソン病であったことが分かった。
 いずれにしても会社が新体制になると、どうやら目をつけられたらしい。何かのきっかけがあれば、店長を降ろすつもりであったのは、露骨にわかっていた。結局、降格させられるのだが、それからはパワハラも影を潜めて、やがて病気になって会社を辞めることになる。

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