琵琶湖をゆく～豊橋～

＊これは3話です。1話はこれです↓

https://note.com/boukentan/n/nba7cb69c514c

現在は18切符を使って琵琶湖に向かっているわけだが、新幹線と違い目的地までビュンといけるわけではないから時間がかかる。のぞみもびっくりな遅さだ。しかも、乗り換えが多いからどうしても乗り換えミスが起きやすい。

　
　発車時刻に間に合わなかったり、次乗る電車がいった何番線なのかわからなかったり、乗り換え時間が短いほどミスが起きる。
　
　今回の道のりも例外ではなく、失敗することとなる。

　静岡駅を出発して2時間をはしると（今回の琵琶湖までの道のりで1番長い区間）、豊橋駅に着いた。駅に着くとホーム同じく、反対側に電車が止まっていた。電光掲示板に表示されている発車時刻は僕の乗り換え予定の電車と同じ。今回は乗り換えが楽だ、とその電車に乗り込んで自転車を運転席うしろに立てかけた。

　すると、放送で
「大垣行きの方は3番線停車中の電車にお乗りください」
　と、流れた。大垣は次の乗り換えの駅だ。そして、僕が現在いるのは1番線。この電車の行き先は岐阜。大垣よりも手前が終着点になってしまう。

　急いで荷物を担ぎ治し、電車を降りて3番線に向かおうとするが、人混みを避けるために階段から遠い、先頭車両まで来ている僕が、ましてや大荷物をかつぐこの状況の中で今更階段を上って別ホームにすぐにいけるわけもなかった。

　3番線を発車した電車の後ろ姿を眺めるのだった。これが18切符名物、“お見送り”だ。

　そして30分後にきた大垣行きに僕は乗った。

ここからの車両はボックス席で、しかもシートの背もたれの向きを変えられるというちょっと変わった電車だ。地元の人たちは乗り込むと同時に背もたれを-好きな向きに変える。初めてその光景を見たときは驚き、そして何気ない顔でそんなことをする人たちをかっこいいと思った。（2回目からは僕もなにくわぬ顔で背もたれを変えて、心の中でどやがおを決めていた）

　
　さて、米原は目前だ。

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