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[訪れる]屈斜路湖/お雑煮と、お雑煮/2020.1月

Dear friends.

お元気ですか?お正月気分を隙間に探す、2021年の正月休みが明けましたね。無事に、お仕事を始められていますか?

体調を崩すことなく、いつも通りという感覚はありがたいことなのですが、自分の中でケジメらしいものを見つけるのに、一苦労しました。特にこんな時代ですから。

さて、そういう意味で、私にとっての2021年の正月は、元旦のお雑煮でした。
私の地元のお雑煮は、丸いあんもちに白味噌仕立て。どうやら全国的にも珍しいらしく、雑誌などでお正月料理を紹介されている時は必ずと言っていいほど1コーナーを埋めていて、ちょっと、いや、かなり誇らしい気持ちになります。

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お正月当日、私のSNSのフィードは、みんなのあんもち雑煮「愛」で溢れかえりました。今年は私も便乗です。
味ですか? 甘さと塩味の見事なコラボ、甘じょっぱさがたまりません。こってりしていますが、大根や金時人参も入っていて、胃もたれはないのでご安心を。我が家は、青のりではなく、ねぎ派。ぜひ、一度、食べてもらいたいです。
戸惑う人は「これはスイーツ」と思って、まず一口。

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「そういえば、おすましのお雑煮を人生で一度も食べたことがない」と気付いたのは、道東の旅で迎えた、お正月でした。
私が屈斜路湖でお世話になっている宿のオーナーは、料理人でもあります。日頃からの料理もとても美味しいのですが、お正月には更にその腕前を「おせち料理」で披露してくれます。

道東で、おすましのお雑煮に辿り着くまでの、フロー。
このひとときが、大好きです。

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まず12月31日の夜、オーナーが一年がかりで作った、こだわりのクイズで、クイズ大会・チーム対抗戦が行われます。大人も、大人気ないほど本気になるのが、この大会の悪魔のような魅力。
それからスタッフの皆さんが声をかけてくれて、年越しそば。暮れが迫る頃合いに、オーナーがギターを取り出し、中島みゆきの『時代』の弾き語り。そしてカウントダウンと共に、準備されていたくす玉が割れて「あけましておめでとう〜!」と祝いあいます。

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さて、ここからが、第二の本番。
ずるずる宵っ張りになることなく、すぐに「おやすみなさい!」と寝ます。運よく4時間ほどの睡眠が取れたら、車に乗って屈斜路湖が一望できる峠へ向かいます。
そう、初日の出。
道が混む前にと、常連ことベテラン旅人メンバーたちは、段取りも完璧。私のような初心者は、眠い目を擦りながら言われるがまま車に積んでもらって、うとうとします。
あたりは真っ暗、旅の中で一番空気が痛くて冷たいひとときです。

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屈斜路湖からの眺望は、晴れているか曇っているかで劇的に違います。2020年の幕開けは晴天。日が昇る前の、空のクラデーションの神々しさ。マイナスの冷たい空気の中、ひたすら待つ人々のシルエットも美しくて。
そしてひょっこりと現れた太陽に、歓声が上がります。

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よく考えたら、地元では、初日の出を見に行くことはありませんでした。だから、人生初めての初日の出は、屈斜路湖。
そう、おすましのお雑煮と同じですね。

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初日の出の美しさに洗われたような気持ちと余韻に浸りながら、ベテラン先輩陣に促されて帰路に。冷え切った体をひたすら温めながら、宿に戻ります。
「お帰りなさい〜」と迎えてくれるのが、オーナー一家が振る舞ってくれる、見目も味も美しいおせち料理。
そして、おすましのお雑煮。
焼き目が入った四角いおもち、澄み切ったお出汁の中に見えるお野菜。
やっと、やっと、ここまでしてありつけるのが、私にとっての「おすましのお雑煮」。
冷え切った体に染み入るぬくもりは、一年前のことでもありありと思い浮かべられます。

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大晦日に聞いた『時代』。
屈斜路湖で過ごした、初日の出までの道のり。
凍え切った体に、沁みた一口。
旅人と共に、旅人としての。
先ほど、あんもち雑煮愛について熱く語りましたが、おすましのお雑煮も、同じくらいの愛があります。澄んだ出汁に、年越しの旅路が凝縮されています。
この、長い長いフローが、お雑煮への愛の証。

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完食!

さて、ニュースによると、明日からまた寒波がやって来るそうです。「この冬最強」とか「最も厳しい寒さ」というフレーズが繰り返し天気予報で流れていますが、毎度毎度のことと思わず、気をつけてくださいね。
ちなみに四国では、雪が3センチ積もったら、もうあたふたもの。
北海道の、冬の魔法が懐かしいです。
それではまた。

2021年1月6日


【屈斜路原野ユースホステル】
https://www.gogogenya.com

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