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2.レシピ開発

前回のメニュー考案から次のステップへ。メニュー考案時点はいわばまだ「机上の空論」の段階。

理想を掲げるのは簡単で、いかにそれを現実に近づけるのか。そしてそれらを商品として販売していく方法までを引き受けます。

この段階である程度のメニュー考案はしているので、それらをクライアントに検討してもらいながら進めていきます。

Aという商品で展開していこうとなると実際のレシピ作りに取り掛かります。この時点でもちろんお店の工事は着工していないので、自宅キッチンやシェアオフィスなどを利用します。

準備物、材料、事前仕込み、作業工程、時間、など実際のオペレーションを想像しながら試行錯誤を繰り返します。

仕入れは容易な材料か、経験の浅いスタッフでも再現可能か、ビジュアルはどうか、味はどうかなど想像力と決断が必要です。

お店のスタッフが「新メニューを考えてきました」程度のことであればその場で多数で試食し、改善に向かうのですがコンサルティングとなるとこちらの提案が重要。

「自身のセンスと舌を信じ」と言いたいとこですが私の考えは少し違います。

100点満点は取らない


「これが一番美味しくていい!」というものは今の段階は必要ありません。

Aという商品の開発を進めていく上で渾身の1種を完成させてとしても、いざクライアントや他のスタッフの試食の段階でダメ出しを食らうことは普通にあるからです。

「せっかく一生懸命作ったのに」を感じても仕方ない。重要なのは変化できる柔軟性。

Aを作るなら最低でもA1~A3ぐらいの展開を用意します。大幅な変化をできるようBの案ぐらいは用意します。

新規立ち上げの場合、クライアントが納得しない商品のメニュー可はありえません。

クライアントが濃い味が好みならそれらを考慮します。ただ、お店が女性ターゲットの場合はあっさり目のものもラインナップに入れる。

クライアントの理想も汲みながら売れるメインを作り出す。この柔軟性が重要です。

Aの商品の土台を作ったら1.2.3と変化させれるようなバリエーションを作ります。

調味料の量や種類のプラスマイナス、調理工程の手順、見た目の変化。これらを準備しておきます。

そして、だいたい新規の場合は何度も試食会を繰り返すので、その際に初めの方はメイン商品、サブ、ドリンクと優先順位をつけてレシピを作成していきます。

使用食器が決まる前はイメージに近いサイズの食器を入手しレシピ作成しますし、インテリアデザインや目標客単価なども考えながら進めていきます。

今美味しいものが出来たら完成ではありません。あくまで基礎。

このことを頭に入れながらカフェなら50~80品目、居酒屋なら100品目程度と飲み物を合わせるとこれぐらいのボリュームのレシピを作成していきます。

仕込みが前提の焼くだけ、茹でるだけ、調理時間を要する、注ぐだけ、手順は同じで材料を変えるだけ。

こういった分類で組んでいくと100種と考えても実現可能な量になります。

そしてコンサルタントの任務として求められるのは

美味くて当然


ということです。不味いと思われるようなものを提案してしまうと、信頼を失います。

美味しいけど好みじゃない、もう少しボリュームが欲しい、ちょっと甘い方がいい気がする。

最低でも最初の段階でこのラインに持っていかないと今後の展開にクライアントは不安を持ちます。

同時にクライアントから受ける改善要求も重要です。

0から1を作れと言われたら多くの人は難しいと思います。それが1に対して議論しろといわれたら出来るものです。

ただ、変化出来る柔軟性も持ちつつ「これをメニューにすると良い」という自信も持ち合わせていく必要があります。

軸をしっかり持ち、柔軟性も持ち、他者の意見も汲み取り添削しながら構成していくのがコンサルタントの役目となります。

「あなたに頼んだら売上作れるんですよね?」


このプレッシャーをしっかり自覚しながら。



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