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#724 アルバム論45|BUST WASTE HIP / THE BLUE HEARTS(1990)

アルバム論、本日はブルーハーツの4枚目のアルバム「BUST WASTE HIP(バスト・ウエスト・ヒップ)」を紹介したいと思います。

これまで紹介した3枚のアルバムはメルダックという会社からリリースされているのですが、今回レーベルをイーストウエスト・ジャパンに移籍して1枚目のアルバムともなっております。


BUST WASTE HIPとは?

前述の通り、移籍後一発目のアルバムとなっています。

1990年9月にリリースされ、オリコン初登場1位を獲得したアルバムで、これまでの3部作の「ロック」「パンク」に特化した路線から、レゲエやブルース的な感じの曲調も加わり、バンドとして過渡期を迎えていた時期なのが垣間見えます。ハイロウズに近い曲調の曲もあったりですね。

僕は高1の頃に中古でこのアルバムをGETしたんですが、初回盤を買ったので特性プラスチックケースに入っており、ブックレットがついていたのですが、どこかに行ってしまいました!
中身だけあるんですけど・・・


BUST WASTE HIP 歌詞カード

この青い饅頭みたいなのは謎です。
ロックマンのパスワードっぽいですね。


歌詞カードは前作同様、ヒロト?のイラスト付きです


「日本」のハンコを押そうとする亡者達。


白井さんがほとんどの曲でピアノとして参加。この辺もハイロウズに繋がりますね。


BUST WASTE HIP 全曲紹介

1. イメージ

アルバムの冒頭を飾るのはマーシー作のロックンロールナンバーです。
マーシーは前作から今作の間にソロ活動を行っており、名盤「夏のぬけがら」をリリースしており、創作の幅を広げた感じですが、このとにかくこの曲の特筆すべきは歌詞ですね。

冒頭のこれが結構好きだったりします。

お金があるときゃ そりゃ酒でもおごってやるよ
お金が無けりゃあ イやなことでもやらなきゃならねぇ
くだらねぇ仕事でも仕事は仕事
働く場所があるだけラッキーだろう

そして特筆すべきはサビですね。

イメージ イメージ イメージが大切だ
中身が無くても イメージがあればいいよ

すごい皮肉というかなんというか、攻撃的なマーシーならではの歌詞ですね。


2. 殺しのライセンス

メロディは軽快なんですけど、結構エグイことを言っている歌詞ですね。
合法的に人を殺せる「殺しのライセンス」を道で拾った主人公は、悪者をどんどん退治してこうと決意した、そんな歌詞です。
曲調がポップすぎて向いてなかったと思われますが、DEATH NOTEの主題歌は是非この曲にして欲しかったですね。
個人的にはBメロの「内ポケットに~」のところが好きです。


3. 首つり台から

ブルーハーツの8枚目のシングル曲ですね。そんな知名度は高くないと思いますが・・・笑
この曲はYouTubeサムネでも表示されていますが「爆発犯人」として扱われているのが良いですね。

この4人は80年代中盤より、音楽を武器に善良なハートを爆発させ、神出鬼没の明るさで、現代の人々の夢に油を注ぎ続ける極楽過激派、ザ・ブルーハーツのメンバーです。ステージとあまり変わらない服を着て、夕方の商店街などにいたりします。

曲調はこれまたポップで、イントロ~Aメロはスカっぽい裏打ちなんですけど、Bメロでぐっと盛り上げて、サビをサクッと歌う感じです。
この曲もBメロが好きですね。

このシングルの前にシングルリリースされた情熱の薔薇が最高に売れたにも関わらず、その次のシングルで「お金のために苦しまないで」と俯瞰視して歌えるのは流石です。


4. 脳天気

マーシー作のカラッとした曲です。
以前にライナーノーツで、パンクロックライターのイノマー(R.I.P)がこのアルバムではこの曲(とラストのナビゲーター)を推していたのを覚えてます。

マーシーがソロでも歌っているらしい曲で、お気に入りなのが垣間見えますね。
歌詞も良い意味で適当で、ちょっとハイロウズっぽい感じもしますね。
聞いていて元気になる曲です。


5. 夜の中を

ブルーハーツでは珍しい「冬」をテーマにした曲で、歌詞から情景が浮かぶバラード調の曲ですね。
「シャララララ」というオノマトペも使っており、2ndのロマンチックにも通じるような、ロマンチックな曲です。
マーシーの世界観が色々と伝わる、そんな曲ですね。


6. 悲しいうわさ

この曲は謎に僕の姉が家でよくテープで聞いてました。
なので小さいころから存在と歌詞をなんとなく知っていた曲ですね。
とにかく悲しいうわさを聞いて悲しいという、そんな曲です。
八代亜紀がトリビュートで歌っているのもなかなかセンセーショナルでした。なぜあんたがこの曲を笑


7. Hのブルース

この曲は・・・あまり覚えてないですし、唯一YouTubeで音源が見つからなかったのでカヴァーを貼っておきます。
このHとはヒロトのことらしいですね。ヒロトのブルースという曲ですが、正直あまり印象にないっすね笑


8. 夢の駅

この曲はレゲエ調で結構好きです。
ベースラインが特徴的で、当時覚えた記憶がありますね。
個人的にこの曲はTRAIN-TRAINの続編と思っていて、栄光に向かった列車が「幸せばかりの夢の駅」に到着したと解釈しています。
ハッピーな曲ですね。


9. 恋のゲーム

この曲は大好きです。
小さいころから姉がこの曲をよく家で聞いていたので、すごく印象に残っていたんですが、高校で改めてこの曲と再会できて非常に良かったですね
王道のコード展開のシンプルな曲で、演奏とかメチャクチャ簡単なんですけど、最高に心に残る曲です。
もう全部サビみたいな感じの曲ですが、イントロもいいし、「ジプシー夜の口笛を」のところも良いですし、「アダムとイブ ジュリエットとロミオ」も好きですし、最後の「恋のゲーム」の連呼のところも好きですし、アウトロも好きです。
最高のラブソングですね。


10. スピード

この曲と次のキューティパイはマーシー節が炸裂して最高にカッコいいです。
この曲もシンプルなロックンロールでカッコいいですし、最後のAメロでヒロトのボーカルが二重で聞こえるところも非常にカッコいい。
ものすごいスピードを感じる曲ですね。


11. キューティパイ

これもマジでカッコいいです。
普通円周率をここまでカッコよく表現できないですよね笑
この曲で円周率を覚えたキッズは多かったでしょう笑
昔滋賀で活躍していたキューティーパイというスカバンドがSEをこの曲にしていてカッコよかったですね。


12. 情熱の薔薇

ブルーハーツのシングルでオリコン1位を記録した曲であり、1990年の年間
シングルランキングで7位
という、ファンだけではなくお茶の間にも知られている名曲 of 名曲ですね。
この曲に関しては「カッコいい」以外の形容が難しく、ろくでなしBLUESで仕事中の浜田が口ずさむくらいの名曲です。

メロディも、一回だけで終わるサビとかの構成もかっこいいんですけど、やはりこの曲で特筆すべきは歌詞でしょう。
あまりにも素晴らし過ぎてダイスケ・ホンゴリアンが絵本にしたくらいですね。
それだけ童話になっても違和感が無い、メッセージ性の強い曲です。


前にも多分書いてると思いますが、僕は中学校の卒業文集に下記のリリックを寄せました。

なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せ なるべくいっぱい集めよう

そしてこの曲は謎にこのnoteでPVが多い小島トリビュートでカヴァーしているんですけど、そのトリビュートアルバムの中でぶっちぎりで一番カッコいいのがこの曲でした。
そして今もカヴァーされてCMなどでも使われている、時代を超えた名曲ですね。


13. 真夜中のテレフォン

このアルバムで唯一の河ちゃん曲です。
河ちゃんの声はヒロトともマーシーとも違って奇麗で澄んでいて、良い感じのアクセントになっている曲ですね。
このアルバム終盤の位置も絶妙です。


14. ナビゲーター

この曲も素晴らしいですね。
イーストウエスト・ジャパン移籍移行をブルーハーツの後期と定義するのであれば、後期を代表する名曲と思っています。
イントロのリフが大好きで、よくギターで弾いていました。
ラストに盛り上がっていく展開がとても奇麗でラストに相応しい、最高に盛り上がる曲ですね。
もっと評価されていいと思っています。


「BUST WASTE HIP」のヒロトとマーシー

今作で2人が作った曲はヒロト6曲、マーシー7曲、河ちゃんが1曲です。

ヒロト作
殺しのライセンス、首つり台から、夢の駅、恋のゲーム、情熱の薔薇、ナビゲーター

マーシー作
イメージ、能天気、夜の中を、悲しいうわさ、Hのブルース、スピード、キューティパイ

河ちゃん作
真夜中のテレフォン

このアルバムにおいては、「恋のゲーム」「情熱の薔薇」「ナビゲーター」と好きな上位3曲がヒロトの曲なので、「ヒロト派」ですね。
これでヒロト2勝、マーシー2勝となりました。

そんな感じで次作はブルーハーツファンの中でも最も評価が低いHIGH KICKSを紹介します。

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