#784 アルバム論51|THE HIGH-LOWS / ↑THE HIGH-LOWS↓(1995)
今回より、↑THE HIGH-LOWS↓(ザ・ハイロウズ)を紹介させていただきます。
オリジナルアルバム8枚+B面集の「FLIP FLOP」まで全9回、本当に楽しみですね!
GO!ハイロウズ!GO!
THE HIGH-LOWS(ザ・ハイロウズ) 登場
ブルーハーツが「PAN」をリリースしたわずか3カ月後の10月1日、ハイロウズは今回紹介する1stアルバム「THE HIGH-LOWS」と、1stシングル「ミサイルマン」を同時にリリースして鮮烈なデビューを飾ります。
元々は真島昌利(マーシー)が、ブルーハーツを解散して新しいバンドを始めようと、ブルーハーツ時代から繋がりがある白井さん(ミッキー)、大島さん(おーちゃん)に声を掛け、メンバーを集めている中で調(べっちゃん)に声をかけ、そして一番最後にヴォーカルを探している際に、ヒマそうだった甲本ヒロト(ヒロト)を誘ったという笑
ブルーハーツ時代は「等身大な若者の代弁者」みたいな感じで共感され、崇拝され、偶像化されて大きくなりすぎて、皮肉にもメンバーが信仰に深入りしてしまったりで結局は上手くいかなかったですが、その辺の若者からの期待という荷物を全部捨てて、必要以上にメッセージ性を考えず、共感されなくてもいいやというマインドの「大人のロックンロール」を楽しんでしたのがハイロウズでして、そんなハイロウズが僕は大好きでした。
ちなみにそのブルーハーツが捨てた荷物はハイスタが代わりに拾ったと僕は解釈してます。ブルーハーツが解散した95年にハイスタが「GROWING UP」をリリースしたというのもありますし・・・
「THE HIGH-LOWS」とは?
ブルーハーツとハイロウズだと、ほとんどの人はブルーハーツの方が良いというと思いますが、僕はリアルタイムで追いかけていたのと、大人のロックンロールを魅せてくれるハイロウズの方が好きでした。
このアルバムも、個別にはこのあと紹介しますが、とにかくブルーハーツ時代と比べるとタイトルも適当、歌詞も適当、ただ演奏テクやグルーヴはブルーハーツを凌駕する・・・そんなパワーがありますね。
そして総じて、ヒロトとマーシーが本当に楽しそうに感じます。
ブルーハーツ終盤には感じられなかった自由があり、自由がありすぎるが故にオーディエンスを置き去り、僕の琴線にも全然触れない楽曲も存在したりするのですが・・・笑
「THE HIGH-LOWS」歌詞カードの紹介
ハイロウズはオリジナルアルバムは1枚以外はすべて持っているので、こっちも紹介します。
1stはリアルタイムでは買ってなくて、高校時代に先輩から貰った記憶がありますね。
「THE HIGH-LOWS」全曲解説
1. グッドバイ
いきなり、このグッドバイが1曲目なのがメチャクチャ強烈ですよね。
別れから始まるアーティストは後にも先にもハイロウズ以外存在しないでしょう。
とにかく歌詞的に、何をどう解釈しても「ブルーハーツとの決別」を歌っています。
とにかく「サヨナラする」を連呼するんですが・・・
唐突にこのエグい歌詞が出てきます。
これは容易に誰か想像できてしまうのですが・・・笑
答えはマーシーのみぞ知るですね。
サビで最後にこうして謝意を伝えてくれるので十分ですね。
律儀に1曲目でブルーハーツ時代のファンへの感謝、そして別れを告げるメッセージを贈るんですが、改めてデビューしたバンドが1stアルバムの1曲目で普通歌う曲じゃないです笑
そんな感じでどうしても歌詞に着目してしまいますが、マーシーの印象的なギターのリフが続き、「バイバイバイ」のコーラスも映える名曲ですね。
序盤ではタイトル的にライブの最後で歌っていたようですが、多分速攻その文化は廃れましたし、終盤はほぼライブでも聞いたこと無いですね笑
この時点でフリースタイル、なんでもありなハイロウズ感が出ていますね。
2. ママミルク
この曲はメッセージ性が皆無な曲です笑
1番はママにミルクを求める真っ当(?)な歌詞なんですが、2番はドイツの通貨のマルクを求め、3番はコルクを求めるダジャレな歌詞なので、恐らく4番が続くのであればシルクを要求し、5番ではラルク(L'Arc)が出てくるかもしれません笑
そんなふざけた歌詞の曲ですが、クソカッコいいです。
元々カッコいいと思ってましたが、2002年のライジングサン、1曲目がこの曲だったのエグかった。ライブで聞くと最高にカッコよかったです。
ピアノとドラムだけで始まって、そこにギターとベースとブルースハープが乗るグルーヴ!エグいです!ブラックミュージックぽくて◎です。
そして最後の「おおママ、コルクをちょうだい」で演奏が止まり、ヒロトの独唱となって、続けてバンド演奏が乗る所は鳥肌モンです。
この辺はブルーハーツ時代にも出せなかったグルーヴであり、新メンバーでやりたかった感じの曲かも知れませんね。
3. ミサイルマン
ハイロウズの1stシングルにして、活動停止までセットリストに残り、ファンから愛され続けた90年代後半を代表するロックンロールナンバーですね。
もうこの曲は「カッコいい」以外の形容が難しかったりします。
おーちゃんのドラムが始まると、オーディエンスは両手を上げて掌を合わせてミサイルの形を作り、マーシーが奏でるギターリフのイントロで踊り、ヒロトの「ミサイルマン!」で大爆発!
そして全員が入ってからのイントロはギターもですが、ベースがクソカッコいいです。
この曲はイントロが最高にカッコいいんです。
そして曲が始まってからも畳み込むような展開で、とにかくイカしたロックンロールのまま終わるんですが最後までカッコいいです。
未成年でも使われていましたね。
デビューシングルだけにメディア露出にも力を入れており、色々な番組で披露してましたが、POP JAMバージョンも、HEY!HEY!HEY!バージョンもカッコいいですね。
今聞いても本当にテンションがあがる、最高の曲です。もう30年前か・・・
4. BGM
続くBGM、この曲は「CDLPMDDAT BGM OH BGM」と、アルファベットの羅列。「CD」「LP」とか単語には意味はありますが、全体を通すとほぼ歌詞には意味は無い感じのゆるい曲で、ヒロトが感覚で書いた歌詞だと思います。
そんな歌詞なんですが、稀代のメロディメーカーであるヒロトが作っただけあり、ポップでメロディアスで覚えやすい曲で、キーボードが終始いい感じですし、「生まれ方~」の後ろのベースラインも良いですね。
最高に楽しい曲です。
ハイロウズがデビューしたタイミングでWOWOWでライブをやっており、姉がそれをVHSで録画していて、ちょくちょく家で見ていたので、僕も無意識にこの曲は覚えていました。そんな記憶もあります。
5. ジュー・ジュー
マジでハイロウズという感じの曲ですね。
このジューは「自由」であり、肉的なものが焼けているオノマトペではないんですが、「お金を燃やした」という歌詞もあるので、ちょっとしたダブルミーニングになってるのかと思わせつつ、そうでもないような・・・とか、色々推察されますが、恐らく何も考えてない、そんな曲です笑
6. ツイスト
全体的にポップで楽しい曲ですね。僕の姉はこの曲が一番好きでした。
ブルーハーツっぽいようなエッセンスもありますが、やはり白井さんのピアノがかなりバンドに馴染んでいる感じもあって、やはりハイロウズならではの曲って感じがしますね。
P.M.Aな姿勢で恋愛を肯定し、とにかく踊ろうというパーティー・チューンですね。
7. スーパーソニックジェットボーイ
このアルバムの中ではミサイルマンに次いで、セットリストに残り続けた曲ではないでしょうか?
とにかくこの曲も大好きですね。
マーシー節が炸裂する、本当にカッコいい曲です。
いきなりこれで始まりますからね笑
全体を通してギターが印象的なミドルテンポなロックンロールなんですけど、この曲も歌詞がいいですね。個人的に好きなのはこの2つ。
とにかく現状を肯定でも無いんですけど、余計なことを考えずに楽しく行こうぜという感じの曲で、まさにハイロウズそのものを歌っている気がします。
「どうでもいいじゃないか、そんなことはどうでも」って感じですね。
ライブでは前述の2002年のライジングサン、アンコールで聞いたのが唯一でしたが、本当にカッコよかった。アンコールに相応しい曲でしたね。
8. なまけ大臣
初めて聞いた時、タイトルを意識しないで聞いていて、サビの「ゴロゴロ ゴロゴロ ゴーロゴロ」が印象に残っていたので、カミナリの曲だと思っていたんですが、まさか仕事をサボって横になっているオノマトペとは思わなかったですね笑
この曲を初めて聞いた時、「大臣」という存在が身近にいなすぎて、一番身近だった大臣が、ドラクエⅤでグランバニアでクーデターを企てるあの悪い大臣だったので、謎にその大臣を思い出します笑
9. ヤ・バンバ
終始ゴキゲンなロックンロールです。
ヤ・バンバは言葉の意味は良く分からないですが、とにかく強い自信を感じるグルーヴですが、「野蛮」からきてるのでしょうか?
イントロからAメロはマーシーのリフが印象的なゴリゴリのロックンロールで、サビは割とメロディアスになる感じです。
ライブで聞いたら楽しいだろうなと思わせる曲ですね。
10. ビッグ・マシン
恐らく卑猥な曲ですね笑
「ビッグ・マシン」、大きいマシーンという事で、推察できると思います笑
その前提で歌詞を見ると、全部アホに感じてしまいますので是非チェックして欲しいですが、「常識を遥かに超える夢の下半身」とか、「濁った水が流れていく、 OH!ミシシッピー!」とか笑
とてもブルーハーツで教科書に載る詩を書いた男と同一人物とは思えない、ヒロトの「遊びぐせ」が出てしまった曲ですね。
11. バナナボートに銀の月
マーシーも歌います。
最終的にでマーシーがメインで歌った曲は4~5曲くらいしか無く、ブルーハーツ時代に比べたら減ってしまったのですが、相変わらず嗄れ声でマーシー節が炸裂してくれております。
そして相変わらず手持ち無沙汰なヒロトがブルースハープを聞かせてくれる感じですね。
この曲はライブバージョンのがカッコよさが倍増しますね。
YouTubeには無かったのでこことかで見て欲しいですね。
12. 日曜日よりの使者
そしてこのアルバムの最後を飾る曲は、ハイロウズで下手したら一番有名な曲かも知れません。
「シャララーラ シャラララーラ シャララーラ シャラララーラ」でお馴染みのピースな曲ですね。
ごっつええ感じのエンディングテーマであり、TOYOTAのCMでも使われ、その後もコンスタントに色々な場面で使われ続けており、誰もがこの曲は1度は聞いたことあるのではないでしょうか?
ごっつええ感じが放映していた「日曜日」より、国民を笑わせる「使者」としての松ちゃんについて歌っている説もありますが、真相は定かではありません。
このアルバムで一番ブルーハーツらしさを感じさせる曲です。
このアルバムというか、ハイロウズは結成したてのころは「ブルーハーツとの違い」を色々な所で顕著に出しておりましたが、さすがにこの曲くらい、日本中で愛されるような曲になると、そんなのどうでもいいと思えますよね。
ライブでは一度も聞く機会が無かったんですが、高校の頃に卒業祝賀イベントで当時一番人気だった新任教師がこの曲を弾き語りして会場は沸いていましたね。
「THE HIGH-LOWS」 ヒロト曲とマーシー曲
ブルーハーツ編に引き続き、ハイロウズでもアルバムごとに考察したいと思います。
全12曲で6曲ずつなので半々ですが、こうしてみるとマーシーの方が「脱ブルーハーツ」している印象がありますね。
そんな感じですが、このアルバムでどっち派?と聞かれると、やはり結成時から最後まで歌い続けた「ミサイルマン」と、いまだに国民に愛されている「日曜日よりの使者」を作ったヒロトに軍配があがりますかね。
そんな感じで、このアルバムではヒロト派です。
おまけ
そんな感じで1stから5,000文字を超えてしまい、改めてハイロウズが好きだったことを実感しつつありますが、まだまだ始まったばかりですし、ここから盛り上がっていくハイロウズについて書けるのが非常に楽しみですね!
では次は2ndのTigermobileを紹介します!
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