ケイゾクSPEC

今さら聞けない!?ケイゾク&SPEC

今回取り上げるのは、時間こそ経っているものの、取り上げたい、ある作品"たち"について。
今さら!?いえいえ…

今こそ、観て欲しい!!!!!

と声を大にして言いたい。
とにかく面白い2作品について、説明させてくださいよ。
(初めての人に向けた内容で、端折ったりしてるのでファンの方は大目に見てくださいね)


■SPEC・ケイゾク基礎知識

まず、みなさまは「SPEC」という映像作品はご存知でしょうか?2010年にあの戸田恵梨香さんと加瀬亮さんが主演した、異色の刑事ドラマです。  

  「SPEC」2010年10月期にTBSで放送された連続ドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」。警視庁公安部の特殊捜査官である公安部公安第五課未詳事件特別対策係、通称"未詳"に当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)の2人が配属され、“SPEC”という特殊な能力を持つ(スペックホルダー)犯罪者を追うというストーリー。2012年にスペシャルドラマと映画「劇場版SPEC~天~」で続編を描き、2013年に映画「劇場版SPEC~結~(クローズ)」を“漸(ゼン)ノ篇”、“爻(コウ)ノ篇”の2部作を公開し完結。

完結後、主演の戸田恵梨香さんは「SPECが終わることによって私の道筋みたいなものも一つ終わるのかな」と語っており、彼女にとって役者人生の転機となるほどの作品なので、戸田恵梨香さんが好きな方はぜひ。

そして、「ケイゾク」という作品も覚えていますでしょうか。
こちらは1999年の作品になるので、知らない方もいらっしゃるかも。

  「ケイゾク」迷宮入りの事件を担当する警視庁捜査一課弐係、通称"ケイゾク"に配属された東大卒の天才刑事・柴田純(中谷美紀)と、真山徹 (渡部篤郎)が難事件を解決していくミステリー。1999年に放送されたTBSの連続ドラマで、のちに特別篇、2000年には「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer」が公開されました。

どちらもTBSで放送され、プロデューサーは植田博樹、メイン脚本は西荻弓絵、メイン演出は堤幸彦という作品。
まぁ普通に観ている分には、2作品ともに演出が堤幸彦監督なので、どちらも仲間由紀恵と阿部寛のドラマ「TRICK」(テレビ朝日系列で放送)のようなコミカルな掛け合いがあり、それでいてシリアスなストーリー展開がある。っていう似たような空気は感じられますが…。  

じつは「ケイゾク」と「SPEC」は、ドラマや映画ではよくある同じ制作陣による2作品。というだけじゃないんです。  


■続編?同じ世界なのにちがう2作品。

なんとこれらの作品、それぞれタイトルはちがいますが、実は世界観が同じなのです。
というのも「SPEC」は「ケイゾク」の10年後の設定。
しかも「SPEC」放送開始直前までは公式に『ケイゾク2』と呼ばれていたという経緯まであります。つまり、ケイゾクシリーズ1作目と2作目という風にも言い切ってしまってOKです。

ただ、両作品を見てみると分かりますが、世界観や空気感こそ似ているものの、ちがうところがたくさん見受けられます。
どちらの作品も、男女の刑事コンビが繰り広げる、ギャグを散りばめながらも"刑事"として事件解決、成長していくストーリー…というような流れは同じものの、
もちろん主人公はちがうし、推理ミステリーが基本の「ケイゾク」に対して、「SPEC」は、ケイゾク同様の推理ミステリー…かと思いきや超能力者と戦うSFモノ、という違いがあります。
(一言で言い切ってみましたが、個人の感想です)

「ケイゾク」も推理ミステリーが基本といいつつも、
ドラマ前半は『鋭意、“継続”捜査中』という未解決事件の依頼を解決していくという刑事モノですが、
中盤から何やら様子がおかしくなり、快楽殺人犯の”朝倉”との戦いがメインとなるSFミステリーとなっていきます。  

一方「SPEC」では、第一話から刑事モノであることを大きく裏切ります。主人公は推理していきますが、たどり着いた答えは、なんと犯人が超能力者。
ここから刑事モノをベースとしながらも、超能力者(スペックホルダー)の陰謀と刑事との戦いが始まっていく物語が展開します。


■ネタバレ注意(主に「SPEC」の)!物語のカギを握るのは「ケイゾク」のあの人①


このように「ケイゾク」と「SPEC」には、近い要素がありながらも結局繋がらないんじゃないか。というように見えます。
しかし、共通の登場人物が何人かいます。

ドラマにおいて作品を繋げるためのもっとも重要な人物は、野々村光太郎(演:竜雷太)。
彼は「ケイゾク」でも「SPEC」でも主役の刑事コンビを見守る係長(上司)という立場にいる同一キャラクターです。(近藤昭男(演:徳井優)も重要な出演をしていますが分かりやすくするため割愛)

そして、物語上で重要な登場人物といえば、「ケイゾク」主役の刑事、柴田純(演:中谷美紀)
彼女は「ケイゾク」から「SPEC」までの10年の内にみるみる昇進し「SPEC」に出てくる"未詳"を設立します。野々村係長が未詳に配属されたのも、当麻と瀬文が配属されたのも彼女の考えによるものです。

そう、すべては、「ケイゾク」から始まっていたのです。


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■超ネタバレ(特にケイゾク)!衝撃のあの人②はSPECホルダー?


では、なぜ柴田は"未詳"を作ったのでしょうか。これは「ケイゾク」「SPEC」の両方を観た人に分かることですが、明かしてしまいましょう。

"快楽殺人犯 朝倉"の存在があったからです。

彼は、推理ミステリーで進んでいたドラマ「ケイゾク」の中盤から徐々に怪しい行動を見せるようになり、人に暗示をかけて殺人を起こさせたり自分の顔や体を他人と入れ替えることができたような描写まで出てくるようになります。
その当時の視聴者は「ケイゾク」について、"途中までは推理して1話完結してたけど、謎の犯人朝倉が奇妙な事件を起こしはじめて、最後はなんだかわからないけど大きな陰謀?なのか巨大な何かが世界には潜んでいるんですね"ということで終わっていました。しかし視聴者は10年後の続編である「SPEC」を観てから、「ケイゾク」のある部分にハッと驚くことになります。

そういえば快楽殺人犯 朝倉は、"「SPEC」世界でたくさん存在するスペックホルダーと同様の能力をもつ者"だった。

つまり、10年越しに「ケイゾク」の犯人が当然のように超能力をもっていた理由が明かされることとなったのです。

警察も見過ごせないほど超能力者による犯罪が増えていったのも、あの朝倉の事件がきっかけだったということ、つまりすべて「ケイゾク」から始まった、ということなのです。

そして「SPEC」を最後まで観ると、朝倉の正体について何となく分かると思うので(けっこう哲学的ですが)全ての作品を観ることをオススメします。

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■なぜ"今こそ観て欲しい"のか!?最後のあの人③はツイッターに。


ドラマそれぞれが独立して異色のミステリーになっているのはもちろん、
この2作品のつながりを考えることもドラマの面白さにつながっていることが分かりました。

ではなぜ、今こそ観て欲しいと私が立ち上がったのか。
ちょっとこのTwitterを見てみましょう。

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これは何かと言うと、TBSで「ケイゾク」「SPEC」などのプロデューサーをしている植田博樹氏のツイッター。
植田氏にとって「ケイゾク」「SPEC」は特に思い入れのある作品で、以前からそれらしきツイートを見かけることはあったものの、しっかりと何かが動き始めたことが分かる重要なツイートなのです。

そしてこんなツイートも…

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これらも「ケイゾク」や「SPEC」に関することだと考えていいでしょう。
(画像内ニノマエデイとは、「SPEC」に登場するニノマエジュウイチ(演:神木隆之介)をファンが祝う日。1月11日のこと。)

つまり、来年2018年「ケイゾク」「SPEC」の続編にして完結編が始動するということだ。  

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当時センセーショナルな印象を与えた「ケイゾク」から始まり、壮大で衝撃的なラストを迎えた「SPEC」。そしてそれを完結へと導く最後の作品。
いったいどうなるのか、全てを観直して、本当の完結へ備えてみませんか?

→(20/06/11 追記)上記のプロデューサーの発言にあったものは、「SICK'S」という続編作品三部作としてparaviにて配信されました。また、「SPEC」キャラクターのスピンオフ作品も公開。これらについての紹介記事は近日公開予定です。

最後に、いいお知らせ。

今(2017/10/26現在)、Amazonプライム会員なら無料で「ケイゾク」「 SPEC」が観られます。※視聴は公開順がオススメ。

ケイゾク(テレビドラマ)ケイゾク特別篇(現在こちら有料)→ケイゾク/映画SPEC(テレビドラマ)SPEC-翔-(TVSP)劇場版SPEC-天-→SPEC-零-(TVSP)劇場版SPEC-結-漸(ゼン)ノ篇劇場版SPEC-結-爻(コウ)ノ篇


※全体の文章と、主に「ケイゾク」の朝倉の正体について、誤解を招く表現となっていたので修正、整えました。(20/06/11)

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