「SWITCH to HOPE」ボーダレスの新パーパスが生まれるまで(前編)
2023年10月11日、ボーダレス・ジャパンは新たなパーパス「SWITCH to HOPE」を発表しました。
この記事では、なぜ今、新パーパスを掲げるのか? その背景や「SWITCH to HOPE」に込めた想いなどを、ブランディングディレクターの工藤拓真さん、コピーライターの中村直史さん、ボーダレス・ジャパン代表の田口一成が語りました。
生まれるまでのストーリーを前編と後編でお届けします。
本質的な問いから生まれた新パーパス、なぜ今必要だったのか
工藤:
元々「ボーダレスのパーパスを考えよう」から始まったというよりは、「どうやったら社会の課題を本当に解決できるのか」という話から始まったというか、社会の課題を解決するために、どんなことが必要かという議論になっていましたよね。
中村:
そもそも、田口さんはどういう課題感があってこんなことしなきゃと思ったんですか。
田口:
これまで「ソーシャルビジネス」という言葉を使ってきましたが、社会課題をビジネスで解決する試みは、実効性が高い実感があり、もっとインパクトを出していくために一人でも多くの人が関われるようにしたいと思ってました。
一方で、一部の意識が高い人しかできないような見られた方をされる側面もあって(本当はそうじゃないのに)そこを誤解なく伝えるにはどうしたらいいかという課題意識がありました。
田口:
だから、この議論を始めた最初の頃にお2人から言っていただいたことがすごく心に残っています。
本当の課題は、ボーダレスが「社会課題、社会課題」と言ってることなんじゃないかと。あの言葉がどういう意図だったのか、改めて教えてもらってもいいでしょうか。
中村:
皆さんと話す中で、「なくならない社会課題」の話を何度も聞きました。その時に思ったんです。
世の中の人たちが、この話を聞いたとき、ボーダレスが世の中を見るその視点として、”この世の中は課題に溢れた” つまりネガティブな社会という出発点が果たしていいのかと。
僕自身は、ボーダレスのことは元々知っていたし、共感しているけれど、中を覗くとネガティブな課題ばかりで、嫌になってる人たちよりも、むしろポジティブな人たちが多い。
もちろん取り組む課題の1つ1つはクリティカルで大切な問題だけど、そういう姿勢に捉えられるともったいないというか、見え方のズレが起きるなと感じたんですよね。
工藤:
課題を見つけること自体が尊いし、それ自体すごいこと。そして、社会の課題解決に向けてすでに動き出している人は、きっとその先に笑顔とか希望とか、楽しいことが見えているんですよね。
だから、これから社会の課題に挑戦する人にも、そこを見せた方がいいなと思いました。ポジティブな側面が見えずに、「課題」という言葉だけ切り出されると重々しくなるというか。そこから、社会の課題から始まってそれを解決した先に何を置くかという議論をずっとしていた気がします。
最終的に「希望」という言葉を置いたのが大きかったのかなと。
みんなが向かう共通のゴールは「社会課題」ではなく「希望づくり」
田口 :
そこが自分にはなかった視点だったんですよね。僕たちがやっていることは、希望づくり。
ボーダレスのみんなが自分の人生の時間を使いながら事業をやっているのは「希望」をつくるためなのに、課題というフレームワークでメンバーに対してコミュニケーションをとっていたのは違ったなと思ったんですよね。
なので、このコピーをみた時「これだ!」思いました。
中村:
やはり、最終的なゴールは世の中が良くなっていくことですよね。田口さんがよく「大物より本物」とおっしゃってますが、世の中を変えるパワーを持った大物だけじゃなく、いろんな人たちがたくさん集まってきて、うねりとなって、何かアクションを起こす状態になることこそがゴールに近づくわけじゃないですか。
ゴールに近づくためのメッセージは、
いろんな課題があるけれど、
僕たちは変えられるよね。
別に大物じゃなくても
変えてる人はいっぱいいるよ。
変えれる、変えれる。できるじゃん
という感じがいいなと思っていました。実際、ボーダレスはそれを積み重ねてきてる訳ですからね。
田口:
僕は、中村さんがおっしゃったように、数人の超大物が世界を変えていくことも一つの変え方だけど、大切なのはたくさんの人が参加する変え方だと思っているんですよね。
一つのソリューションで世の中の人全員を幸せにするって難しい。だから、課題や困ってる人を助ける考えやアイデアを持った人が事業を起こして、世界中で立ち上がっていくことがSDGsでいう「誰1人取り残さない社会を作る」ことにつながると思うんです。
たくさんの人が向かっていく言葉が社会課題ではなく、「希望をつくる」ってとこにすごく腹落ちしてます。
「SWITCH to HOPE」という言葉をボーダレスは育てていく
工藤:
もう一つ大切な視点は、ボーダレスが本気で「商い」をしていることですよね。「希望づくり」と聞くと、魔法みたいに瞬時に変わるもののように聞こえるけれど、本当はそうじゃない。
田口:
まさに、僕たちは、ただお金を稼ぐためではなくて、商品・サービスを通して、本当に社会に良いインパクトを起こせるのかを追求したビジネスをしています。本当にいいものができたときに、世の中に広げるべきだと思うし、実際に広がる。商品・サービスづくりを丁寧にやっているのが実態だと思いますね。
中村:
だからこそ、「SWITCH to HOPE」という言葉は、ボーダレスが発するようになって、いい言葉になるぞという予感があります。
そしてみんなが言うようになる。なぜかというと、ボーダレスがやってきた社会を変えていくための血の通った商品・サービスに紐づいた言葉だから。
世界中にいる現場の人たちが「SWITCH to HOPEだよね」と言う。それを聞いた隣の人も。そこには別の課題があるかもしれないけど、これだって解決できる「SWITCH to HOPE」。
誰しもが連鎖的に言えるいい言葉だからこそ、今よりもっともっといい言葉として育っていく予感がしています。
田口:
本当に世界を良くしたいと思ったら、「自分の分野だけじゃなくいろんな分野が変わって初めて世界が良くなったと思える」そういう人たちが集っているのがボーダレス。共通のゴールは、みんなで希望をつくっていくことなんですよね。
工藤:
「みんな」は一つのキーワードですよね。ボーダレスの「みんな」がどこまでの人にかかる言葉なのかという議論も白熱しましたよね。そこから、「SWITCH toHOPE」を実現するためはどんな「集い方」や「ボーダレスとの関わり方」があったらいいのか?という話に発展していった気がします。
集い方の名称「ボーダレス・カンパニオ」、新たな関わり方の仕組み「ボーダレス・アライ」についての話は後編をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました
対談の様子は、動画でもご覧いただけます。
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