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キツい土曜日授業を乗り切るための6つのアイデアとは?

目次

①  なぜ土曜日授業があるの?

②  子ども達への負担

③  教師への負担

④  乗り切るために教員ができる6つのこと

⑤  ハッピー子育てアクション


①  なぜ土曜日授業があるの?

 3月からの休校の影響で、授業時数が足りません。そのために、土曜日に授業をしたり、夏休みをカットしたりして何とか授業時数を確保しようとして土曜日授業があります。私の勤務する小学校では、7月に3回、土曜日授業(全部5時間)が計画されています。

② 子ども達への負担

 休校期間中に自由な時間を過ごしてきた子ども達にとって、週6回の登校はつらいものがあります。大人でも、週に1回の休みはつらいですよね。

 さらに、塾に通っている子は悲惨です。例えば、土曜日に塾がある子はその土曜日分の塾に行けません。塾が考えることは、2つ。

❶  振替の授業を日曜日など別日に行う

❷  休んだ分の宿題が増える

 例えば、❶の土曜日の分を日曜日に振り替えた場合は、週休0日でまた月曜日を迎え、週6の学校が始まります。長い休校期間に慣れていた子どもにとっては地獄の1週間と化します。メンタル面も心配ですが、夏場で暑いこともあり、体力面も相当心配です。

③  教師への負担

 教師にとっては、自由な時間がない=ストレスが溜まることにつながります。

❶  教材研究する時間が減る→授業がうまくいかない→ストレスフル

❷  評価する時間がない→ノート指導や丸つけに追われる

❸  疲れがたまる(教員も週1日の休み)

 7月は通知表の時期とも重なるため、週6日の授業準備+通知表へ向けての評価+新しい学校生活への対応(消毒、検温、チェック業務)なども重なりハードな7月となりそうです。

④  乗り切るために教員ができる6つのこと

 そんな子ども達と教師の両方がキツい状況で何か手を打てるとしたら、どんなことがあるだろうと「教員✖️保護者」の私が考えてみました。


一、授業内で丸つけを完了させること


 これは、さる先生こと坂本良晶さんの著書「全部やろうはバカやろう」にも書いてありましたが、

授業中に「丸つけ→直し」までを完了させてしまうことです。方法は次のようなものです。

少し余裕を持って、テストを始めます。

1   終わった子からテストを先生に持ってきます。立ったら席に戻ることはできません。(他の児童の答えを見て戻るカンニング防止策)

2  丸つけをします。このときに、丸つけ&その児童の点数の記入を終わらせてしまいます。だいたい一人の児童に裏表で30秒です。教えないといけないところはその子だけに聞こえるような声でそっと解答方法を教えます。うっかりミスは自分で直させます。

3  丸つけが終わったら、その児童は席に戻って直します。漢字テストの場合は、目安が5回。何回書いたら覚えられるかはその子に決めさせます。その決めた回数で覚えられない場合は、回数を増やすように助言します。また、ミスがたくさんある児童は「1回でもいいよ」と伝えます。

4  直したものを再提出して終わりです。

5  終わった児童は、自主学習や読書をして待ちます。

ちなみに、私は3年連続40人学級という奇跡を体験している最中ですが、何とか丸つけ&直しまで終わります。直しが終わらない子はその日の帰るまでには提出させます。


二、読書を推奨すること(自主学習への第一歩)


読書は、自主学習への第一歩です。そのために、良い本を準備すること。推薦図書を交流させること。読書し終わったら、読書日記をつけること。とにかく本は「眺める」のではなく、「反応しながら読む→うるさく読む」ことを推奨します。ぼーと読んでいるのは読まないのと一緒。「すごっ」「何で?」「ぼくは違うと思う」など感情を揺さぶるように読むことを常に推奨します。その読み方が子どもにも伝わっていきます。


三、自主学習をさせる(次の休校に備えるためにも大事な力)


けテぶれという言葉を編み出した葛原祥太さんは、自主学習の大切さを本の中で説いています。

け…計画 テ…テスト ぶ…分析 れ…練習というサイクルを回すと、勉強がおもしろくなり、自分で学習する子どもになっていくことを説明しています。

ちなみに、私は自主学習をしたらひたすらそのノートをカメラで撮って紹介します。そうすると、「勝手にお互いを認め合う良いクラス」ができていきます。

さらに、紹介してもらおうとノートの質も高くなるため、チェックしている教師も楽しくなってきます。第2波に備えるためにも子ども自身が学習する習慣を作っていきましよう。


四、授業内でノート指導を完了させること


授業の終わりに振り返りやまとめを書くことってありますよね。そのノートは、教員が見ないと雑なものになっていたり、書いていなかったりします。また、教員としても子どものことを評価できないことになったり、子どもが何を考えているかわからなかったりするためチェックする必要があります。

そのノートチェックってどうしてますか?ノートを集めて赤ペンでコメントを書くという80分コースを選んでいませんか?ノートを見るのに30秒。コメントを考える30秒。コメントを書く1分。合わせて2分の40人学級で80分。このコースを毎日やっていませんか?

私は、これをやっていると倒れてしまうので、日々のチェックは、「シール&一言コメント」という道を選んでいます。

シールの効果って絶大で子どもはすごくやる気を出してくれます。

「シール貼るから持ってきて!」

というパワーワードをいうと39人は提出してくれます。(のこり一人は強者。)そこで、ノートの内容を5秒で見て、コメントを言えばノートチェック完了です。「たくさん考えられたね」「◯◯という考え方がいいね」「今日の発表よかったよ」など一言かけることが子どもとのコミュニケーションになります。

ちなみに、がっつりノートチェック80分コースは学期に1回評価の際に行います。


五、空いている時間に宿題をやってもよいことにする。


宿題というとだいたいの内容(小学校)は、❶漢字の練習 ❷計算の練習(計ド)❸自主学習 ❹音読の4つが基本です。

「宿題は学校でやってはいけない」という理由は何でしょう?

A先生:「家庭での学習習慣をつけるため」

たまにいますが、家庭で学習する必要ってありますか?大人で言うと、「仕事は家でする習慣をつける」といった感じでしょうか?私は家でほとんど仕事をしないのでA先生の理論には賛同できません。

B先生:「家で反復練習をして、その学力を身につけさせるため」

反復練習が必要なのには賛同しますが、家でやる必要はないですよね?学校で空いている時間に反復練習が完了したら家で自由なことができます。

「勉強したい!」といっている人に「ダメ!」という権利は誰にもないですよね。特に、土曜日授業で時間もないので、❶漢字❷計算❸自主学習の3つは空いている時間にやらせて、❹の音読は家でやってもらう。または、❹の音読は土曜日授業だからなし。くらいにして、せめて1日ゆっくり家で休ませてあげたいものです。(子どもも教員も)


六、帰りの会の間に通知表の所見を一人分ざっくりと考える。


帰りの会の時に一人のよいところを注目して、その子にいいところをみんなでシャワーのように浴びせる「ほめ言葉のシャワー」。NHKのプロヘッショナルにも出演した菊池省三先生が提唱された実践です。

毎日帰りの会で行っていますが、この間に教員がやることはひたすら子ども達が言ったほめ言葉のシャワーを記録することです。私は、Ipadに打ち込んでいますが、録音するでもよいと思います。その記録した内容をもとに、その児童一人の所見を完成させてしまいます。そうすると、1日1人の通知表の所見が完成します。だいたい完成した所見に学期末で体裁を整えれば通知表も完成します。

ちなみに、ほめ言葉のシャワーを子ども達が言った後に先生からもその子のよいところをほめてあげると子どもはとっても喜びます。ぜひ、帰りの会で取り入れてみてください。

⑤  子育てハッピーアクション

・教員も無理しない(その授業内で丸つけ・ノートチェックをし、早く帰る)

・子どもも無理しない(家で宿題をしない。学校で空いている時間に宿題をする。家では好きなことをする。)

・保護者も無理しない(家で宿題すべきという固定観念を捨てる。土曜日の授業がんばったから家ではゆっくりしてねとゆったり構える)

土曜日も授業で週6でみんなそれぞれ頑張ると思うので、お互いにイライラせずに、認め合って、許し合ってハッピーに暮らしていきましょう。

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