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散文とか短編小説とか

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僕の回りくどい手紙のような散文
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#あらゆる戦争に反対します

ガザのこと

 本書の著者である藤原亮司さんは、パレスチナの状況を長年にわたり取材されてこられた日本人…

卍丸の本棚
3週間前
8

パレスチナと日本の災害対応:連携する不平等

国内外での平和への訴え先週、金沢市内の交差点で信号待ちをしていた。車窓の外にガザ侵攻反対…

卍丸の本棚
1か月前
8

閑話休題:アベノミクスの功罪 ── 一時的効果とその後の構造課題

アベノミクスの概要と一時的な効果X(旧Twitter)を見ると、トレンドに「アベノミクス」があ…

卍丸の本棚
2か月前
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『非-知』と現代社会の危機

はじめにジョルジョ・バタイユが提唱する「非-知」の概念は、合理性や理性主義に対するラディ…

卍丸の本棚
2か月前
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対立と調和─思考実験:真空状態と運命の関係性について

要旨本エッセイは、偶発性と不確定性に着目した数理モデルと文学的思索を織り交ぜながら、人間…

卍丸の本棚
2か月前
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人間存在の複雑性 補足

章立て、加筆致しました。 難解で抽象度が高すぎるきらいがあり、一般読者層にはハードルが高…

卍丸の本棚
3か月前
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人間存在の複雑性──バタイユの視点から

0.要旨 『人間存在の複雑性』をテーマに、本エッセイは人間の存在の意味、対立と調和、内面的葛藤、ジェンダーのアイデンティティ、芸術を通じた感情表現の探求を展開する。サルトルやバタイユの哲学を踏まえ、人間実存の曖昧さと矛盾を統合へと導く道を探り、自己と他者、個人と社会の関係性を深掘りし、新たな自己を生み出す可能性を示唆する。文学作品を引用しながら、ジェンダーの多様性と芸術の力を探究し、人間の精神の頂点への道を照らす。 1.序論1.1.執筆動機  昨今の時事問題、戦争や紛争、

雨が降り

 つめたくもあたたかくもない雨がそぼふる中、ふいに、いつも通る苔の生えかけた階段に目をと…

卍丸の本棚
3か月前
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77 x 3の求め方

77 x 3の求め方 7 x 3=21 2 + 1=3 ∴77 x 3 = 231 複素数の場合はどうか?──複素数の場合な…

卍丸の本棚
3か月前
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散歩道

つめたい夕暮れ、喧騒のなかで、雪のことを考えていた。 夢の中のその雪はやがて雨に変わった…

卍丸の本棚
5か月前
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Museu Picasso──バルセロナのピカソ美術館

 スペインの偉大な画家の絵は、どれも無言のまま語りかけてくる──晴れたり曇ったりするなか…

卍丸の本棚
7か月前
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短編連作『沈める寺』 あとがきのようなもの

 民族の物語を語り継ぐことのない民族はやがて滅ぶ、とトインビーが確かどこかで書いていた気…

卍丸の本棚
7か月前
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蜘蛛の庭 #シロクマ文芸部

珈琲と、突き抜けた青に舞う落ち葉と、揺れる秋桜。 黒ずんだ褐色の滲み、遠くの瓦礫、聴こえ…

卍丸の本棚
7か月前
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風の色彩 #シロクマ文芸部

秋桜と彼岸花が、いのころ草のひろがる草原に、ぽつりぽつりと群生し、それぞれに、感情を持たず、ありのままに、揺れている──風が見える、おだやかな夕暮れ。あたり一面黄金いろのひかりの粒子が舞っていた。 もうすぐ暗くなるよ、そろそろ帰ろう。とぼくは、娘の背中に言いかけて、やめた。 星の少ない秋、南東やや上に、木星がひかり、惰性のようにしてそのすこし上で、一等星のフォーマルハウトが慎ましくたたずむ。 ぼくらふたりのあいだを、黄昏が飛行し、塵のような星の砂たちが天の川へと立ち昇る