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雨の中の読書会/東京・初台オフ②2020.2.15 レポート

== 雨の中の読書会 ==
東京・初台オフ②2020.2.15 レポート
■ 場所:
「コズミックダイニング・ガイラ」(京王新線初台駅下車)
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13009248/
■ 日程:2024年1月20日(土)18時~
■ 参加者:11名(男性6、女性5)
・今村(主催) ・フジイ ・奈緒
・エモリ ・むらて ・kuu ・MS
・JACKこと天野 ・ネギシ
・アンドウ ・まりこ
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【1】紹介の本・感想の声

下記について、参加者に直接書いてもらっています。
それぞれの声での、それぞれの紹介となります。
(順不同)

1.レポートに載せる名前
2.紹介本のタイトル 作者名 出版社
  この本のアピールなど(あったら)
3.今回のオフ会の感想など(面白いと思った本、その他)

◆◆◆◆◆

1.奈緒
2.
『高野山』山本音也(小学館)
斬新&新鮮、そして妙味。比叡山焼き討ち後。信長による高野山攻めを下敷きにしつつ、戦国最大のミステリーといわれる本能寺の変までを描いた作品。数あるこの手の小説の中でも、高野山側の視点、密教をベースにした話は初めて。真言密教の僧や修験者らの暗躍が歴史を動かしたという設定がまったく破綻しておらず、最後まで「もしかしたら」と想像を掻き立てられながら読み進めた。信長家臣・佐久間信盛の挿話も効いているし、光秀がなぜ?もなるほどの流れ。歴史の「if」の醍醐味を存分に堪能させてもらえる一冊です。
『吐きたいほど愛してる。』新堂冬樹(新潮文庫)
事件ものやミステリー系とはまた違う「黒新堂」を堪能できる、グロくてエグい恋愛小説。白と黒は、恋愛においては表裏一体かもしれない。エスカレートする異常な愛情は狂気にも凶器にもなり、この世を地獄に変え、人を壊していく。超自己チュー男・毒島半蔵のキャラがすごくて、一話目から悶絶。肉◯◯チャーハンって、もう! 振り切り具合が素晴らしすぎます。けど、現実にとち狂ったストーカーなどはいるわけで。この作品集に出てくるようなやつって、存在しないとも限らない。グロに耐性のある自分は四話ともに楽しめたけど、取り扱い注意です♡ この作品を肴に、京都で一人呑みした自分が怖い(笑
3.
久しぶりにお会いできた方もいて、楽しかったです。というか、いつもオフ会は楽しいです。知らなかった本、読みたい本がざくざく出てくるので、参考になります。

◆◆◆◆◆

1.フジイ
2.
『自虐の唄』上下巻 業田良家 竹書房
四コマ漫画です。前半は似たようなエピソードの繰り返しで少し退屈ですが、中盤あたりから主人公の幸江さんの不幸な子供時代のエピソードが混ざりはじめると、徐々に深みがでてきます。今回読み返して、僕はラストのエピソードで号泣してしまいました。ベタな話が好きな人にはいいかと思います。
3.
今回は自転車で行ける場所というのも嬉しかったです。
『ケーキの切れない非行少年たち』は読みたいと思いました。

◆◆◆◆◆

1.今村
2.
『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』都築響一 晶文社
『ROADSIDE BOOKS ── 書評2006-2014』都築響一 本の雑誌社
この2冊は、同じような書評本。
トータルで凄い数の本が紹介されている。
そのほとんどは、初めて見る本。つまり、売れている本ではない。
しかし、面白そうなのだ。確かに価値があることを感じることだできる。
書店で売れている本が良書でないことが、わかる。
どうしようもなく本を買いたくなる。
『夜間飛行』北迫薫 新潮社
読み終えて数日が経っても、いまだに余韻が残っていて、ときどき目頭が熱くなる。
濃厚、濃密、何と言ったらいいのだろうか、人生の深みを感じる。こういう本を読むと、世界の見え方までも違ってくるように思う。
小説であるけれど、ノンフィクションノベルと呼ぶべき本だろう。第三の新人の作家たち、野球選手、俳優など、一流と言われる人達が通った銀座「姫」の女給(ホステスではない)が主人公だ。
「昭和が疼く、ノスタルジーが沁みる」、ああ……。
3.
夢に見ていたカレーが美味しかったです。
気になった本は、『みすず書房旧社屋』『高野山』『なにかが首のまわりに』『ブルックリンの少女』などなど。
「この読書会が終わる=本を購入する」というのが定例になってしまっている……。

◆◆◆◆◆

1.エモリ
2.
『みすず書房旧社屋』 潮田登久子 幻戯書房
きっと、一生手放さないであろうドキュメンタリー写真+エッセイ集。
言葉では説明が難しい旧社屋の魅力と、本づくりに憑りつかれた者たちが醸し出す静かな凄味を、ぜひ。
3.
後半からの参加となってしまい残念でしたが、会場のガイラ…皆さんに気に入っていただけたようで嬉しい限り。
読みたい本は、今村さんが個人的にもオススメしてくださった『夜間飛行』ですね。
素敵な装丁から、ゲランの歴史的名香、同じ名を持つパフュームが立ちのぼってくるような気がしました。

◆◆◆◆◆

むらて
「なにかが首のまわりに」チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ/河出文庫
ナイジェリア出身の作家の短編集です。ナイジェリアでの、アメリカでのナイジェリア人の、そして何より女性たちの姿が描かれます。ひとつひとつ、力のある短編たちです。
「黄金列車」佐藤亜紀/角川書店
(参考)
「スウィングしなけりゃ意味がない」角川書店
「ミノタウルス」講談社文庫
「黄金列車」は物語としては地味です。大きな山場もありません。なのに何故こんなに惹かれるのか魅せられるのか。佐藤亜紀さんの文章の巧さにしびれます。但し読む前には『ヴォイヴォディナ』について少々ググってからを推奨。「読んでれば説明してくれるだろ」は佐藤さんの作品では通じませんので^^;
お初の方はより派手な「スウィング〜」が先の方が良いかも。クソ生意気でクソ格好いいガキどもがcoolです。
今回は途中で酔いつぶれてしまい失礼しました。その後はがっつり回復して元気です。
気になった作品は「吐きたいほど愛してる。」です。最後「。」が付くんですね、コレ。

◆◆◆◆◆

kuu
『こちらあみ子』 今村夏子 (ちくま文庫)
『ケーキの切れない非行少年たち』 宮口 幸治 (新潮新書)
『こちらあみ子』は、昨年のベスト本であり、作者は、ベスト作家です。どんなに年を重ねても人間関係には悩むこともあります。年を取った分、固定概念にとらわれてしまい、悪化しているようにも思います。同氏の作品たちには、そのようなことに気が付かせてもえました。そして、その原因を理解し、多様性の大切札を解説してもらったのが、宮口氏の新書です。
皆さんが紹介くださった作品は、どれも興味深かったです。特に『夜間飛行』に興味を持ちました。

◆◆◆◆◆

1.MS
2.
『夜明けのメイジー』ジャクリーン・ウィンスピア/ハヤカワ文庫
  第一次世界大戦前後の英国を背景に、貧しい少女がメイドから看護婦に、そして探偵になる物語。隠れて本を読む少女がツボです。本国ではシリーズが14作もでているのに、翻訳は一作だけ。訳してほしい。
『図書館の魔法』ジョー・ウォルトン/創元SF文庫
  。魔女の母親と闘うためにSFを読む少女の物語。今回は「本を読む少女」というくくりで。
3.
『時間は存在しない』(必ず読みます!)『百万年の船』『ハイク・ガイ』『何かが首のまわりに』『ブラックロッド』など

◆◆◆◆◆

1.JACKこと天野
2.
「ブルックリンの少女」
ギヨーム・ミュッソ
集英社文庫
結婚目前の主人公が彼女の過去を問い詰めたところ、彼女は焼死体が写った写真を残して失踪してしまう。彼は友人で元刑事の男とともに彼女を探すのだが、彼女の隠された過酷な過去が明らかに…。最後は涙無しには読めません。
「百万年の船」
ポール・アンダースン
ハヤカワ文庫SF
不老不死の人々が仲間を求めて紀元前から遠い未来まで世界各国を彷徨う物語。まだ2巻を読んでるので全3巻がどう終わるのか楽しみ。
3.今回のオフ会の感想など(面白いと思った本、その他)
個人的には2度目のガイラ。やはりどの料理も美味しくて大満足でした。特に牡蠣鍋のコクのある出汁がたまりません。
紹介された本はどれも魅力的でしたが、特に「将軍の子」、「なにかが首のまわりに」、「高野山」が気になりました。
言いにくい事ですが、一点、気になった事があります。
誰かが本を紹介している間は、その人が主役です。主役の紹介に割り込んで横取りしたり、主役の紹介に対して真っ向から否定する意見を述べたりするのは控えませんか?出来れば楽しいオフ会にしたいと思っています。

◆◆◆◆◆

1ネギシ

ハイク・ガイ
デイヴィッド・G. ラヌー
三和書籍
アメリカの俳句研究の教授が「ハイク・ノベル」。俳句と現代小説を融合させつつ、一茶の句を中心に、ファンタジー小説に形を借りた句作指南本になっている。

「高野山」はとても気になります。メイジーの続編も原語では出ているらしいので、読んでみたいと思います。アットホームなお店でごはんもおいしかったです。

◆◆◆◆◆

1.まりこ
2.
ローカル線で行こう!
真保裕一 講談社文庫
行こうシリーズ2作目。小説。
この人の本は作品に寄ってテイストが
変わり、その振れ幅が大きいのが面白い。
また、登場人物の書き分けが上手いので
この人誰だっけ?というストレスはない。 
後味の良い本でした。
3.
飛び入り参加を快諾頂き有難う御座いました。
高野山の話から密教と熊野古道の話になりましたが、現実の熊野古道、色んな意味でスゴいので是非一度和歌山まで足を運んで頂きたいです。私もいつか山越えしたいです。(那智-本宮レベル。大峯は無理)

◆◆◆◆◆

1 アンドウ
2
将軍の子 文藝春秋
保科正之の話です。徳川ものに興味があれば面白いと思います。
3
お店が渋い、料理が美味しかったです、カレーはまた食べにいきたいです。 
外国文学あまり読まないので、新鮮でした。
高野山、買いました。

◆◆◆◆◆

【2】主催者の個人的な感想

「コズミックダイニング・ガイラ」というお店で、読書会をやらせていただくのは3回目となる。お店の2階に個室となるスペースがあり、また、時間的にわがままがきき、何よりも料理が美味しく。読書会を行うのに理想的な場所と言える。
自分の近くにこんなお店があったならば、自転車で通えるのに、と思う。
しかし、新幹線で通うわけでもいかないしね。
ちなみに、今回一番遠くからの参加者は、富山から。
米沢からという一番遠い座を明け渡してしまった。

主催者がテキトウな運営を行っている関係で、少しバタバタとした読書会になってしまったようだ。
ごめんなさい。すべての責任は、僕にあります。
でもまあ、楽しくやっていきましょう。
いくつか問題点があるのはわかっているつもりで、何らかの決め事もしていかなければ、とも思っている。
(読書会って、簡単なようで、けっこう難しいこともあるのです)

とはいえ、楽しい飲み会である。
これだけの数の本が集まり、語り合える友人がいる。「友人」とかって言葉を簡単に使いたくない人間なのだけれど、気軽に本について話のできる関係というのは、なかなか難しい。
紹介された本、写真を見てもらえたならば、それなりに想像もできるのではないかと思う。
他の読書会とは明らかに違うし、独特の雰囲気があるだろう。
たぶん(なのだけど)。
それなりに多くの本を読んでいる人も、ほとんど読まないよという人も、
ここで紹介された本のリスト&写真を見たならば、
「おおお!!!」
「すごい!!!」
「読みたい!!}
てな感じになるのではないだろうか。
久しぶりに顔を合わせた人も何人かいる。
あまり多くの話をすることは無かった。
けれど、飲んで、本を紹介して、語り合う。
やはり、楽しい時間であり、こうした時間を共有することを、何らかの形で続けていきたいとも思う。

【3】本とお酒の景色


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